めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~ 手水と作法と不浄 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

またまた内容とは関係ない話を。
去る8月15日は終戦記念日でしたね。

1945年9月2日に降伏文書に調印。
事実上の敗戦の日を迎えたわけです。

最近になって戦争遺構に
出会う機会がありました。
その中で驚きと言いますか、
ショックですらあったのが、
出雲大社の神門通りの松並木に残る
戦争の爪痕でした。

いったいこの松の皮がめくれたような痕と
斜めの線が何なのかといいますと

松ヤニ採取の為のノコギリ痕だそうです。
松の木から油を精製し、
航空燃料にしようとしたのです。

実際には実験段階で終戦し
松から精製した燃料で

戦闘機が飛んだという記録は
残って無いそうですね。

そんな事が「忘れられた戦争」という
写真集に記されています。
神門通りにある、採取痕がある
松の木65本の写真が収められています。


「忘れられた戦争」 写真・文 高島敏展 氏

私の社歴の半分以上はこの神門通りのお店
めのや出雲大社店での勤務でしたので
今まで知らなかったのがショックでした。

松を見る機会がありましたら、
そんな過去がある事を、
ちょっと思い出して
くださったらと思います。

 

さてさて。
神社の手水舎(ちょうずや)に
柄杓を置いていない神社がほとんどですね。

出雲大社の手水舎。

昨年の神在祭の時の佐太神社の手水舎。

以前はこんな感じでしたね。

この手水はイザナキが黄泉の国から
帰られた時に、海に潜って禊(みそぎ)を
した事に由来しています。
海水で穢れをそそいだ事から
「水そそぎ」の意味といわれています。
または「みそぎはらえ」ともいいます。


手を差し出すと水が流れる神社が
大阪にあってびっくりした覚えがあります。
衛生的というわけでしょうか。

大阪市中央区 坐摩(いかすり)神社の手水。

柄杓を使わない手水の使い方は割と簡単で
以前にご紹介させて頂いたと思いますが
もう一度ご紹介を。
①両手を流水ですすぎ清める。
②両手に水を溜め、
 その水で口をすすぎ清める。
③両手を流水ですすぎ清める。
と、柄杓を使うときより簡単です。

手水のあと、ハンカチで拭く、拭かないの
意見が分かれるところですが、
個人的には
濡れたまま参拝してます。
ちょっと行儀が悪いかもしれませんが
浄めた手に穢れを移さないためです。
今回はそんな神社の作法などを。

手水舎の前に大抵は鳥居があると思います。
なんと、鳥居もくぐり方があるんですね。
一礼してから入る。その通りです。
神域といわれる鳥居からは一礼する、と
伊勢神宮に向かうタクシーの中、
運転手の方から教えて頂きました。
ちなみに伊勢神宮は、榊が柱に
設えてある鳥居から神域だそうです。
写真の説明はありません。

出雲大社なら「正門」と呼ばれる
二之鳥居でしょうか。

そして、もう一つ。
鳥居をくぐる時は右足から?左足から?
これは左端からくぐる時は左足から、
右端からくぐる時は右足から潜ります。
これ、「お尻」と関係してるんですね。
お尻は「不浄」と考えるようです。
排泄に関わるのがお尻だからでしょう。
トイレを昔の人は「ご不浄」と
呼んだそうです。
漫画「三丁目の夕日」でセリフにありました。

ですので、神社の階段や建物に
お尻で座る事は大変失礼な事なんですね。
私、靴紐を結ぶのに拝殿の敷居に
腰掛けてしまい厳しく怒られた事があります。
軽率でした。

出雲大社の祭祀で「古伝新嘗祭」は
限られた人数が拝殿に昇殿出来るのですが
2時間以上正座です(^^;)

11月23日19時より斎行される古伝新嘗祭。

お尻を神様になるべく見せずに
進んだり下がったりする作法。これを
「進左退右(しんさたいゆう)」と
言うそうです。

先程の鳥居。
左側から左足を出すと、中心に向かい
お尻が見えにくくなります。逆に左端から
右足を出すとお尻が見えやすくなります。
そんな理由で鳥居はくぐる端の足から
出しましょう!

そして拝殿などに昇殿の機会がある場合の
履物の脱ぎ方があります。

本殿に向かい後ろを向いて
靴を揃えて上がるのは失礼です。
これを履物を船に例えて
「出船で入る」と言うそうです。
船が建物から出ていく向き、
それで「出船」と言います。これだと
お尻を向けちゃいますからね。

逆に本殿に向かい、靴のつま先を向けて
上がるのを「入船で入る」と言います。
その時、靴はそのままにしておきます。
向きを変えようと手で靴を触ると
靴の不浄が移ってしまうからです。

そして、神社では正中、
つまり神様の真ん前や、拝殿・本殿の
真ん前を通る時、頭を下げながら横切ると
神様に対して畏敬の念が現れます。
出雲大社八足門前や神楽殿前を通る時
神職の方どなたでも巫女の方でも
向きを直し、社殿に向かい会釈して
通られます。
学ぶは真似る。誰もやっていなくとも
真似をしてやってみると、
なにか安心する感情が湧いてきます。
機会があればやってみてください。

作法に従うのは、なるほど
大事ではあります。ですが

いちばん大事なのは神様を敬うという
基本でしょうから、二拝二拍手一拝の
事がきっちり出来ていれば良いのかな
とも思ったりします。
ただ、この事を知っていると、
神職の方が階段を上がる時
何故、あんな足運びなのか、
ですとか、
神事の最中、
正中を横切る時の

足運びに納得出来ることが
あると思いますね。

参考になさってくだされば幸いです。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛下さいますように。

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