めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~ スサノヲと茅の輪 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

先日、久々に稲佐の浜で
夕陽の写真を撮ってきました。

思いの外赤く染まらなかったので
時間をちょっと置いて、
蒼を強く撮り直してみました。
日没数分後の風景です。

かなり引きですので解りにくいですが
海の向こうにはイカ釣漁船の集魚灯が
見えていますね。
また撮りましたら載せたいと思います。

 

さてさて。
6月も残りわずか。
今年も折り返しですね(^^)b
神社によっては境内にある
「茅の輪」が
目に入ってきます。

北島国造館本殿前の茅の輪。

真菰ですね。
6月初めから設置されています。

もしくは社頭に「夏越(なごし)の大祓」と
掲げている神社もありますね。

先日ご紹介した秋鹿神社の社頭です。

これは「大祓(おおはらい)」と
呼ばれる半年に一度、
知らず知らずのうちに犯した罪や穢れ、
つかなくともよかった嘘等、
半年間の罪穢れを除き去るための
除災行事といわれています。
今月末に行う大祓を「夏越の大祓」、
大晦日に行う大祓を「年越の大祓」と
いいます。
神社によっては夏越の祓を月遅れの
7月末に斎行する場合もあるようです。

「茅の輪」はスサノヲに関わる故事に
由来するそうです。
その他にもスサノヲさんは
神仏習合に関わりが深く、
故事・逸話が幾つかあるようです。

そんな事を今回はご紹介します。

祇園さん 天王さん

祇園社、天王社の総本社は
京都にある「八坂神社」といわれています。
八坂神社はもともと「祇園社」と
呼ばれていたそうです。
では「天王社」とは?
これは昔「牛頭天王」をお祀りしていた
神社があった事に由来するのだとか。

八坂神社といえば「祇園祭」。
これは平安時代中期に始まった「御霊会
(ごりょうえ)」に起源があるそうです。

当時の人々は厄災はこの世に怒りや怨みを
抱えたまま亡くなった人たちの
御霊のせいだと考えました。

そして
疫病が流行るのは疫病を司る
神様のせいにしたのです。

牛頭天王はインドのお寺の守護神で
病気を流行らせる神様と
考えられていました。
そこでこの牛頭天王を慰め、
疫病の流行を抑えようとしたのです。
やがて御霊会は祇園祭となり
地方に伝搬していきます。
山車(だし)や曳きまわしとなり
地方で形を変え各地のお祭と
なっていきました。

そして、またまたややこしいのですが
牛頭天王はインドの神様、「武塔天神
(むとうてんじん)」と同一神と
考えられました。
武塔天神にはこんな逸話があります。

旅をしていた武塔天神は
ある時、裕福なお宅に宿を乞いますが
断られてしまいます。
そこでその人の兄、蘇民将来
(そみんしょうらい)の家で宿を乞うと
貧しいながらもおもてなしをしてくれます。
すると武塔天神は自分がスサノヲだと明かし
疫病が流行ったときは
「茅の輪」を腰に着けると免れると
言い残し去っていきます。
疫病が流行り、その通りにした蘇民将来は
難を逃れますが、宿を断った弟家族は

疫病で亡くなってしまいます。

この時期、茅の輪をくぐることや
「蘇民将来之子孫也(そみんしょうらいの
しそん なり)」と書かれた護符が付いた
チマキを食べ、疫病除けにするのは
そんな故事に基づくと備後国風土記に
あるそうです。


 

各神社の夏越の祓

では出雲地方の神社の夏越の祓の様子を
写真でご紹介させていただきます。

出雲大社の夏越の祓は
夕方から拝殿に昇殿させて頂き
「大祓詞(おおはらえのことば)」を
奏上し、最後に「切麻(きりぬさ)」という
紙と麻を細かく切ったお祓いの道具を
自身の体に左・右・左と三回に分けふりかけ
お祓いをします。

出雲大社教では
夕刻より神楽殿の中で茅の輪を

縄跳びの要領で跨いで、
最後に肩に担いだ榊を後ろに落とし
祓う「輪くぐり神事」があります。

残念ながら上記の2つのお祓いは
昨年に続き、神職のみで
今年も一般参列者は受けられません(T_T)

出雲大社参拝の際は参道と神楽殿前の
計三ヶ所に馬蹄形の茅の輪がありますので
3つ全てをくぐり穢れを祓ってください。
今年は6月30日~7月2日までの
3日間設置されます。

神魂(かもす)神社は月遅れの7月31日に
茅の輪が登場します。

出雲大社と同じく馬蹄形です。


この日は境内の社殿の全ての御扉が
開けられます。
神魂神社の本殿の内壁には
壁画が施されているそうですが
御扉の裏側にも壁画があり、
垣間見ることが出来ます。

神魂神社と「両神魂(りょうかもす)」と
呼ばれる真名井神社も月遅れの斎行です。

この日は拝殿や玉垣に絵灯篭が掲げられ
夏の夜のお祭の雰囲気が静かに漂います。

神魂神社と同じく全社殿の御扉が
開けられ、本殿は灯籠の柔らかい灯りと
上げられた御簾(みす→すだれ)の
向こうに悪しきものの侵入を
防ぐかのようにある御神鏡が
浮かんで見えます。

そうそう、先程の蘇民将来の逸話の様に
腰に着けられるくらいの茅の輪を
万九千神社で頂いた事があります。

赤色は魔除けの色だとか。

出雲地方の夏越の大祓の風景でした。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。

またの更新をお楽しみに。
ご自愛下さいますように。

 

年越の大祓の過去ブログはこちら
神社な日常 知って得する神社のあれこれ 年越しの大祓・人形 編

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