めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

前回はアマテラスの岩戸隠れと復帰、
そして三種の神器に
まつわる神社のお話でした。

そしてアマテラスは
天の岩屋から復帰し
世界に光が戻ったわけです。

片やスサノヲ。
沢山の賠償をさせられ、
さらにヒゲを切られ、
手足の爪まで抜かれた
スサノヲのその後です。

地上に降臨する前に
なぜかワンックッション逸話が入ります。
お腹の空いたスサノヲはオオゲツヒメに
食べ物を乞います。

オオゲツヒメは食物の女神、
この女神は鼻、口、お尻から
様々な美味な食材を出し
調理してスサノヲに差し出します。

その様子を隠れて見ていたスサノヲ。
穢れた物を差し出したと受け止めて
オオゲツヒメを殺してしまいます。

殺されたオオゲツヒメの
頭からは蚕、体の穴から五穀が
生まれます。

この時生まれた五穀は
両目→稲種、両耳→粟、鼻→小豆、
陰部→麦、お尻→大豆。

この種をカミムスビが刈り取り

五穀の種とします。
という逸話です。


高天原を追放されたその後も
スサノヲの乱暴狼藉が止まりません。

ですが、蚕と五穀の種がここで登場します。
これを指して国学者の本居宣長はこの場面を
悪事から善が芽生えると解説しています。

さてこのお話、日本書紀にも
似た話があります。ですが
登場する神様がちょっと違うのです。
巻物のイラスト

 

ウケモチという食物の神様がいます。
アマテラスの指示でツクヨミは
この神様を見に行きます。
この神様は口から食材を吐きだします。
陸を向いて米を、海を向いて魚を
山を向いて獣を吐き出し調理をします。

この吐き出した食材でもてなされる
ツクヨミは、汚らわしいモノを食べさせたと
ウケモチを斬ってしまいます。

これを聞いたアマテラスはひどく怒り
ツクヨミには会いたくないと
太陽と月、昼と夜が
別れた由来となっています。

そしてアマテラスはウケモチの所に
使いの神様を差し向けると
ウケモチは死んでいました。

ウケモチの屍体の頭から牛馬、
額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、
陰部から麦・大豆・小豆が生まれます。

これらを使いの神様がアマテラスに
差し出したという話です。
流れは一緒ですが登場する神様や
生成した生き物や穀物が
ちょっと違いますね(^^;)・・・

オオゲツヒメの祀られる神社を
出雲地方で探してみましたが
あるようで見つかりません・・・
スミマセン。

そこで、
古事記でのスサノヲとオオゲツヒメの

逸話が起源かは定かでありませんが
出雲地方ではスサノヲを「食物神」として
祀る神社があります。
今回はそんな神社のご紹介を。

まずはこちら。
熊野大社 松江市八雲町熊野2451

ご存知の方も多いかと思います。
出雲国一宮です。

社名の「熊野」は
「くまぐましい」から来ているようで
「奥まった場所」を意味します。
漢字の意味で書くと
「隈々しい」でしょうか!?

ご祭神の名前は
伊邪那伎日真名子 加夫呂伎熊野大神
櫛御気野命

長いです(^^;)
読みと意味はですね、

伊邪那伎日真名子
イザナキノヒマナゴ
(いざなぎの可愛がられる御子)
加夫呂伎熊野大神
カブロギクマノノオオカミ
(神聖な祖なる神、熊野に坐します尊い神)
櫛御気野命
クシミケヌノミコト
(霊妙な食物神)

となります。

純粋に名前の部分はクシミケヌ
後は名前の修飾なのです。

そしてもう一社。
万九千神社 出雲市斐川町併川258

神在の社として出雲地方では
最後に八百万の神様が集まる神社です。

ご祭神は件のクシミケヌノミコト。
オオナムチ、スクナヒコナ、そして
八百萬神です。

八百万神はこちらの神社で、
出雲路における神在祭(神議り
→かみはかり、縁結びの会議)を締め括り、
神宴(しんえん→直会なおらい)をされ
翌朝に諸国に帰られるとされています。

直会(なおらい)とは
神事の最後に行われ
「なおりあう」を
語源にしているといわれます。

「気をつけ!」「直れ!」の
直ると同じく、
元に戻るという意味のようです。

神前に供えた供物やお神酒、
場合によってはお神酒とご洗米を頂き、

神前で行われた特別な事から
現実の日常に戻るための儀式です。
直会まで含めて神事といえます。

※最近は新型コロナの影響で割愛される場合があります。

ですので参拝の時に、
偶然でも
神事に参列した場合は、
ぜひ
直会してくださいね。

そして、日本書紀の説明に登場した
ツクヨミ。調べてみると
主祭神で祀られている神社は
出雲地方にはほんのわずかの様です。

その中からこちら。
月讀神社 出雲市大社町日御碕。

こちらは地図で解りにくいのですが
日御碕神社の近くの山の上にあります。

日御碕神社から
さほどの距離が無い様に見えますが
路側帯に駐車のスペースがありますので
そちらからの方が近くでオススメです。
出雲大社方から日御碕神社へ向かう
右手側になります。

矢印の場所が駐車スペースです。

解りづらいかもしれません。
通り過ぎたら日御碕神社の方へ右折してから
Uターンするか日御碕神社に
車を停めるかですね(^^;)

神社の入口は駐車スペースから
更に日御碕神社方面に向かい

100m程先でしょうか!?
目印はコレです。

県道脇にちょこんとある石碑。
私はバイクでここを通り過ぎようとした時、
「何かあった!!」と
引き返して見つけましたが、
GOOGLEに載るまでになりましたね♪♪

以前は草がボウボウで
えええええーーーって感じでしたが
最近は参拝される方も増えて
参道はきれいに草刈りされています。

途中、獣避けのフェンスがありますが
開けて更に登りますと・・・

お社があります。
・・・騙されてはいけません。
このお社は推恵神社。
このお社ではないのです。

振り返ると!

目的の神社はあとちょっとです。

この先は以前はこんな感じでした。

安心してください、
今はこのウラジロもきれいに
刈られています。

そして山頂に。

月読神社。御祭神はツクヨミ。

日御碕神社のアマテラス、スサノヲとで
三貴子が揃うわけですが
隠れるようにひっそりと佇んでいます。
日本書紀のツクヨミの逸話のように
アマテラスから避けられているかの様です。

登山道は雨や雨の翌日は
かなり足元が悪くなりますので
行かれる場合はお気をつけて。
尚、途中にある獣避けのフェンスの
閉め忘れにご注意くださいね。

また、途中に日御碕神社宮司家の
代々のお墓があります。
こちらはむやみに立ち入らない方が
いいようです。

さて次回はいよいよスサノヲが
出雲の地に降臨します!

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

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