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霜柱のようなアクアマリン結晶 ブラジル産

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こんばんは。
サルオです。

とても信じられないようなものが入荷してきました。
今まで見たことがない、そして、同じ様なものをこの先二度と見ることはないのではないと思うくらい非常に珍しいアクアマリンです。


★アクアマリン 結晶 ブラジル産 重さ約140g 大きさ約8*6*4cm 28,000円+税★
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アクアマリンでこのような形状になるとは我が目を疑いたくなりますね。
別の角度からも見てみましょう。


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見た目は霜柱に似ているように思います。
「霜柱(しもばしら)」があまりイメージ出来ない人も多いかも知れませんね。


霜柱の写真

この霜柱を踏むと「ザクザク」と音がします。
子供の時はそれが楽しくて踏みながら小学校に通っていたものでした。

しかし、大人になると極端に歩かなくなったためか、意識をしていないためか、地球の温暖化で山陰地方では見る機会が減ったのか分かりませんが、全く見かけなくなりましたね。

それにしても見た目はそっくり!
霜柱は氷で出来ているので水の結晶。アクアマリンはアクアマリン成分(Be3Al2Si6O18)の結晶です。

つまり、霜柱が出来る原理と同じ原理でこの世にも珍しい形状をしたアクアマリンが出来たのでしょうか。

霜柱が出来る原理を調べてみました。
Wikipediaによると、
「 気温の低下によりまず地表の水分を含んだ土が凍る。一方、凍っていない地中の水分が毛細管現象で吸い上げられるが、地表に達すると冷えた空気により冷やされて凍ることを繰り返し、霜柱が成長する。」と書いてありました。

なんとなくイメージ出来ますね。下の図のようなイメージです。地表に近くなると冷たいのでドンドン水が凍っていき、上の土が氷によって盛り上げられていきます。


これと同じ現象がアクアマリンでも起きたのか。
アクアマリンはペグマタイト鉱床で産出されます。

ペグマタイト鉱床について
マグマが岩石を造る最後の段階で一種の残り物のマグマが作られます。
そのマグマは鉱液を含んだガスや水分を多く含んでおり、それらが冷え固まることで空洞をつくります。
その空洞内の隙間の壁は結晶を育成する環境に適しており、自由な空間で結晶が成長するため美しい結晶を生みやすい鉱床がペグマタイト鉱床です。

冷え固まるといことを考えると霜柱の原理に似ているようにも思えますが、逆に近い現象です。

つまり、霜柱は上から下へ、つまり空気中から見ると下向きに成長しています。
しかし、ペグマタイト中の鉱物は鉱液やガスがゆっくりと固化することで純度の高い鉱物の結晶が出来ているので、下から上に成長していることになります。

と言うことで、見た目は似ていますが、原理で考えると異なります。

では、なぜこのような不思議な形状のアクアマリンが存在するのか。


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推測ですが、このアクアマリンはエッチング(蝕像(しょくぞう))されたものではないかと想像出来ます。

つまり、アクアマリンの結晶が出来た後に、別の高温の鉱液やガスが入ってくることによって、アクアマリンが溶けてしまったのではないかと推測されます。
このように溶けたアクアマリンの結晶はエッチング(蝕像)・アクアマリンと呼ばれ、時々見かけることがあるのですが、ここまで激しくエッチングされたものを見たことがありません。

この推測の答え合わせをするためにエッチング・アクアマリンの画像をインターネットで国内のサイトを中心に調べたのですが、見つけるとは出来ませんでした。

そして、僕がよく活用させてもらっている海外の鉱物データベースのサイトの中でようやく見つけることが出来ました。
1000枚以上のアクアマリンの結晶を見た中でようやく見つけることが出来きました。
つまり、それくらい珍しいタイプの結晶であることは間違いございません。

そのデータベース内でのこの石の説明も「信じられないくらいエッチングされたアクアマリン」という表現になっていたので、やはりエッチングではないかと思います。
ちなみに、データベース内での産地はブラジル、ミナスジェライス州Pedra Azul(ペドラ アズル?)でしたので、おそらく産地が同じでないとこのような珍しいものはでないと思いますので、この付近だと思われます。
またPedra Azulはポルトガル語(ブラジルの公用語)で「青い石」という意味です。
推測ですが、アクアマリンを多く産出するところですのでそのような名前の町になったのではないでしょうか。

長々と難しいことを書いてしまいましたが、見た目の形状だけではなく、アクアマリンらしい水色の結晶も鮮やかで、石の照りがとっても綺麗なアクアマリンですよ。


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霜柱の原理も分かりましたし、今年の冬はあえて霜柱が出来るように庭を手入れしてみようかと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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