みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。
古事記の中の稲羽の素兎のお話は
他の国にもよく似た物語や
伝承がある事が語られています。
調べてみるとアジア圏に多いようです。
◆インドの昔話ジャータカ物語のサルとワニ
◆パンチャタントラのサルとワニ
◆東南アジアの昔話の子鹿(サン・カンチル)とワニ
◆ベトナム民話のウサギとワニ
などなど。
殆どはワニが騙されていることから
「わにだまし」とカテゴライズして
タイ王国の国立大学、
シーナカリンウィロート大学の
人文学部日本語学科講師ピパタナクル氏が
まとめているレポートを見つけました。
日本と東南アジアの神話の絵本に見る「わにだまし」の物語
これによると絵本などで、割と身近に
語り継がれていることが解ります。
また、この方の考察も面白いですね。
今回は、「わにだまし」ではなく
俗にいわれる「オオクニヌシの試練」と
同じ様な場面のある絵本をご紹介します。
「オオクニヌシの試練」とは
スサノヲの娘、スセリと一目で恋に落ち
夫婦となったオオクニヌシがスサノヲから
幾つかの試練を課せられます。
その中に、蛇の部屋に一晩泊められ、
次の日はムカデとハチの部屋に泊められる
という試練があります。
両方とも妻スセリの機転で、
ヘビやムカデとハチを追い払う布を渡され
事なきを得ます。
古事記の構成や
よく似た逸話が登場するのがこちら。
太陽へとぶ矢 インディアンにつたわるおはなし
ジェラルド マクダーモット さく
じんぐう てるお やく
ほるぷ出版
物語は次の文章から始まります。
昔、太陽の神は
ほとばしる命の力を
一本の矢に変え
大地に向かって飛ばした。
(本文は全て平仮名)
矢は村の娘に当たり、
娘は男の子を授かります。
すくすくと育った男の子は
父親がいなことから「親なし子」と
いじめられます。
男の子は一念発起し、父親のところへ
連れて行ってくれる人を探します。
声をかけた最初の二人は
返事をしてくれません。
そして矢作りの男の所へ行きます。
矢作りの男は賢い男でした。
男の子を一目で太陽の子の息子と見抜き
特別な矢を作ります。
男の子を矢にしたのでした。
太陽に向けて射られる矢になった男の子。
父である太陽の神と対面します。
ですが、太陽の神は実の子か疑います。
そこで、神は4つの部屋を
順番に通り抜ける試練を課すのです。
その部屋はライオンの部屋、ヘビの部屋、
ハチの部屋、そして稲妻の部屋です。
男の子は恐れずにこの試練に立ち向かい
無事全ての部屋を通り抜けます。
最後の稲妻の部屋を出たときには
太陽の力が体中にみなぎっていました。
そしてお話はラストへと続きます。
こんなお話が黄色とオレンジが目に鮮やかな
民族模様とでも言いましょうか、
モザイク調の絵で描かれています。
古事記と共通する所が幾つかあります。
一つは、男の子が父親のところへ
連れて行ってくれる人を探す場面。
三度目で賢い矢作りの男が導いてくれます。
この「三度目」。
古事記もこのパターンが多く登場します。
イザナキ・イザナミの国産みの際、
最初に生まれた国は「淡路島」ですが
その前に生まれたのはヒルコ、アワシマ。
これらは二神の子に数えられていません。
三回目の国産みで初めての子を授かります。
また、国譲りの際も天からの使者である
最初の二柱は国譲りの交渉を成し遂げられず
三番目の神様がオオクニヌシから
国を譲ってもらう交渉に成功しています。
オオクニヌシが譲ると宣言する前にも
オオクニヌシの御子神二柱が登場し、
オオクニヌシが献上すると宣言するのは
三番目なのです。
こういった「3度目の正直」的な
段階を踏む構成が一緒なのです。
そして面白いのは、
男の子が自ら父親を探すのではなく
「僕のお父さんの所へ連れて行って
くれませんか?」と頼る場面。
これはオオクニヌシが、
最初の国造りのパートーナーの
小さな神様がオオクヌシの元を去られた時、
「どの様な神が私と共に
この国を作っていくというのか・・・」と
誰かを頼る台詞を吐きます。
結果、助けてくれる相手が登場しますが
矢になった少年と方向性が同じに感じます。
また、太陽の子が受ける試練の部屋に
蛇、蜂の部屋があり、これは古事記にも
蛇や蜂の部屋が登場します。
そして、蛇や蜂の試練の後、
野に放った矢を取ってこいというスサノヲ。
矢が重要なアイテムとして登場します。
インディアンと出雲。
共通性が無いように思いますが、
気になる件がひとつ。
それは古事記と全く違う伝承なのですが、
1980年に出版されその後、絶版、
2018年に再版された「謎の出雲帝国」
という本があります。
※1980年版
この中にはなんと、オオクニヌシの
直系の語部(カタリベ)といわれる人の
お話が載っています。
何でも、その語部の方は養子で
16歳になった冬にクナト神が祀られる
出雲井社の神前で4000年に渡る
歴史を聞かされるのだそうです。
それを10年間続け丸暗記するという・・・
語部の方は富當雄(まさお)さんと
おっしゃる方です。
本の内容は
目次
プロローグ 生きている出雲王朝の末裔
第1章 記紀はシュメール語で書かれた!
第2章 スサノオは侵略者だ!
第3章 スパイだったアメノホヒノ命
第4章 神武天皇は七人いた!
第5章 最強の敵ヒボコ族の軌跡
第6章 出雲神族の怨念は消えず
本評では「トンデモ本」と評価している
人もいるようですが、
内容と言うより、本日ご紹介した絵本と
つながる一文があるのです。
それは
出雲神族の伝承を読むと、彼らは
北方から下ってきたらしい。
富氏も「東北の山や湖に関する伝承が多い。
ベーリング海を渡り、北海道、東北、
そして出雲へとやってきたのだろう。」
ベーリング海!
北米大陸まで繋がりました(^^;)
まあ、一つの説として、信憑性が
有るか無いかは疑問かもしれませんが
インディアンとオオクニヌシのつながり。
信じるか信じないかは貴方し・・・
ゴホン ゴホン(>。<)
一つの話題として
今回は呼んでくだされば本望です。
では先の出雲井社をご紹介して
終わりにします。
2020年7月撮影。
御祭神のクナドの神は国譲りの後、
国譲りの天からの使者フツヌシと
日本中の逆らう勢力を
平定して巡られたとあります。
境内に生える木は桜。
背の高い桜の木で、30数年前に植えたと
通りかかった近所の方に伺いました。
2020年4月撮影。
社殿左奥に巨石があります。
以前参拝した時、塩が撒かれていました。
人為的に開けられ様な穴もあり
星の並びを写した、なんて説を
唱える方もいらっしゃるようですね。
2016年11月撮影。
本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛下さいますように。