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レアビーズ!アフガナイト

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こんばんは。
サルオです。

本日はアフガナイトのビーズを紹介させて頂きます。


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見た目はアクアマリン。しかし、実はもっと珍しい、知る人ぞ知る宝石ですよ。
もちろん?僕が持っている鉱物の本の中でこの「アフガナイト」について書かれているものはございませんでした。

ということで、信用出来そうないつも見ている海外サイトの鉱物データベースを中心にこの鉱物について調べてみました。
(今日は難しい話になるかもしれません)

気になるのが、この鉱物の仲間について。
アフガナイトは何の鉱物と同じ仲間になると思いますか?

唐突に言われても難しいですよね。
見た目はアクアマリンに似ていますが、成分を見てから近い成分の鉱物を探してみましょう。

アフガナイト成分:(Na,Ca,K)8(Si,Al)12O24(SO4,Cl,CO3)3・H2O

アフガナイトの成分は非常に複雑。
やはり疑ってしまうのはアフガナイトの特徴でもある蛍光性からソーダライトなどの蛍光鉱物です。

アフガナイトのビーズにブラックライトをあてた写真がこちら。
波長365nmのブラックライトをあてるとオレンジ色に蛍光しますよ。


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アフガナイト成分:(Na,Ca,K)8(Si,Al)12O24(SO4,Cl,CO3)3・H2O
ソーダライト成分:Na8(AlSiO4)Cl2

ソーダライトに含まれている成分をアフガナイトは全て持っていることが分かります。
逆にいうと、アフガナイトのカルシウム・カリウムという金属元素に硫酸、塩素、炭酸、水が抜け落ちたものがソーダライトになります。

実はこのアフガナイトとソーダライトは同じ産地から産出されます。
もっというと、アフガナイトはラピスラズリを産出する鉱山で産出されたものです。

ラピスラズリは岩石で、ラズライト、ソーダライト、パイライトといった鉱物の集合体です。
そのためソーダライトとアフガナイトの成分が似ているのも納得できます。

ソーダライトは準長石というグループです。
長石はナトリウム、カリウム、カルシウムといったアルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属(周期表の左2列(H,Be,Mg除く))のアルミ珪酸塩鉱物です。

ソーダライトはそれに塩素(Cl)を含んでいるため、「準」長石となります。

アフガナイトも同じことが言えると思います。

Na,Ca,Kはアルカリ金属とアルカリ土類金属、それにアルミ珪酸塩鉱物(AlSiO2)を含んでいます。
そして、準長石としては不純物にあたる硫酸(SO4)、塩素(Cl)、炭酸(CO3)、水(H2O)を含んでいます。
そのため、このアフガナイトを分類すると準長石グループの鉱物にあたると思われます。

しかし、これだけ多くの不純物を含むというところが希少性を増しているところではないでしょうか。

ちなみに、ラピスラズリと同じ産地であることは書かせて頂きましたが、ラピスラズリのようにパイライトを含んだアフガナイトもありましたよ。


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この穴口付近にキラリと光る小さいものがパイライトです。
そして、細かく点在している濃い青い部分はラズライト。
ラピスラズリに含まれているものですよね。
ラズライトはリン酸塩鉱物なのでアフガナイトの成分とは大きく異なっております。

ここからは余談です。
成分の話をしているときに「硫酸」という言葉を使いました。
この「硫酸」という言葉を聞くと「毒」ではないのか!?と心配になる方もいるかも知れません。

しかし、この場合の硫酸を正確に言うと「硫酸イオン」になります。
SO42-ですね。
このSO42-は強い酸性を示しますが、強いアルカリ性を示す「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」と結合することで中和されて毒性のないものとなります。
そして、その結晶は安定しています。

つまり怖い硫酸は強い酸性を示すH2SO4の硫酸であって、「塩(えん)」の状態になっているものではございません。
代表的なものとして、骨折した時に使われる「ギブス」の成分はCaSO4(硫酸カルシウム)です。
鉱物でいうとジプサムやセレナイトになります。

他にも、胃のレントゲンで使われる「飲むバリウム」の成分は硫酸バリウムです。
バリウムというアルカリ土類金属と塩の状態になって中和されているので、飲んでも問題ございません。

硫酸塩鉱物でいうと、バライト(重晶石)やセレスタイト(天青石)がありますが、これらの鉱物についてももちろん毒性はございません。
(ただし、「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」以外の金属元素と結合しているものは酸性を示しますので、注意が必要なものもございます)

我々が普段飲む炭酸という酸があります。
この炭酸は弱酸ですので、飲んでも問題ありません。

しかし、逆にこの炭酸にアルカリ金属やアルカリ土類金属といった強いアルカリ性を持つ金属イオンと結合したらどうなるのか。
有名なところで言うと 成分:BaCOという鉱物があります。
化学でいうと炭酸バリウムですね。
レントゲンで飲むバリウムは硫酸バリウム(鉱物はバライト)で無害。

しかし、炭酸バリウムになると炭酸の酸が弱いために、鉱物としては強いアルカリ性を示します。
そして、成分:BaCO3(炭酸バリウム)の鉱物は和名で「毒重石」と呼ばれていて強いアルカリ性のため毒となってしまいます。
僕も大学生の時の実験の中で強いアルカリ性を示す水酸化ナトリウムの取り扱いは非常に注意が必要でした。

この危険な水酸化ナトリウムも同じく危険な酸である塩酸で中和させることで、私たちが普段口にする「塩(しお)」と水になります。

NaOH(水酸化ナトリウム) + HCl(塩酸) → NaCl(塩) + H2O(水)

何が言いたいかというと、硫酸や塩酸と聞くと怖いイメージがありますが、どんなものと結合されているかによって安全なものなりますし、逆に安全だと思われている炭酸も結合するものによっては毒になりえます。
つまり、何と何が結合してどのようなものになっているのかを見ることが大切なのです。

かなり難しい話になってしまいましたが、ここまで読んで頂いた方、本当にありがとうございます。
時々石の話をさせて頂く中で「硫酸鉱物」という話をすると「毒でしょ!」といわれることがあるので念のため書かせて頂きました。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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