出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。
この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
今回は古事記、出雲國風土記を通し
出雲國が古代より医療・医術の國だった事を
ご紹介していきたいと思います。
前回に続きスクナヒコナが残した
島根に残る足跡を追ってみましょう。
その10 ~スクナヒコナ編⑤~
ちっちゃな神様は常世の国へ・・・
さてさて
件のスクナヒコナ。
前回のブログで国作りの際の
仮の住まいと伝承の残る
静之窟(しずのいわや)を
紹介させていただきました。
今回でスクナヒコナ編も最終回。
どうかお付き合いください。
古事記ではオオクニヌシとの国作りの途中
突然海の向こうの国「常世の国」へ
行ってしまいます。
二神が国を作り堅めたと書いてある次には
スクナヒコナは常世の国ヘ行ってしまった。
とあります。
国作りが終わって去ってしまったのか!?
と思いきや、次に「私独りでどうやって
国作りができるのだろう・・・」と
悩むオオクニヌシの描写があります。
ここで、まだ国作りが
完成していない事が解ります。
スクナヒコナは完成を見ずにいなくなって
しまったのでした。
日本書紀はもうちょっと
詳しく書かれています。
オオクニヌシはスクナヒコナに
「国作りはうまく行っているのだろうか?」
と尋ねる場面があります。
スクナヒコナは
「うまく行っている所もあれば
そうで無い所もある」と
曖昧な返事をしたかと思うと
熊野の御碕(みさき)から
常世の国へ行ってしまわれました。
コチラは読み方によっては
スクナヒコナがやり切った感があります。
また日本書紀には淡嶋に行かれた際、
粟の茎に登られたと異伝があります。
その時、粟の茎に弾かれ常世の国へ
行ってしまわれたとも。
まだやり残した事があったのか
もしくはこれまたやり切ったのかは
ちょっとわかりませんね。
前出の「熊野の御碕」は
ここではないだろうかという
伝承はちょっと見つかりませんでした。
ただ、松江市の八雲町、熊野大社のある
あたりであろうといわれているようです。
「御碕」は「岬」とも考えられますが
この当時は入海も遠く、山ではないかと
推測されます。
山であれば私がピンと来るのは
熊野大社の元宮がある松江市八雲町熊野の
「天宮山(天狗山)」です。
それは「御碕」の「碕」の文字。
「碕」は山に使われる字のようです。
また、岩がごろごろしている意味があると
記憶しています(うろ覚えですが・・)
八雲町にある目立つ山、岩がゴロゴロ・・・
思いついた山がそこえした。
コチラには熊野大社の元宮があり
山の9合目程にある磐座が
スサノヲ御霊が宿った岩と伝承があります。
山。岩がゴロゴロ。
もしかしたらここじゃないでしょうか?
そしてもう一つの国去りの伝承地「淡嶋」。
ここは鳥取県米子市といわれています。
そして縁の深い神社があります。
粟島神社。鳥取県米子市彦名町1404。
地名の「彦名町」もスクナヒコナに
まつわるのだそうです。
今は陸続きになりましたがその昔は
「島」でした。
その当時は渡船が出ていたのだとか。
やってきた所と去っていった所が
「島」というのが大変興味深いですね。
オオクニヌシの国作りのパートナー
スクナヒコナ。
そのご神徳は多岐に渡り
オオクニヌシの良きパートナーで
あったのでしょう。
しかしながら、祀られている神社は
思いの外少なく、その功績に
比例していないような気がします。
オオクニヌシを主祭神に祀る
出雲大社の境内にも摂社は無く
東隣りの北島国造館に「天神社」が
あるのみ。
そんな感じだからでしょうか
参拝した神社でスクナヒコナにお会いすると
ちょっとテンションが上がったりします。
突然の登場と突然の還御。
なんんとも不思議なちっちゃな神様、
「スクナヒコナ編」はこれにて終了です。
国作りには欠かせなかったスクナヒコナ。
古事記ではその登場シーンは
非常に印象に残るものの、
突然いなくなってしまい、
その理由も明かされていません。
いなくなるシーンは
メチャクチャあっさりです。
しかし、しっかり足跡の残っている
神様だったりします。
本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
ではまたの機会に。
◆新ブランドについて◆
出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。
遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。
この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。
一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。
「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。
◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆
化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。
主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。
真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。
いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。
日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。
この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。
新コスメにまつわる神話や風土の過去のブログは下記から
新コスメにまつわる神話や風土の話 その2 ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その3 ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その4 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~
新コスメにまつわる神話や風土の話その5 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その7 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編②~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その8 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編③~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その9 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編④~