十勝石とは、
北海道の赤石山というところで採掘される黒曜石。
黒曜石は急速に固まった溶岩の一種なので、
実に様々な地域や場所で採掘されます。
日本でも100箇所以上の産出報告があるともされています。
しかし、この十勝石は他で採掘される黒曜石とは少し違います。
それは写真のように赤いサシが入っていることが大きな特徴です。
100箇所以上の産地報告がある中で、
この赤が入る黒曜石は日本では北海道の白滝(しらたき)というところに限られます。
地元の人たちはこうした色合いのものを特別に
「花十勝(はなとかち)」や「紅十勝(べにとかち)」
と呼んでいるそうです。
なぜこの十勝石だけが
このような素敵な色合いになるかといいますと、
実はこの赤と黒の模様は
そこまで大きな成分的な差はないのです。
双方に炭素や鉄分が豊富に含まれています。
この色の差は「サビ」と同じような原理です。
「酸化しているか」「していないか」の違いで、
このような素敵な色合いが生まれるのです。
溶岩は深さや位置によって、
鉄分の含まれる量が違います。
鉄分が多いと酸化しやすく赤色になります。
反対に少ない個体は黒っぽい、
黒曜石のような見た目になります。
その2箇所の溶岩が混ざった状態で噴出して、
この独特な模様が形成されます。
このような模様の黒曜石は海外では
「マホガニーオブシディアン」と呼ばれます。
それが日本で採れるということは
本当にすごいことであり、素晴らしいですよね。
弊社では、過去に採れた原石を大切に保管を
されていた方から、貴重な原石を譲り受けました。
この機会に日本の鉱物に触れてみてはいかがでしょうか。