めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

雪が降りました(^^;)
松江市内・出雲市内から見える山々が
薄っすらと白く雪化粧をしてます。
ブログの中でご紹介する予定の
山の中の巨石等、まだありますので
雪の中の写真になるかも!?
ええ、望むところです( ̄∀ ̄)(笑)

では古事記の話をちょっと進めます。
これまでのあらすじを書いた
「その1」のリンクを貼っておきますので
よかったらそちらも。

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1~

さあ、濃い酒を醸し
垣根を作り、垣根には八つの門を作り
門ごとに台を置き、
台ごとに八つの酒舟を置き
オロチが来るのを待つスサノヲ。
その髪には櫛に変えたクシナダを
携えています。

やがて老夫が言った通り
ヤマタノオロチが来ました。

オロチは酒槽(さかぶね)毎に
その頭を垂れ入れ濃い酒を飲みます。
オロチは酔いつぶれて寝てしまいます。

この時を待っていたのでしょう!
スサノヲは十拳剣(とつかのつるぎ)を抜き
ヤマタノオロチに切りかかります。
古事記には「切り散り(きりはふり)」と
書いてありますので、
切り刻んだのでしょう。
斐伊川は血に染まりました。

そしてその尾を切ろうとした時、
剣の刃が欠けてしまいました。

「おかしい?」と思ったスサノヲ、
持っている剣の先を尾に刺し、
尾を裂くように切ります。

すると都牟刈(つむがり)の大刀が
ありました。
この「つむがり」。
幾つかの訳があるようです。
「つむ」は「つぶり」つまり「頭」の意味で
「頭を切る」の意味ですとか、
頭を切る→首を跳ね飛ばす切れ味という訳で
「よく切れる」といった修飾語だとか、
「カタツムリ」の様にグルグルとした
形の意味で、渦巻き型の持ち手の
飾りがあるとか・・・

スサノヲは不思議な剣と思い
これをアマテラスに献上します。
後に「草薙の剣」と呼ばれます。

かくして スサノヲは
ヤマタノオロチ退治を成し遂げました。
そして娶ったクシナダと住む
宮を建てるための土地を探しに
出雲の国を巡ります。

やがて「須賀」という土地に至った時
この土地に来て私の心は清々しくなった
とおっしゃて、
その地に宮を建てることにしました。
なのでその地は「須賀」といいます。

お宮を建て立ち昇る雲を見て
スサノヲは歌を詠みます。


八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに

八重垣作る その八重垣を
(盛んに湧き出る雲が
八重の垣根を巡らせるようだ。
私が新妻を籠もらせる八重垣を
作ろうとしている。
正にその八重垣のようだ。)
日本最初の「和歌」といわれています。

スサノヲは建てたお宮の責任者に
クシナダの父神を任命します。
合わせて名前も付けるんですね。

その後にはスサノヲの子孫の家系が語られ
6代目に生まれる神が
オオクニヌシノミコト。
さらにオオクニヌシの4つの別名が書かれ
合わせて5つの名前があることが
記されています。

無事にヤマタノオロチを退治し
新妻のクシナダとの新居も構え、
オオクニヌシが登場します。
この後の古事記は
オオクニヌシの話へシフトしていきます。

さて。
本日ご紹介するのはこちら。
八重垣神社 松江市佐草町227。

「池と狛犬がある古社」と書かれています。

狛犬は出雲地方に見られる「座り型」と
思いますが、足が太く、独特です。

この場所の話は古事記には無いのですが
八岐大蛇退治その3でご紹介した
奥出雲町の佐白と同じく伝承があります。

それがこちら、鏡の池。

この池のある奥の院は
ヤマタノオロチから身を隠すための

八重垣を作ったと伝承が残る場所です。

池の水は生活水とも
また、身だしなみに使ったとも。

池の向こう側にはお社があり、
もちろん祀られているのはクシナダ。

そしてこの池といえば
良縁占い(銭占い)が有名ですね。
私もやった事があります(笑)

御札所で求めた紙にお金を乗せて沈めます。
紙が水に濡れると文字が浮かびます。
早く沈めば相手が早く見つかる、
近くに沈めば相手は身近に、
遠くに沈めば離れた場所にいるのだとか。

なんでもラッキーアイテムが
あるというか、出る事があるそうです!
それはイモリ!!
イモリが占いの紙に触ると
良いことがあるとか無いとか・・・

その時現れたのですが
紙に触ってくれませんでした(^^;)
それより本当にイモリがいたことに
ビックリしました!

元々あった伝承で、古事記が端折ったのか
伝承に後付されて今に至るのか・・・
それは定かではありませんが
この池のある場所「奥の院」は
人がひっきりなしに訪れる
人気スポットではありますが
不思議と落ち着く
ステキな場所なんですよね。

そして八重垣神社と関係が深いのが
「資生堂」さんです。

資生堂さんのロゴマークは椿。
2輪の椿が描かれています。

これは初代社長のデザインだそうで
そのモチーフが写真の真ん中のこちら。

木の前にある看板には
「東京資生堂の花椿会は
此の玉椿の名木を神聖視し・・・」
とあります。

また、美容調整のご神徳とも
書かれていますね。

八重垣神社の巫女さんは
巫女舞の時、頭に椿を付けて舞われます。

境内にも2箇所、八重垣神社には
合計3箇所に連理の椿があります。
幹がくっついていて
夫婦が寄り添う様に見えます。

参拝の折には
これらの椿の木に想いを誓ってみては
いかがでしょうか?

今回はヤマタノオロチ退治の時に
実を隠した場所と伝わる
八重垣神社をご紹介しました。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

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