おはようございます。
サルオです。
早速ですが、クイズをさせて頂きます。
下の4つの天然石の中で一つだけ全く別の鉱物があります。
どれか分かりますでしょうか。
ちなみに、この両者がビーズなど加工されると全く見分けが付かないよくあります。
しかし、今回は原石なので分かりやすいかな?と思います。
・ヒント1
1番上の写真の紫色をしている天然石は結晶の形が特徴的ですね。
この事から鉱物名を一つ特定する事が出来ると思います。
・ヒント2
もう一つの鉱物は透明感のある紫色の天然石といえば「これ!」って言うくらい有名な石で誕生石にもなっています。
・ヒント3
上から2つ目の天然石は少し青色がかっていますね。
いろいろな色を持っているのがこの天然石の特徴ですが、色が変わっても宝石名は変わりません。
名前の頭に色の名前が付いてパープル○○○○○○、ブルー○○○○○○になります。
一方仲間はずれの天然石は、色が変わると名前も全く別のものに変わります。
正解は
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・
・
一番下のものが仲間はずれの鉱物です。
お写真の上3つはフローライト、一番下のものはアメジストです。
このアメジストですが、なんとも不思議な形をしております。
形状は、インドのヒマラヤ山脈で産出される「アイスクリスタル」にそっくりです。
確かに水晶やアメジストは色々な形状で産出されます。
そしてそれが魅力でもあるのですが、アメジストがこの形状で産出されるのを初めてみました。
仕入先さんの話では、ブラジルのセアラ州で発見された新しいアメジストとのことで、今年のツーソンミネラルショーでも出回っていなかったので、ブラジルに直接買い付けに行っている業者しか持っていないそうです。
少なくとも日本に入っている物量はまだまだ少なく、かなり珍しいものであることには間違いと思います。
そして今後、流通量が増えるのか、それとも見かけなくなっていくのか、今のところ予想は出来ません。
アメジスト原石 ブラジル・セアラ州産
それではこのアメジストについて考えていきましょう。
実際のところはまだ解明されていませんのであくまでも推測なのでご了承下さい。
まずこの全体像ですが、両端に結晶の先端があるように見えます。
つまりよく見かけるアメジストのクラスターとはそもそも出来方が異なり、両剣水晶のような形で結晶ができたと思われます。
しかし、フラワーアメジストなど放射状に結晶が成長しているアメジスト以外で、両剣になっているアメジスト自体を僕は見たことがないので、そういう意味でも興味深いです。
両剣水晶は粘土状の鉱物に埋もれて成長したか、柱面の一部が岩石に接触して成長した場合に出来ますので、おそらくこのアメジストも同じような状況にあったものと推測します。
次に面白いのはまるで腐食したかのような形状です。
上の写真のように表面はごつごつしていますが、結晶の表面に穴がたくさん空いているのが分かります。
おそらく、強い酸などの影響でアメジストと共生していたカルサイトが溶けてしまったものではないかと思います。
その証拠にアメジストに空いた穴の形状がカルサイトの結晶によく見られるの錐(きり)状の「犬牙状」をしているのが分かります。
おそらくですがトライドーニック水晶(錐面に逆三角形のマークが出る水晶)の場合、水晶の表面が滑らかになるイメージがあるので、トライゴーニックが出来るほどの強い酸とは異なるのではないかと推測します。
しかし、アメジスト部分も少し滑らかになっているので、やはり同じ原因ですかね。
すいません。ここは非常に悩んでいるので、不確かです。
以上がこの非常に珍しいアメジストの考察でした。
考えているときが一番楽しいですね。
本日も最後までご覧頂きありがとうございました。