明日からダイエットを試みることに決めたサルオです。
バイカラー&ファントムアメジスト
特徴が多いのでどこから話を進めていくか迷いましたが、まずはファントムについてお話させて頂きます。
この特徴的なバイカラーになっているファントムですが、通常水晶が持つファントムとは見た目が異なります。
水晶の場合、一度成長が止まったときに別の鉱物がくっつき、そして成長を再び始めるため、ファントムが見えるようになります。
しかし、アメジストに至ってはそのようなタイプのファントムではなく、途中で色味が変わるバイカラー状態としてファントムが形成されることがよくあります。
これは、原理として水晶のファントムが出来る要因と一緒なのでしょうか!?
そうです。見た目からもなんとなく想像できますが、要因は異なります。
ファントムクォーツは大きく2つのタイプに分けられます。
それは、前述の成長停止と再成長を繰り返すタイプと、今回紹介させて頂いているアメジストのように成長環境が徐々に変化していき層を形成するタイプです。
つまり、アメジストの紫色をつける要因となっている「鉄」が水晶の成長と共に周りの環境の影響で濃度が変化し、紫色の濃い部分、薄い部分が出来てファントムを形成しています。
そして、このルースをよく見ると5層のファントムを見ることが出来ので非常に面白いです。
鉄が水晶に及ぼす影響と内包物について
アメジストの紫色の要員が鉄によるものであることはお話させて頂きましたが、赤や黒など針状の内包物も鉄を主成分とする鉱物です。
このブログ内でも何度も語られてはいますが、また言わせて下さい。
これはゲーサイトとレピドクロサイトです。
両者は同質異像(同じ成分で結晶構造が違うもの)の鉱物です。
つまり、過剰に水晶に取り込まれた鉄分がゲーサイトやレピドクロサイトとなって水晶中で結晶化します。
一見針状の内包物に見えますが、下の拡大された画像を見ると、完全な針状ではなく鱗状になっていることが分かりますので、この両者が含まれていることが分かります。
面白いのがファントムの錐面(ポイントの先っぽの面)に対して、垂直に規則正しくゲーサイトやレピドクロサイトが内包されているところです。
このことから、ゲーサイトやレピドクロサイトがアメジストの成長と共に同じ方向に伸びて行っていることが分かります。
よく、ゲーサイトやレピドクロサイトが平行して内包しているのはこのためで、成長の方向をうかがい知ることが出来ます。
そして、この特徴のお陰でキャッツアイ効果が出るので、その石の魅力を増幅させてくれます。
このキャッツアイ効果は今回紹介させて頂いているエレスチャルアメジストのルースも例外ではなく入っております。
横から見てもしっかり内包物が入っていることが分かりますね。
おさらいすると、このエレスチャルアメジストのオススメポイントは
・アメジスト部分と水晶部分がはっきり分かれたバイカラー
・5層のアメジストファントム
・ぎっしり規則正しく内包されたゲーサイトやレピドクロサイト
・しっかりとした透明感
です。
ここからは余談です。
アメジストの名前のルーツについて、ギリシャ神話に登場する女性の名前が由来になっているそうです。
酒の神様「バッカス」が悪戯で少女を石に変えてしまった。
その少女の名前がアメシストさんです。
その伝説のためにアメジストと身につけていればお酒に酔わないなんて話までも作られたらしいですよ!
全くお酒の飲めない僕には信じられない話ですけどね。
本日も最後までご覧頂きありがとうございました。