石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~ 

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。

この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて。

今回は古事記・稲羽の素兎の話から
出雲國が古代より医療・医術の
先進国だった事を
ご紹介させていただく2回目です。

 

その2 古代出雲は医薬の国だった ~稲羽の素兎編~

 

 稲羽の素兎 ~オオクニヌシと医療知識~

稲羽の素兎の神話は
古事記の中では認知度の高い
お話ではないでしょうか!?

簡潔にそのあらすじを
書かせていただきますね。

稲羽(因幡)の国の
ヤガミヒメを娶ろうと

オオクニヌシの兄神達(八十神)は
大勢で出かけていきます。
その時、オオクニヌシを荷物持ちとして
連れて行きます。

先行して道中を進む八十神達は
気多の岬に来た時に
裸(あかはだ)の兎に会います。
「あかはだ」とは毛を剥かれ
赤い肌が露出した状態の表現でしょう。

気多ノ前展望広場からの眺望。右下に岬。

八十神は兎に
「潮水を浴び、風にあたって
山の頂に寝ておれ」と言います。

その言葉に従うと肌はひび割れ
兎は痛くて泣いていました。

遅れて通った荷物持ちのオオクニヌシ。

道の駅 神話の里白うさぎ入口の石像。奥に白兎神社鳥居。
兎に泣いている理由を問うと
淤岐ノ島
(沖の島)から陸に渡ろうとして
兎はワニ(サメ)を騙したのがバレてしまい
毛を剥がされてしまった話を語ります。

白兎海岸。手前の灯籠の礎になっている岩礁は「恋島」と呼ばれ
オオクニヌシがヤガミヒメに
求婚した場所といわれているそうです。
向こうに浮かぶ島は「
淤岐嶋(おきのしま)」。

そして先に通った
八十神たちの言った通りにしたところ

傷が酷くなって泣いていたと。

話を聞いたオオクニヌシは兎に
「真水で体を洗い、蒲(ガマ)の穂の
花粉を取って敷き、その上を寝転がれ。
そうすれば元通りになる。」
と教えます。

素兎が体を洗ったと伝わる池。

言われた通り兎は真水で体を洗い、
蒲の花粉を敷き、その上を寝転がります。

神社の鳥居近くに自生している蒲(ガマ)。

オオクニヌシの言われた通りにすると
兎の体は元通りになります。

この後、兎はヤガミヒメが
八十神のうちの誰かではなく
オオクニヌシを
選ぶことを予言します。
そして兎は「兎神」である
と書かれています。

「兎神」ですので予言ではなく
「ご神託」でしょうか?

童話と古事記の大きな違いは
「意地悪な八十神たち」や
「優しいオオクニヌシ」といった表現は
古事記には出てこないところ。
感情表現は無く淡々と語られています。

さて、これらの事から「稲羽の素兎」は
何を伝えたかったのでしょう?

傷ついた兎に対しての
八十神、オオクニヌシの言動は
それぞれが持っている「医療知識」に
基づいたアドバイス、「治療」と言えます。
結果として八十神たちの医療知識は
この場合間違っており、治療としては
オオクニヌシの知識が正しかったのです。

オオクニヌシは優れた医師だと
暗に示しているのが
この稲羽の素兎の神話では無いでしょうか。

ところで、皆さんの日常で一番多い怪我は?
と聞かれれば
何と答えるでしょう?
私でしたら「切り傷」でしょうか。
大きく皮が剥がれる怪我や
広く擦りむく様な怪我は
それほど無い様に記憶しています。

八十神の処方はどちらかと言えば
ちょっとした切り傷に対するそれのようで
毛皮を剥がされ「裸」になったウサギの

怪我に対する処置では
無いのではと感じます。
大勢にもかかわらず、八十神たちは

正しい処方を誰一人知らなかったという
対比にもなっています。

そしてオオクニヌシが
兎に指示した蒲(ガマ)。

蒲の花粉を乾燥させたものを、
漢方で蒲黄(ほおう)といいます。
止血や傷薬として使われたり、
火傷に塗布したりするのだとか。

古事記の原文は「蒲黄」と書いて
「ガマのはな」と読ませています。
偶然では無く、意識して書かれたのではと
思わずにはいられません。

古代、医療はご祈祷やまじないの
時代があったようです。

つまりは医者=シャーマン
という図式が成り立ちます。

そして偉大なシャーマンは人を統べる
統率者になり得るというわけです。

オオクニヌシはやがて国作りを成し遂げ、
この国をアマテラスの血筋である、
天孫に譲る事になります。

医療に長けた統率者である
オオクニヌシが作ったこの国は

天孫が治めるに相応しいといった
前フリになっているようです。
オオクニヌシのこのお話は
出雲が医療大国として存在していた
その裏付けの一端といえるでしょう。

オオクニヌシが素兎と出会った
伝承地、気多の岬の近くには
白兎神社があります。

白兎神社(はくとじんじゃ)
鳥取県鳥取市白兎60

拝殿。

拝殿と本殿の間は屋根だけの幣殿。

本殿の台座石。菊花紋が施されています。
皇室と繋がりがあったかもしれないと
いわれていますが、
詳しくはわからないそうです。

「稲羽の素兎」の「稲羽」は
「稲場」と解釈すると、稲置き場であり
固有の場所では無いという説があります。
前回ご紹介した売沼神社と出雲の間の
どこかかもしれませんね。

確かに大山の麓の
伯耆にも「伯耆の素兎

そして「素兎」、原文では「素菟」。
そう、「白兎」では無いんですね。
古事記は読みが間違われそうな言葉には
読み音の文字が施されています。
例えば「高天原」。
高の下の「天」は「阿麻(あま)」と読む。
といったように。

ですが、「素菟」には
読みが書かれていません。
「素」は「素人(しろうと)」の様に

「しろ」とも読めますが、
もしかしたら「すうさぎ」かもしれません。
「毛が剥がされた素裸の兎」と
読み取れます。

また、蒲の穂から花粉が採れる時期と
兎が冬毛で白くなる時期は
ずれているようで、「白色では無い」
といった
説が多いようですが、
この兎がアルビノだったらどうかな?
なんて、天の邪鬼な私は思ってしまいます。

漢字と万葉仮名が
混じって表記されている古事記。
稲羽の素兎のお話は
たった398文字の漢字の羅列で
書かれています。
そんなお話の行間を読むところにも
古事記の楽しみは
あるのではないでしょうか。

 

◆新ブランドについて◆

 

出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。

遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。

この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。

一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。

「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。

 

◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆

化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。

主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。

真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。

いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。

日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。

この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。

 

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

 

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