みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。
前回の神社な日常は
出雲大社の神送り神事、
神等去出祭(からさでさい)を
ご紹介しました。
出雲大社から八百万の神々が
お立ちになったわけです。
そう、この時点ではまだ出雲に
残っている神様もいらっしゃるんですよ。
まだお国に帰っていないんですね。
今年は12月10日、「第二神等去出祭」を
行われ、集まられた全ての神々が
出雲からお立ちになりました。
同じ日、万九千神社も神送りをされます。
さてさて。
では万九千神社の神等去出祭のご報告を。
17時からの開祭でした。
私は30分前に神社に着いたのですが
駐車場は9割方埋まっていました。
このからさでそば、
湯がいた蕎麦を蕎麦湯に浸し
蕎麦だしをかけて食べるもので
冬の季節の神送り後に
暖を取るために食べたという
いわれもある、こちらで言う
「釜揚げ蕎麦」です。
神事の終わりに楽しみは取っておきます。
駐車場が埋まっているという事は・・・
境内も人でいっぱいでした。
既にTV局のカメラも
スタンバイされていました。
境内は社殿の後ろ側まで屋台が
出店されていて、お祭りの賑やかさが
境内中に漂います。
この釜でお湯を沸かし、
そのお湯で全てを祓います。
ただし、ただのお湯ではなく、
神事によって特別なものになるのです。
ですので一般的な
「修祓(しゅばつ)」ではなく、
「湯立神事」と独立した一つの神事として
扱われます。
到着が遅れた分、
湯立神事を間近に観る場所取りは
ちょっと遅れをとりました。
ですが、神々が無事に着くように送るのが
目的ですので、参列の場所は良しとします。
烏帽子には麻が結ばれています。
麻は汚れを祓う意味があります。
整列の後、「忌火(いみび)」にて
竈に火が入ります。
「忌」は「清浄」の意味です。
日の入りは17時を回った頃。
闇が下りてきました。
灯された竈の火が踊るように揺らぐのが
刻々とハッキリしていきます。
4人の神官が神釜の周りを
舞いながらそのお湯を清めているようです。
そして秘儀的な儀式。
梅の枝で沸いたお湯を撹拌し
空に文字を書くような所作を3回。
何を書いているのかは教えてもらえませんが
人伝に「天真名井をおろしている」と
伺った事があります。
天真名井(あめのまない)とは
天の神様の国にある清浄な湧き水です。
神官の昇殿に続き
正式参列者が立虫神社、万九千神社に
別れて昇殿します。
私は神送りをされる万九千神社の正面へ。
万九千神社は本殿が無く、拝殿背後に
神様が宿る巨石、磐座(いわくら、
もしくは磐境いわさか)があり、
拝殿にはその磐座を拝顔するかの様に
扉があります。
神前には神饌(しんせん→お供え物)
が供えられます。
準備が整い宮司一拝、
宮司に合わせ、神官達の深々なお辞儀で
祭祀が始まります。
神等去出祭の祝詞の奏上です。
八百万の神々のお帰りの無事が
祈願されます。
今年はもう一つ祝詞が奏上されました。
疫病退散の祝詞です。
いつもと違う神等去出祭です。
粛々と祭祀が進みます。
玉串拝礼も済み、供えられた神饌が
下げられます。
扉が閉められました。
宮司は3本の梅の枝を手に渡されます。
その梅の枝で扉を叩き
お帰りのタイミングを伝えます。
低頭の指示がでます。
頭を下げカメラも下げ宮司の声を聞きます。
「バンっ!」(扉を枝で叩く音)
「お立~ちーーー・・・」
「バンっ!」
「お立~ちーーー・・・」
「バンっ!」
「お立~ちーーーーーー・・・」余韻。
恙無く、神等去出祭が終わりました。
八百万の神々はこの後、直会を行います。
三々五々お国へ帰り、翌日の朝には
お国の神社に戻られるそうです。
宮司の仰るとおり、穏やかな神在期間で
お忌み荒れといわれる、荒天も無く
今年の神在祭は終わったと。
宮司いわく、コロナ禍の折り、
神様達の心遣いだろうかと。
なるほど、これ以上大変な目に遭わせるのは
酷と思ったのかもしれませんね。
また、疫病退散の祝詞について
触れられました。
人類は過去に於いて、
疫病と戦い克服してきたと。
梅の花が春に先駆けて
毎年花を咲かせることに例え
来ない春は無いと締められました。
神事が終われば神様の宴、
直会が始まります。
いつまでも残っていたり
寄り道をすると神罰が下るとか。
出雲地方西部の神在祭は
朝山神社に始まり、万九千神社、出雲大社、
熊野大社、日御碕神社が一斉に
神々を送り幕を閉じます。
そそくさと帰ろうと思いました。
ですが・・・そうそう。
蕎麦がまだいただけたので
暖を取って帰りました。
先日、万九千神社に伺い
神迎えのお話を伺ってきました。
宮司がおっしゃる詳細はこうでした。
神迎えの朝、斐伊川で龍蛇神を迎えます。
龍蛇神を先頭に八百万の神々が
集まると先代から聞いているそうです。
一斉に集まるとか、徐々に集まるとかは
ハッキリしていないようで、
出雲大社を出てから万九千神社に
いらしゃるのかと伺いましたら
そういう事もあるかもしれません
という事でした。
確かに帰られる時も、
三々五々帰られる様です。
日御碕神社で「八百万の神様は
どちらにいらっしゃるのですか?」と
質問しましたら、答えは
どこにいらっしゃるといった事は当社では
申し上げて無く、いつも通りご参拝ください。
との事でした。
境内には「十九社」ありますが
これは19のお社が集まっている社殿で
神々がお泊りになるわけでは無いそうです。
神社としては何時に神様がどのくらい
いらっしゃるとかどこにいらっしゃるとか
大事な所はそういう事では
無いのかもしれません。
そういったニュートラルな所が
日本人らしいのかもしれませんね。
本日は万九千神社の
神等去出祭の様子をご紹介しました。
お付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。