めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㊵ 大国主命⑤ ~ 稲羽の素兎 白兎海岸 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

去る26日は皆既月食でしたね。
ここ松江市や出雲市では
空が厚い雲に覆われ見えませんでした。
みなさんの所ではいかがでしたか?

不思議なのは1日過ぎてしまえば
もう月食が見られないという事。
ほんのちょっとのズレで
月が地球の影に隠れたり、
隠れなかったり……不思議ですね(^^;)
次の日、ちょっとくらい
欠けてもいいと思うのは私だけでしょうか?

そんな昨日の月は十六夜。
月の出って小一時間くらいずつ
遅くなっていくようで
出るのを少しためらう様な月を
「猶予う(いざよう)月」と
見立てたそうです。
ステキな表現ですね~♫

昨日の十六夜。
この後雲に隠れて
出てきてくれませんでした(T_T)

 

さてさて。
前回は古事記のストーリーを
進めさせて頂いて、
白兎神社をご紹介しました。
今回は神社から白兎海岸へ下りて
神蹟を訪ねてみます。

白兎海岸は神社の鳥居から見える海岸です。

道の駅「神話の里 白うさぎ」に車を停めて
国道9号線を歩道橋で渡ると神話の世界、
オオクニヌシと素兎が出会った場所と伝わる
気多の岬、現在の白兎海岸です。

八十神やオオクニヌシが
素兎と出会う場所、気多の岬。

写真の右端がその岬です。
ちょっと解りにくい写真でスミマセン。


白兎海岸の向こうに淤岐之島
(おきのしま)が見えます。

 

この「おきのしま」。
本居宣長は著書「古事記伝」で
『淤岐島(おきのしま)隠岐の国なり。』と
説明しています。
ですが、ちょっと遠過ぎませんかね?

直線距離で100km以上あります。
兎がワニザメの背中を数えながら渡るには
何日もかかってしまいそうです( ̄▽ ̄;)

また「沖の島」と読むと
「沖にある島」の意味になり
固有名詞ではない島も候補になってきます。

見渡すと海岸からはもう一つ島が見えます。
こちらの可能性も出てきますね。

この島は調べると「房島」という島で
その形が「鯨に似ている」と
いわれている島の様です。

そして淤岐之島。

鳥居が立ち、手前に見える岩礁は
潮が引いた時にワニザメの背中に
見えるのかもしれません。

鳥居は以前「川下神社」があった場所です。
白兎神社に合祀された過去がある様ですが
現在、海岸の端に潮風に吹かれ佇んでいます。

ご祭神は海の神様の娘神。
件の島で御子神を産んだとの伝承があり、
その御子神は初代天皇の親神となります。
天皇家のルーツがここに!?

同じ伝承があるのが宮崎の鵜戸神宮です。

2019年10月撮影。

白兎神社の本殿の台座が
菊の御紋になっているのは
そんな事に何か関わりがあるのでしょうか?
菊の御紋の理由は定かでは無いようです。

海岸の砂に埋まる岩に灯籠が建っています。
この岩は「恋島」といわれ
オオクニヌシが稲羽の姫、ヤガミヒメに
プロポーズした場所と伝わるそうです。


「素兎」、古事記の原文では「素菟」と
字が充てられています。

そう、「白兎」では無いんですね。
古事記は読みが間違われそうな言葉には
読み音の文字が施されています。
例えば「高天原」。
高の下の「天」は「阿麻(あま)」と読む。
といったように。

ですが、「素菟」には
読みが書かれていません。
「素」は「素人(しろうと)」の様に

「しろ」とも読めますが、
もしかしたら「すうさぎ」かもしれません。
「毛が剥がされた素裸の兎」と
読み取れます。

また、蒲の穂から花粉が採れる時期と
兎が冬毛で白くなる時期は
ずれているようで、「白色では無い」
といった
説が多いようですが、
この兎がアルビノだったらどうかな?
なんて、天の邪鬼な私は思ってしまいます。

漢字と万葉仮名が
混じって表記されている古事記。
稲羽の素兎のお話は
たった398文字の漢字の羅列で
書かれています。
そんなお話の行間を読むところにも
古事記の楽しみは
あるのではないでしょうか。

※文中写真も御朱印と同じ2020年9月撮影。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログはこちら

古事記と出雲㊱ 大国主命① ~ その出生地はどこか?~

古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

古事記と出雲㊳ 大国主命③ ~ オオクニヌシのお父さん 日御碕神社 編 ~

古事記と出雲㊴ 大国主命④ ~ 稲羽の素兎 白兎神社 編 ~

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