めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~ 神社の屋根 編 ~

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みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。

読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。

私事ですが、
先日初めて「ヨガ」をやりました /(^^;)
それも「奉納」という形で。
木材の彫刻アートを制作する知人が

うさぎの彫刻を出雲大社に奉納し、
そのあと、「東の神苑」で
ヨガの奉納をさせて頂きました。
私もその中のヨガを奉納した一員でした。
貴重な体験でしたよ!

社務所でまず手水を使い「清かけ」という
白装束に変わるものを首から掛け
拝殿にてうさぎさんの奉納。
祝詞も奏上して頂きました。
その後、八足門内で正式参拝。そして
著名な歌手の皆さんも奉納コンサートを
行った東の神苑で私達もヨガを奉納しました。

彫刻奉納やヨガの奉納にしても
行き着くところは「感謝」なのだと
改めて実感する大変良い機会を頂きました。
何より前日が飛行機やJRの遅延があった位の
荒れた天気でしたが、当日は好天に恵まれ
彩雲が空にありました。

写真
提供:長澤翼 氏 https://note.com/tsubasanagasawa/n/nadbbb54bf399

愛知県豊田市のヨガインストラクター
論田彩乃さんの楽しヨガでした♫
https://www.instagram.com/ronden.ayano/

その時、記念品ということでしょうか?
出雲大社から「御本殿大屋根檜皮古材」を
頂戴しました。

これは「昭和の大遷宮」以来
「平成の大遷宮」で
ご修造されるまで、
屋根に使われた
檜(桧→ヒノキ)の皮で
「檜皮(ひわだ)」と
いわれるものです。
60年の間、本殿を守った屋根の古材です。

出雲大社の屋根はこの檜の皮を使った
「檜皮葺(ひわだぶき)」という仕様です。

しかも全国各地の寺社で使われる檜皮が
概ね二尺五寸(約75センチ)であるのに対し
出雲大社本殿で使用されるのは、
三尺(約90センチ)、
三尺五寸(約105センチ)

四尺(約120センチ)と規格が長いものです。
特別仕様なんですね。
出雲大社の屋根はこの檜皮を竹釘で
職人が手作業で葺いていった屋根です。
平成の大遷宮ではこれらの檜皮が64万枚
必要だったそうです。

ヒノキの皮を重ねた屋根は裾の
厚いところでは90センチにもなります。
昭和の大遷宮から平成の大遷宮までの60年間
出雲大社は雨漏りをしなかったと伺います。

とろでこの檜皮古材。
以前にも配られた事がありました。
その時は、本殿のご修造が完成し
本殿に神々が戻られる、つまり遷宮祭が
斎行される前のタイミングで
本殿のお披露目の期間がありました。
きちんとした身だしなみであれば
誰でも八足門の中に入り
拝観することが出来ました。
その時、記念品として戴いてきました。

中には屋根材を小さくカットした
檜皮が入っています。

先程の写真のものと包みの違うところが
本殿遷座祭 平成二十五年五月十日
の記載の有無。
そして裏にかいてある文面も違います。
本殿遷座祭と書かれている包みの裏には

出雲大社では「平成の大遷宮」を
お仕え申し上げております。

と大遷宮が現在進行系の表記に対し、
遷座祭の表記の無い、先日戴いた方には

平成二十五年五月十日には
麗しく調った御本殿へ
大神様にお還りいただく
「本殿遷座祭」を

お仕えいたしました。
とあり、既に神々が還られた事がわかり
時間の経過が伺えます。

大神さまのご神威を戴きました。


さて。
今回は神社の屋根に注目してみます。
出雲大社は本殿や回廊、境内摂社も
檜皮葺の社殿です。

以前、本殿後方の素鵞社の屋根の
一部が飛んでしまい、修理をしていました。

※2021年3月撮影。

素鵞社のご修造から8年近く経つ頃ですが
経年変化が解りますね。

桧皮葺と似たような屋根に見えますが
木の木片が組み合わされた屋根もあります。
「杮葺」といわれます。
は「こけら」と読み、
(かき)によく似た字なのですが
果物の「柿」は「市」の上部がなべぶたで
こけらは1本の縦棒が横棒を突き抜ける形で、
上から下までつなげて書きます。

そんな杮葺の社殿はこちら。
出雲大社の境外社、上の宮。
杮葺の屋根で、
造りも大社造りではなく流造り。
ちょっとだけ違います。

そしてこちらも杮葺でした。
須佐神社 出雲市佐田町須佐730


※2018年1月撮影。

個人的に屋根で印象深いのは
山形県南陽市にある
熊野大社の
社殿の屋根です。

熊野大社 山形県南陽市宮内3476-1

※2017年2月撮影。

暗いのと雪でわかりにくいのですが茅葺きです。
「茅(かや)」はススキや
チガヤ、
ヨシ(アシ)などの総称だそうです。

調べてみると通気性や断熱性が良く、
屋根を急勾配に作るため、雪が滑り落ちる
といった、雪国に向いているような
メリットが目に入ります。
こちらは勾配が緩く積もってますが(^^;)

雪国と言えばこちらも茅葺きの拝殿でした。
天津神社・奴奈川神社拝殿 

新潟県糸魚川市一の宮1-3-34
※2019年7月撮影。

そして瓦屋根。
瓦屋根の本殿の写真を探したのですが
中々見つかりません。
やっと見つけた神社は神仏習合色の濃い
仏閣の様な神社でした。
焼火(たくひ)神社 島根県隠岐郡西ノ島町 焼火山

※2019年4月撮影。

「焼火」は「火を焚く」の意味で
海側にある神社は灯台の役割をしたそうです。
立地も海側の小高い場所にあります。
とはいえ、荒れた日には潮風が特に
塩害がありそうです。

瓦の屋根は耐久性があり
対応年数が長いのだとか。
イメージ的に海側の家屋が瓦屋根の
家が建ち並ぶ印象が強くあります。
トタンなどは錆びてしまいそうですが
瓦なら耐えられそうですね。
逆に桧皮葺は砂が溜まりそう。

そして銅葺屋根という
銅板を敷いた屋根もありますね。
熊野大社 島根県松江市八雲町熊野2451


※2018年4月撮影。

熊野大社のHPには
昭和53年(1978)銅板葺きに改めました。
とあり、それまでは檜皮葺だったようですね。

こちらもそうですね。
宗像大社辺津宮(第三宮) 福岡県宗像市田島 2331

※2018年2月撮影。

新しい屋根は銅色といいますか
ピカピカ光って見えますね。
美保神社境外社 久具谷社。


※2020年10月撮影。

軽量でメンテナンスがいらないそうです。
鉄と違い錆びて朽ちることが無いようですね。
鎌倉の大仏が野ざらしでも現存しているのは
銅製だからの様です。
メンテナンスフリーと考えれば
寺社仏閣に向いているのかもしれませんね。

個人的には桧皮葺を見ると
悠久の美を感じずにはいられません。
そして現実問題として、森林破壊が進めば
神社の維持も難しくなります。
実際に過去、木材の調達には苦労した様で、
その山の枝一つ持ち帰れば祟ると恐れられた
霊山の木々を使って建て替えをした
過去があるそうです。
そんなことも何度も行えるわけでもなく

建て替え、いわゆる「御造営」が厳しく、
「御修造」という
損傷が激しい屋根や
部分的な修理の遷宮が
主流の様です。
そうであっても64万枚もの
檜皮が必要な出雲大社。
私達が出来ることは
身近にあるような気がします。

 

今回は神社の屋根を取り上げてみました。
参拝の際に本殿の造りもそうですが

屋根に注目しても面白いかもしれません。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

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