めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~出雲大社境内社 素鵞社 福杓子祭参列編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

2011年3月11日。
この日の事を少し書かせてください。

当時私は埼玉に住んでいました。
靴の量販店で働いていたんです。
商店街にある路面店でした。

山形で生まれ育った私は1978年、2003年、
2005年に宮城県沖の大きな地震や
度々地震を経験していましたので

その日の地震は体感的に震度5くらいで
直下型の揺れでは無い、
そんなに長くは揺れ続けないと判断しました。
店内のお客様を壁側から中央に誘導し、
店内で待つよう呼びかけました。
ピークが最初に終わっていると感じたからです。
割と冷静でした。

壁側の靴のディスプレイが次々に倒れ
それに驚いたか一人だけ外に飛び出しました。

と同時に向かいのカラオケBOXから逃げ出した
女子高生が悲鳴とともに地べたに
座り込んでしまい、外に飛び出した方も
結果、道路に座りこんでしまいました。
落下物もなく怪我は無かったようです。

その後は詳しい記憶がありません。
多分閉店時刻まで通常営業しながら

荒れた店内の後片付けや
スタッフ全員の安否の確認に
電話をかけた気がします。
一人だけつながらずに

心配していましたが、夜の七時に
安全の確認が取れ、安堵したのを
覚えています。

その日の帰路はいつもなら車で10分のところ
大渋滞になり4時間かけアパートまで帰りました。
帰路、携帯のテレビで燃え盛るコンビナートの
映像を観て愕然としていました。
山形の家族はお陰様でみんな無事でした。

それからしばらくは計画停電があり
お店の営業は電気が使える時間帯のみ。
停電スケジュールとにらめっこの
不規則な日々でした。

それから実家に帰る機会が数回ありました。
そして4回目に帰郷した2017年2月。
私はどうしても行きたい神社があり
出張先の埼玉まで島根から車で向かい
仕事を終え、有給を頂き山形へ。
途中、石巻市に立ち寄りました。

向かった先はこちらです。
※写真は全て当時のものです。

 釣石神社。
宮城県石巻市北上町十三浜菖蒲田305。

北上川の河口近く、太平洋が
見える位置にある神社です。

この時は何台もの大型ダンプが行き交い
河口の整備や復旧に忙しかった
事が感じられました。
神社の建物も新しくなった
ばかりのようでした。


過去の地震に落ちること無く
その場所にいらっしゃるという奇跡的な
巨石ということで、直接目にしたかったのです。


石段の青い線が津波の津波浸水ラインだそうです。

それにしても落ちても不思議では無い
そう思えて仕方ありません。

私はこの巨石が過去の様々な地震に耐え
東日本大震災の際のマグニチュード9にも
耐え切り、
この斜面に変わらず
鎮座している姿を写真で見た時、
ぜひ会いに行こうと
思ったのです。
よく耐えてくれたものだと。

石巻市は簡単には行ける所ではありませんが
またコチラの神社には参拝させて戴けたらと
常々思っています。
回想に付き合ってくださって
ありがとうございます。

 

さてさて。
本日は先日参拝した出雲大社の境内社、
素鵞社の祭祀に参列したご報告を。

素鵞社 福杓子祭。

出雲大社本殿の真後ろ、
「御砂」で認知度が上がりました
素鵞社(そがのやしろ)の祭祀です。
毎年、旧暦の1月28日に斎行されます。
今年は奇しくも3月11日でした。

杓子は食べ物をすくう道具で、
ご飯をよそう杓子は「飯杓子」、
汁をすくのは「玉杓子」といい
これが室町時代、宮中に務める「女房」達が
使った「女房詞(にょうぼうことば」という
語頭に「お」を付けて略したり、
最後に「もじ」を付けて略した事に
起源があるそうです。
飯杓子→しゃもじ。
玉杓子→おたま。
その他にも
握り飯→おにぎり
冷水→おひや
お目にかかる→お目もじ などなど。
・・・脱線しました(^^;)

この杓子、ご飯をよそう事から
「飯とる」にかけ「災禍を、めし取り
幸福を戴き納める。」といった縁起物です。

戴けるのは祭祀の2週間ほど前からでしょうか?
説明板と大きな杓子が拝殿前に設置されると
御守所で戴ける合図です。

祭祀の開祭は10時頃から。
毎日行われる「日供祭」の後に斎行されます。
終わり次第ですので「10時頃」となります。

午前9時頃。
既に扉は開けられ、手前には2脚の案が置かれ
祝詞や榊が置かれていました。

徐々に人が集まり始め、最初は私一人が
社殿手前に居ましたが、最終的には
40~50人くらいの参列者に
なったのではないでしょうか?

例年より遅く、祭祀を行う神官がお二人
本殿での祭祀を終え到着しました。
神楽が奏でられ、祭祀が始まりました。

続いて修祓、お祓いの儀式です。

参列者も皆、大麻(おおぬさ)で祓って戴きます。

斎主より祝詞の奏上。

神語「幸魂奇魂守給幸給」
(さちみたま くしみたま、
まもりたまえ さきはえたまえ)
を参列者で3回奏上し斎主玉串拝礼。

続いて参列者代表の玉串拝礼に合わせ
参列者も二拝四拍手一拝で拝礼します。
神事は以上です。
祭主の神官はそそくさとマスクを着け
お話されました。

開祭が遅くなったのは、この日
「復興祈願祭」が全国で斎行される事になり
いつもより遅くなったとの事でした。

素鵞社のご祭神、スサノヲさまは
疫病退散の神様であること。

旧暦1月28日の祭祀が今年は
東日本大震災の日に奇しくも重なったこと。
今こそ心ひとつになる時ではないかと。

そして縁起物の授与が始まります。

社殿から恭しく降ろされました。
初穂料500円で戴けるのは
御札と福杓子です。

御札は火難水難除けで
「竈に貼ってください」といわれます。

会社に戻ってきて気づいたのですが
よく見ると・・・

 透かしがありました。
二文字合わせて「大社」と読めます。

そして杓子。

この「めしとる」の言霊は
他の神社にもあるようで
厳島神社の門前にも大きな杓子があります。
大杓子(2017年撮影)
広島観光協会のHP「広島観光ナビ」から
お借りしました。7.7mあるとか(^^;)
2017年撮影だそうです。

素鵞社で杓子を授与するようになった理由は
定かではないようですね。
実際に使ってくださいといわれます。

一人で何体戴いても構いません。
何十体と求める方もいてビックリしました。
御札は台所に貼って、
杓子はちゃんと
使おうと思っています。

本日は素鵞社の福杓子祭をご紹介しました。
旧暦ですので来年は違う日程ですね。
出雲大社のHPの年間の祭祀日程に
掲載されますのでチェックしてみてください。
来年はもっと早い時期にあるはずです。


この日は神楽殿の御朱印も
頂いてきました。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛下さいますように。

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