石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。

この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
今回は古事記、出雲國風土記を通し
出雲國が古代より医療・医術の國だった事を
ご紹介していきたいと思います。

今回は国作りのパートナー
スクナヒコナをピックアップします。

その6 伝説の医者がモデル? ~スクナヒコナ編~

国作りのパートナーはちっちゃな神様。

さてさて
件のスクナヒコナ。
神話ではオオクニヌシの国作りの
パートナーとして書かれています。

古事記の登場シーンは非常に印象の強い
書き方になっています。
場所は美保の岬。現在の美保関。
ここでオオクニヌシと出会います。

波の向こうからやってきます。
乗っている船は「ガガイモの実」。
身にまとっている服は蛾の羽。

ガガイモの実の写真が
Wikipediaにありました。

緑の実が成りますが
写真は実った後の種を飛ばす頃の様です。
この実は長さ10センチほど。
種を飛ばす時に2つに割れた片方の形は
船のようです。

スクナヒコナが着ていた服は蛾の羽。
その事からも小さな小さな神様なのが
わかります。

日本書紀にはミソサザイという
鳥の羽を着物にしているとあり、
現在訳されている古事記の「蛾」は
原文では「鵝」。ガチョウの事の様で
鵝は誤りではないかといわれていますが
鳥の羽、もしくは虫の羽根を
身にまとっていたようです。

この小さな神様、名前を聞いても答えず
だれもこの神様の名前を知りません。

この時ヒキガエルが
クエビコなら知っているはずです。
言います。

カエルが答へ導くきっかけを作れたのは
地面スレスレから上を見上げている為、
人が見ている世界より多くの世界を
知っているという事のようです。

クエビコに尋ねてみると
「この神はカミムスビの御子、
スクナヒコナの神です。」と答えます。
クエビコとは「カカシ」です。

オオクニヌシがカミムスビに確かめると
「確かに私の子で手の指の間から
こぼれ落ちた子どもだ。」と答えました。

さらにカミムスビは「二神は兄弟となりて
国を作り堅めよ。」とおっしゃられました。

その後、国作りを行う二神。
しかしながら半ばにして、
スクナヒコナは海の向こうの永遠の国へ
旅立ってしまいます。

とまあ、短いながらなんとも
インパクトがありませんか?

さすが国作りを任せられるだけあって
このスクナヒコナは国の基盤を整えるのに
十分な知識を持った神様なのです。
祀られている神社での御神徳は様々で、
医薬・温泉・まじない・穀物・知識・酒造
石の神など多岐に渡っています。

スクナヒコナの御神徳の中で、
今回ピックアップさせて頂くのは
医薬・医療に関する神様としての側面です。

スクナヒコナは中国の伝説的な名医を
模しているのかもしれません。
その理由は登場シーンの装いに由来します。

漢の時代、古代の中国には伝説的な
名医がいました。
「扁鵲(へんじゃく)」というその名医は
人頭鳥身の姿で残されています。
そのことから「鳥人」と呼ばれました。

引用:真柳誠「目でみる漢方史料館(71) 
人面鳥身の針医-二世紀の画像石から-」

お解りに成るでしょうか?
胸から下は鳥で羽根があります。

鳥をイメージさせるスクナヒコナの装いは
渡来の名医の姿を
暗示していたのかもしれません。

さらに酒造の神様として祀られています。
佐香神社 出雲市小境町。

出雲國風土記には
佐香の河内に百八十神等集い坐して、
御厨立て給いて、酒を醸させ給いき。
即ち百八十日喜讌(さけみづき)して
解散坐しき。故、佐香という。とあります。

文中の喜讌(さけみづき)とは酒みづき。
「みづき」は「水漬く(き)」の事で
酒びたりの宴会という意味になります。
この土地、佐香郷の地名由来の逸文です。

佐香神社のご祭神は久斯神(くすのかみ)。
スクナヒコナの別名といわれています。
「くす」は「さか」と同じく「酒」の
古語だそうです。

私は個人的には「薬」の「くす」に
思えて仕方ありません。
酒も薬と考えれば医療に長けた神様が
作ってもおかしくないと思うからです。
変な例えですがコカ・コーラの様に。

名前は「奇し」から転じても納得できます。
そのくらいご神徳が多岐に渡っています。
「奇し神」と讃えても大げさでは
無いような気がします。

古事記に記載され、ヤマタノオロチ退治の
必須アイテム、八塩折の酒。
風土記の佐香郷の地名由来に登場する
お酒に関する記載が
ここ出雲が日本酒発祥の土地という
由来の根拠となっているようです。
その一端はスクナヒコナの功績です。

「国作り」というとかなり範囲の広い
多岐に渡る行為が行われたと思います。
土木から医療、それこそ生活様式の革新等。
スクナヒコナをオオクニヌシのブレーンと
称する方もいらっしゃるようです。
出雲の躍進に、ひいては国の創生に
大きな影響を及ぼしたスクナヒコナ。

途中いなくなってしまいますが
スクナヒコナが残した多大な功績は
後に天孫が治めるに相応しいと
アマテラスに言わしめた結果と成りました。

余談ですが、スクナヒコナが
実を舟として乗ってきた
「ガガイモ」。
その茎や葉は解毒や腫れ物に薬効のある
薬草として出雲國風土記に
掲載されているそうです。

舟形の実なら、何でも良い訳では
無かったのかと思う私は
深読みしすぎでしょうか!?

スクナヒコナは天から降臨した神様。
その実は親神の手からこぼれてしまった
という裏話がちょっと笑えますね。

 

新ブランドについて◆

出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。

遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。

この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。

一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。

「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。

 

◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆

化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。

主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。

真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。

いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。

日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。

この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。

 

 

新コスメにまつわる神話や風土の過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

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