めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~ 夜や真夜中の神事は何故?編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

神社によっては
夜の神事や真夜中の神事を行う神社が
何社かあります。
出雲地方で最も知られているのは
出雲大社の神迎祭でしょうか。
日が暮れた夜の7時から始まります。

最近では出雲大社の「爪剥祭
(つまむぎさい)」をご紹介しました。
真夜中の1時から始まる神事です。

中には、年2回斎行される神事を
昼と夜に分ける神社もあります。
佐太神社の神在祭(じんざいさい)が
そうですね。
11月の神在祭の神迎えは夜8時から、
「神在祭裏月祭」と呼ばれる
5月の神迎えは午後2時からです。


万九千神社の神在祭は早朝4時頃に迎え

神送りは夕方5時から斎行されます。

早朝、斐伊川から
八百萬の神々をお迎えする万九千神社。


神々がお帰りのなるのは日が暮れた夜。

佐太神社や万九千神社の様に一つの祭祀に
二つの神事があり、対になっているものは
夜と昼、朝と夕方の様に「陰陽」の
組み合わせになっていると感じます。
ですが、独立して夜に行われる

神事はまた別の意味がありそうです。

その別な意味とは
「神様をむやみに見てはいけない」
といった事では無いかと思います。

過去のブログを振り返ってみると
美保神社の神迎祭は日が変わった
真夜中の神事です。

これはご祭神のコトシロヌシの妃神を
海から船でお迎えする神事です。
絹垣と呼ばれる絹の布で
目隠しの様に囲われ港から本殿まで
お越しになります。

これも比較的最近ご紹介した美保神社の
真夜中の神事、虫探神事も午前3時の開祭。
しかも、神様が宿られるといわれる
神面が本殿から出される際は、最低限の
灯りのみになり、ほぼ暗闇です。

写真の撮影は禁止されていませんが
フラッシュの撮影は出来ません。
といいますか、どの神社の神事でも
フラッシュ撮影が許されているのは
ほぼ無いと記憶しています。
人も顔に向けてフラッシュされたら
たまったもんじゃないですもんね。

神様をむやみに見てはいけない、と
ちょっとズレるかもしれませんが
万九千神社の神送祭(神等去出祭)は
神事が終わったら速やかに帰り、
外をうろつか無い様にといわれます。
その日、いつまでも外にいると、
ましてや境内に残っていると
神罰が下るとまで言われます。
これは、送られた神様は
すぐに帰られるのでは無く、
翌朝に地元の神社に戻られると
いわれています。
もしかしたら、近くにまだ
いらっしゃるのかも!という事の様です。

出雲大社の本殿の回廊に、
小さな神輿があるのをご存知ですか?

これは平成の大遷宮の際に
御神体を乗せ、本殿に運んだものです。
遷宮前にも、実は置かれていました。
これは有事の際、御神体を運び出す為の
お神輿なのです。
豪華客船の脱出用ボートの様な
感じでしょうか。
実際、昭和28年。いわゆる昭和の大遷宮の際
鑽火殿が火事になるとういう
有事が起こりました。

Wikipediaより転載。

餅つきの際の火が消えておらず、
火事に至ったのだそうです。
その時、真っ先に気づいたのは
当時、境内で興行を行っていた
木下サーカスの曲芸の象だそうです。
その時、件のお神輿が使われたかは
解りませんが、本殿は無事だったようです。
ですが、十九社の中に一部黒く焦げた跡が
あったという話を聞いた事があります。

この様な時でも尊い存在の御神体を
無下に見たりしては
いけないのだと感じます。
夜の神事は特にその様相が
強いのではないでしょうか?

見てはいけないと言われると
見たくなってしまうのが
人間の心理かもしれませんが
神事や、神事に関わる禊には
「見られると穢れる」といって
やり直すといったものもあります。
神様に関しては「興味」より
その尊厳を称える行動が
優先ということでしょうか。

その結果、見えない時刻、
つまりは夜の、暗闇の神事が
存在するのでしょうかね?

そしてもう一つ。
夜の神事に参列していると
魂が体から離れて行くような
そんな錯覚の世界にいる気分になります。
私だけかもしれませんが(^^;)
もちろん、そんな事はないのですが
自分を見ている自分が居る様な、
軽いトランス状態でも言いましょうか。
大げさに言えば神様に近づいている様な
そんな不思議な感覚に包まれます。

夜の神事に参列された事が無い方は
ぜひ一度体験されてみてはいかがでしょうか。

 

最後に、今年も撮影に行ってきました
明島神社の八朔祭の宵宮の写真を。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛下さいますように。

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