めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲54 大国主命⑲ ~ 八十神討伐。オオクニヌシの築いた城「城名樋(きなび)」編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

おかげさまで、2020年8月28日スタートの
読みもの「古事記と出雲」。
初掲載から1年が過ぎました。
改めて出雲地方は本当に魅力溢れる土地だと
記事を書くたびに実感します。

これからも古事記を元に神話や伝承、そして
神社を
ご紹介して行きますので
よろしくお願いいたします㎜(_ _)㎜

 

さてさて。
前回はオオクニヌシがスサノヲの元から
ご神宝の太刀、弓矢、琴、そして
スサノヲの娘、スセリを抱え
黄泉の国の入り口から、
元の世界へ戻って来る場面まででした。

面白いのは、その時の
スサノヲの最後のセリフです。

あれこれアドバイスの様にオオクニヌシに
言葉をかける途中にオオクニヌシを
「意禮(おれ)」と呼びます。
これは「おのれ」とか「テメー」とかの
卑称の様です。
さらに最後に「是奴(こやつ)」と
結びます。
「こいつめ!」とか「こわっぱ!」とか
ちょっと口が悪い訳は「この野郎!」とか。
「大いなる国の主になれ!」とか

「この世の魂として君臨しろ!」とか
言っていたのですが、
スサノヲの心中は穏やかでは
無かったようですね(笑)
愛娘を取られた男親の心情でしょうかね。

そして古事記は次のように続きます。

オオクニヌシはその太刀と弓矢で
八十神を山の坂の裾、

川の瀬に追い詰め、追い払い
そして国作りを始められた。

オオクニヌシは八十神を討伐し
国作りを始めます。

最初に国作りを任せられたのは
イザナキイザナミですが、
イザナミは途中で亡くなってしまいます。
イザナキが黄泉の国へ向かい、
愛する妻イザナミに会いに行った時、
黄泉の国の入り口でイザナキはこう言います
「我々は国作りを未だ成し遂げていない、
だから帰ってきてくれないか。」と。
イザナミが亡くなってから国作りは
頓挫していたのです。

八十神の迫害に遭い、
スサノヲ頼りに
根の国へ行き、
幾つかの試練を乗り越え、

オオクニヌシは成長したわけです。

そんな八十神討伐に関する場所が
出雲國風土記に書かれています。
今回ご紹介する場所がこちら。
城名樋山(きなびやま)。
雲南市木次町里方。

標高100m。丘のような山です。
山頂まで車で行くことが出来、
駐車所があります。

中世には山城がありました。
地図には城名樋山城跡とあります。

神蹟の山に後にお城が建てられている場所は
幾つかあり、こちらもその一つです。

駐車場から山頂に向かう道は土塁の様に
盛り上がった道になっています。
中世のお城の作りですね。
敵が攻めて来たとしても
ここを通るしかありません。
お堀跡も残っています。

「堀切」。谷のように掘られています。
水を張ったお堀と違い、
「空堀」とも言われます。
この堀切が3つありました。

出雲國風土記には
オオナムチ(オオクニヌシ)が
八十神を討とうとして城を造った。
だから城名樋という。と
書かれています。

名樋(なび)には「隠れる」の意味があり
オオクニヌシ、もしくはオオクニヌシ軍は
この山に隠れ、討伐の機会を
伺ったのかもしれません。

駐車場から数分で山頂です。
開けた場所に出ました。
お城を建てるため平らに
整地したのかもしれませんね。

「かんなび山」の文字も見え
「神名樋山」と字を充てると
「神様が隠れ籠もる山」

といった意味になりますね。


解りづらいですが、眼下は
三刀屋川と斐伊川が交わる場所で
山の突端にある眺めの良い小山という立地。
振り向くと国道54号線が宍道湖方面へ
伸びているのが見下ろせます。

武将もお城を建てたわけですので
戦略的に好条件なのは古代も中世も
一緒だったのでしょう。

興味のある方は山頂駐車場まで
車で行けますので、
足を伸ばしてみてください。
途中、倒木がありましたが、
除けて通ることが出来ました。

雲南市木次町里方1369-39にある
「リサイクルプラザ」を目印に
道を右折すると山頂駐車場です。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

大国主命編 過去のブログはこちら

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古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

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