めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲55 大国主命⑳ ~ 八十神討伐とその後のオオクニヌシ。 木次神社・三屋神社 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

前回はスサノヲの元から持ち出した
太刀と弓矢で八十神を討つために
拠点として建てた城跡といわれる
山を訪ねてみました。

今回は、またまた八十神を討つ
オオクニヌシにまつわる地名や
神社をご紹介します。

出雲國風土記には次の様な一節があります。
オオクニヌシの仰ることには
「八十神は青垣山の裏にはいさせまい。」
とおっしゃられて、追い払う時に
ここまで追って追いつきなさった。
だから「木次(きすき)」という。

難読な地名と言えるのではないでしょうか?
「木次」。
この地名由来は、八十神を追い詰め
オオクニヌシが追いついたからと
風土記には書かれています。

「青垣山」は固有の山では無いそうです。
「青垣」ですから樹々が鬱蒼と茂り
隠れる所が多い山、といった事でしょうか?
そんな山にさえ隠れさせない、
徹底的に追い詰めるような感じに取れます。

そんな木次にある神社がこちら。
木次神社 雲南市木次町木次782。

霞龍山(かりょうざん)の山腹にあるこちら。
風土記には「支須支(きすき)社」の社名で

掲載があり、もともとはこの場所より
200mほど西側にあったそうです。

楼門から拝殿に屋根でつながる珍しい造り。
と、楼門と思いきや・・・

随神さんを祀る神社。随神社と社名があります。

オオクニヌシを祀る神社ですが本殿は
大社造りでは無く流造り。
これは元々あった社地からこの場所に
遷座された時に「八幡神」を
合祀し、社殿を八幡さまの定番、
八幡造りに近づけたのでしょう。
拝殿と屋根がつながっている様にも
見えますので「八幡造変体」とでも
いうのでしょうかね?

八幡信仰は日本の神社で最も多い神社。
遷座の時期は日本に八幡信仰が広まっていく
そんな時期だったのかもしれません。
飾られている板絵がそんな過去を

物語っているようです。

平安時代以降、隆盛を誇った八幡信仰。
絵図は馬に乗る武士でしょうか?
全国の武家から武運の神(武神)と
崇められた足跡に見えます。

そして、八十神討伐の後、
この場所に宮殿を定め、国土経営に
着手したと伝わる神社がこちら。
三屋(みとや)神社
雲南市三刀屋町給下865。

こちらも風土記掲載社。

こちらの本殿は大社造り。

立派です。

出雲大社と同じく玉座は本殿に向かって
左を向いているのでしょう。
お賽銭入れが傍らにありました。

社名は大神の宮垣の御門(みと)と
その神戸(かんど、みと?)とに因んで
御門屋社と号けたと由来にあり、
御門も神戸も神様の宮殿の入口と
読むことが出来ます。

飛躍して考えればこの神社の場所が
オオクニヌシの国作りの始まり、
つまり入り口と考えられます。

またこの神社の近くには古墳群があります。
松本古墳群。

前方後方墳や円墳があり、
雲南地方最古の古墳群とも呼ばれています。
巨大な勢力があったのですね。
以前三屋神社に参拝した時は
スルーしたのですが、今回はなぜか
足が向きました。

そしてその帰り道。
ん?
見覚えのある小さい山が
目に飛び込んできました。

樹々の切れ間に見える山・・・
前回ご紹介した、オオクニヌシが
八十神討伐のため城を築いた山、
「城名樋山」でした。
右側の高い樹々の森は三屋神社の
社叢(しゃそう。神社の森)です。
切れ間のアップ。

築いたお城と宮殿は
向かい合う様に建てられた様です。
これを見せたかったのかな?
なんて思えてきた神社巡りでした。

さて次回は、雲南の地名に
なぜか共通する文字があります。
そんな文字とオオクニヌシとのつながりを
探ってみたいと思います。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

大国主命編 過去のブログはこちら

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古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

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