おはようございますっ!!
すぐるちゃんですっ!!
ここ最近、テレビや雑誌で紹介されて話題になっている「ユーパーライト」。
ネットショップ「アナヒータスタイル」でも こちらのページで原石を取り扱っていますが、
見つかったばかりで鉱物的な部分まで明らかにできていない部分がございました。
石屋さんとして、きちんと鉱物的なところまで明らかにしていきたい。。。
そんなこんなでまたまたサルオさんから貴重な金、土曜日をお譲りしてもらいました☆
土曜日も、、、という事は。
そうですっ!明日、土曜日にユーパーライト勾玉をネット限定で紹介しますので
もし興味がありましたら、
試しがてら作ってみたくらいので少ししか紹介できませんが
気になる方はどうぞ明日も見ていってくださいませ。
そして、動画を撮影しましたので先行して配信させて頂きます。
まずはコチラ。
ユーパーライトは鉱物的にはなんという石に分類されるのでしょうか。
一番知りたかったのはコレです。「えっユーパーライトはユーパーライトという新しい鉱物でしょ?」
というのは大きな間違い。名前だけが先行してしまっているので誤解を生んでも仕方がないのですが、
きちんと今まで先人たちが発見した鉱物たちによって構成されています。
ユーパーライトは実は「閃長岩」と呼ばれる岩石の一種です。
岩石という言葉を聞くとただの石ころのようなイメージを抱きがちですが、
この石に関してはブラックライトに当てなければ、そのイメージもあながち間違っちゃいないのかもですね(笑)
ただ、あの「ヒスイ」も岩石の中にヒスイという成分、鉱物が含まれているものですから
岩石は決して価値の低いものではなく、複数の鉱物が集まってできた宝箱だと思ってほしいのですね。
「しらたき」や「大根」が1つ1つの鉱物だとすると、ひっくるめた全体の「おでん」が岩石。
「出汁(石基)」に、「いろんな食材(鉱物)」がひしめきあって、はじめてうまみの凝縮した「おでん(岩石)」が形成されます。
寒い季節だからこんなたとえしかできませんが、岩石は複数の鉱物が集合した、天然石の宝庫なのです~
では閃長岩とは!?
そんな岩石「閃長岩(英名ではサイエナイトといいます)」は、
構成される鉱物である角閃石(アンフィボール)とカリ長石から名前がとられています。
ほかにもアルバイト(曹長石)や黒雲母、輝石なども含まれているようですね。
閃長岩は深成岩の一種。火山のマグマが地下深くでゆっくりと固まったものです。
同じ深成岩である出雲鏡石に、ごろごろといろんな結晶が花開いていたのを覚えていますか?
マグマに含まれる不純物、成分によって花開く結晶は異なってきますが、複数の鉱物が散在している様は
やはり共通してきますね~
そんな閃長岩の中に偶然にも光る個体が結晶している。
それがあの、「ソーダライト」だというのです。
一体どういうことなのでしょうか。
ユーパーライト発光時
オンラインショップにて販売中!!
第3のソーダライトと、1つの疑問
ソーダライトが光る原因ということは、、、
お店で定番的に置いてあるソーダライトも光るの?と思ってしまいますが
それは違います。ソーダライトには現行2つのタイプがあります。
①ブラックライトを当てても蛍光しないタイプ…通常のソーダライト
もしこのタイプが光るなら、ソーダライトを含んでいるラピスラズリも蛍光することに
なりますから、通常の個体が光らないのは明瞭です。でも我々はもう1つ光るソーダライトの亜種を知っていますね。
②ブラックライトで蛍光してさらに変色するタイプ…ハックマナイト
そうです。ハックマナイト。なかなかお値段の張る石ですから、ピンとこない方もおられるかもしれませんが
この石もブラックライトで発色します。じゃあハックマナイトが入った閃長岩?がユーパーライトなのかと思いがちですが、
それも答えはNo。ハックマナイトはブラックライトを当て終わった後も、鮮やかな色に変色し続けるんです。照射後も影響を受けます。
でもでも、ユーパーライトはブラックライトを当てている時のみ、オレンジ味を帯びた発色をします。
すなわちユーパーライトは、②のグループに鞘を収めることができないのです。
という事は、、、、
③ブラックライトで照射している間のみ蛍光するタイプ
これが今回だというのです。
ソーダライトで新しい特性(ブラックライトを当てている時のみ発色する)をもったものが閃長岩の中にひしめいているという事です。
ですがどうも合点がいきません。。。
ここまで学術的にも発達するくらい研究されてきた鉱物の世界で、
突然また全く新しいタイプというのは簡単には起こらないことと思っています。
実はテレビでそれっぽい研究者の人がこんな事を言っていたのですね。
「この発色はカルシウムが原因ですね」
この言葉を仮に信じてカルシウムが原因で蛍光しているとしましょう。
でもソーダライトの成分を見ると、、、、
Na 8(Al 6Si 6O 24)Cl 2
そうカルシウム(Ca)が入っていないのです。
ということは、ソーダライトが発色原因というのがそもそもの間違いなのでは?とすら思えてきます。
以下はあくまでも推測ですが、、、
実は光る正体はこれに近いんじゃないか。と
思っている石があるんです。
ブラックライトを当てている間だけピンク~オレンジに発色する、ソーダライトを含んだりもする石。
実は過去に1つ紹介したことがあるんですね~
皆様アフガナイトという鉱物を覚えていますか?
かつて、MORiKOさんが仕入れてきてくれた蛍光が確認できるレア石です。
実はこの石がユーパーライトの光る正体に近しいのではないかとすぐるは考えています。
アフガナイトの発色って、オレンジに近しい色で発色します。実際にユーパーライトと見比べてみると
双方を照射してみると、結構近しい色合い☆
また非常にその組成が「ソーダライト」に非常に似ているというところにあります。
そして、、、
見てください。青い部分はソーダライトと考えられますが、その部分だけ光っておらず周りだけがこうして発色していますよね、
ユーパーライトも青い部分がそもそもない石ですが、同様にオレンジに発色します。
更に、、、、アフガナイトの成分。
(Na,Ca,K)8(Si,Al)12O24 (So4,Cl,Co3)3・H2O
なんとカルシウムが入っているのですね~
このアフガナイト、すっごく怪しい(笑)
ただ、といいましても今の段階では鑑別機関が検査を進めている段階ですから
上記の内容は素人の推測にすぎないと思っていてください。
また進捗したらご報告にあがらせてもらいますね。
いかがでしたでしょうか。
ユーパーライトはユーパーライトという鉱物にあらず。
閃長岩に、蛍光する特性をもったソーダライト(あるいはソーダライトに近しい鉱物)が内包されたもの
という事でした。新しい鉱物が出てくるとどうしても名前ばかりが先行してしまいがちですが、
一度冷静になって何か似ている鉱物がないだろうか。。。と考えてみてください。
そうすると、より一層視野を広げて楽しめるのではないかと思います☆
という事で。明日!!!
初の光る勾玉、ユーパーライト勾玉をご紹介させていただきます!!
鑑賞用にも、もちろん着用しても。
ブラックライトが常に当たるインテリアを作ってみるのも面白いかもしれません。
では明日をお楽しみに~
本日ここまで~!!