石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その9 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編④~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。

この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
今回は古事記、出雲國風土記を通し
出雲國が古代より医療・医術の國だった事を
ご紹介していきたいと思います。

前回に続きスクナヒコナが残した
島根に残る足跡を追ってみましょう。

 

その9 ~スクナヒコナ編④~

オオクニヌシとちっちゃな神様の国作り

さてさて
件のスクナヒコナ。
前回のブログで国作りの相談をした
大黒山を紹介させていただきました。
引き続き足跡を追ってみましょう。

その前に( ̄へ ̄)b
万葉集にこんな和歌が載っています。

オオナムチ スクナヒコナの
いましけむ、
志都の石屋(しずのいわや)は、
幾代 経(へ)にけむ 

詠み人:生石村主真人
(おいしのすぐりのまひと)

訳:オオクニヌシとスクナヒコナが
  いらっしゃったという志都の岩屋は

  いったいどれくらい経つのだろう

その静之窟(志都の岩屋)の伝承地が
島根県には2ヶ所あります。

静之窟 島根県大田市静間町630−1

国作りの際の仮宮(仮の住まい)と
伝承される神蹟です。

残念ながら崩落の危険がある為
立ち入りが禁止されています。

奥行きが45mもあるという
波の浸食によってできた海蝕洞です。
二方向に入口があります。

中には かの和歌が彫られた
歌碑が建っています。

歌碑の題字「静之窟」は
徳川家達(いえさと)。
和歌の書は出雲大社第80代国造の
千家尊福(せんげたかとみ)の
書だそうです。
入口のところからは
文字までの確認は難しいですね(^^;)

波打ち際近くのこの神蹟には
神社があったそうですが
高波のため流されてしまい
現在は垂水山という近くの小高い場所に
遷座されています。 こちら。
静間神社 大田市静間町垂水1765

道路向かいの池にもお社がありました。
多分こちらは厳島神社。

宗像の三女神が祀られているようです。
以前は渚の洞窟にあったわけですから
海運の守護神として祀られていたのでしょう。
静間神社の遷宮とともに
こちらにお越しになったかもしれません。

そしてもう一箇所。
志都岩屋神社。
島根県邑智郡邑南町岩屋1714
ちなみに松江市内から車で

2時間30分ほどの所にあります。

こちらは神社のある山、弥山一帯が
巨石に溢れた山なのです。

本殿の背後には
「鏡岩」と呼ばれる巨石が鎮座しています。

また、鏡岩の脇からは水が湧いています。
「薬清水」と呼ばれ
島根の名水100選の一つになっています。

神聖な場所と考えられたのではと感じますね。
古代は祈りの場でやがて修験の場に
なっていった雰囲気が漂います。

そして静之窟と伝承されるのがこちら。

案内板には「古志都(こしづ)」と
書かれています。
仮の住まいにしては
ちょっと窮屈に見えますね(^^;)

古事記に二柱の功績が書かれていないのは
もしかしたらスクナヒコナは
オブザーバー的な役割だったのでしょうか?
「国作りの相談をした」や
「相談のための仮の住まい」のご紹介が
今回メインです。

そこで私が思ったのは
現在では生活に溶け込み
当たり前と認識されている事を
スクナヒコナは伝えたのかもしれません。

様々なご神徳を有するスクナヒコナ。
多岐に渡って生活改善の術を伝え
当時の人々の暮らしを
革命的に改善したのかも。

当時は革命的な事でも
今は当たり前になっていしまい
だれが始めた、誰が考えた、なんて
思いもせずやっていることが
実はスクナヒコナのお陰だった
なんて事になっているのでは
ないでしょうか

日本書紀には
「恩頼(みたまのふゆ)」という言葉が
スクナヒコナの伝承の中に使われています。
祝詞にもあるこの言葉、
これは神様の威力やそれから頂く
恩恵の事を言います。

神様から頂く恩恵によって
私達の魂は殖えるのだとか。

二神が成した国作りとは
生活の改善による
豊かさだったのかもしれませんね。

さて、今回もスクナヒコナの
足跡を追ってみました。

次回は国作り半ばにして
常世の国へ去ってしう
スクナヒコナの足跡を追って見ます。

 

新ブランドについて◆

出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。

遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。

この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。

一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。

「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。

 

◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆

化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。

主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。

真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。

いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。

日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。

この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。

 

 

新コスメにまつわる神話や風土の過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その7 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その8 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編③~

 

 

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