めのうさとえすこな散歩

神社な日常 知って得する神社のあれこれ ~ 令和3年 万九千神社 湯立神事・神等去出神事 参列編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
読みものを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

さてさて。
今年は神等去出祭と二回目の神等去出祭が

重なる神社が4社ありました。
毎年、旧暦で斎行される熊野大社と
万九千神社の神等去出祭と出雲大社の
第二神等去出祭が重なるのですが、
今年はさらに新暦斎行の佐太神社の
2回目の神等去出祭、「止神送り神事」が
重なりました。
一斉に出雲地方から八百万の神々が
お立ちになられた感じがします。
その中で、参列させて頂いた
万九千神社の神等去出祭の様子を
ご紹介させていただきます。

11月21日の早朝、神迎祭で龍蛇神さんを
迎えられた万九千神社。
それから八百万の神々が三々五々、
万九千神社に集まられ
いよいよお立ちになる時が来ました。

万九千神社は神等去出祭に先駆け、
「湯立神事」を5年前から斎行されています。
5年前に150年ぶりの復活を遂げたそうで
お祓いの神事としては最上級ではないかと
伺ったことがあります。
天の神様の国「高天原(たかまのはら)」にある
「天の真名井」という清浄な水を釜に落とし
神酒と塩を注ぎ沸かします。このお浄めの
「塩湯(えんとう)」で斎場、お供え物、神官
そして参列者を清め祓う神事です。

当日。この日は生憎の雨。
思い返せば昨年も雨の神等去出祭でした。

開祭20分前に到着。
すでに駐車場は9割ほど埋まっていました。
今年も屋台の中に「からさでそば」の
ノボリが見えます。

境内の摂社、末社のお社は開扉され
お餅やお神酒などの「供物」が
供えられています。

境内には祭壇と神釜が用意され
開祭を待つばかりとなっています。

時刻は17時。境内の照明が落とされました。
傘を差した神官が立虫神社の前に並びます。
開祭です。
湯立神事の用意されたテントに参進します。

一人の神官が神釜に入れる火を
立虫神社拝殿から恭しく運んできました。

釜に火が灯り、神事が始まります。
焼べられた薪がパチパチと爆ぜ、
火の粉が踊るように光の軌跡を残します。

まずは「献饌(けんせん)」。
釜に神酒が注がれ、次いで塩が入れられます。

そして「奉幣(ほうべい)」。
4人の神官が手に御幣と鈴を持ち、
釜の周りで
舞を奉納します。

続いて「剣舞(けんまい)」。
御幣を剣に持ち替え舞の奉納は続きます。

すでに陽は沈み、黄昏。
夜が降りてきています。

神官の白い祭服を炎が紅く染めていきます。
大きな御幣を持った神官が、今度は一人
神釜の四方から御幣を振ります。

そしてまた別の神官の舞が奉納されます。
手に携えたのは竹を束ねたものでしょうか!?
釜の上に置き、手で印を組むようにして
釜の中へ目に見えない何かを注ぎ込む様な
所作を四方から行い、釜の湯をかき回した
竹で空に文字を書くように手を動かします。

そして湯祝詞が奏上され、
塩湯の準備が整いました。
神官が二人、笹の葉にその湯を取り
境内を清めて周り、最後に参列者を
祓い清めます。

湯立神事が終わりました。
参列者は万九千神社と立虫神社に
別れて昇殿されます。 これから
万九千神社拝殿で神等去出祭が
営まれます。

開祭の宮司一拝。
境内に居る、全ての参列者が合わせて
深いお辞儀をします。

開扉。
御神体を拝する御扉が開けられ
御簾(みす→すだれ)が上げられ
その向こうには、ご神体の磐座が
鎮座していらっしゃいます。

献饌。
お供え物が運ばれます。
今年は蕎麦がありました。

祝詞の奏上。

昨年との違いは、祝詞の後
「神語」の奏上がありました。
神語」とは「幸魂奇魂守給幸給」
(さきみたま くしみたま まもりたまえ さきはえたまえ)
と唱える仏教の「南無阿弥陀仏」、
キリスト教の「アーメン」に近い
唱詞(となえことば)とも呼ばれ、
参列者も合わせて唱えても構いません。
独特な節で3回唱えます。
私も宮司に合わせて唱えました。

宮司玉串拝礼。
参列の神官も全員拝礼します。

参列者代表の玉串拝礼が続き、
いよいよその時がやってきました。
御簾が下げられ扉が閉められます。

梅の枝を渡された宮司はその枝で
扉を3回叩きます。
それに合わせて「お立ーーちーーーー。」
と、3回繰り返します。

八百万の神様達に出雲を離れ、
翌朝には祀られている処へ

帰るタイミングであることを
お知らせする合図です。

そして閉祭の宮司一拝。
滞りなく神事が終わりました。
宮司から挨拶がありました。

社名の「万九千」は「まくせ」に充てた字で
元々は斐伊川の中洲に在り、「曲瀬」や
「巻瀬」だったのではないか?といった
お話や、お立ちを告げた神具の梅に例え

梅は春になると真っ先に花を咲かせ
咲かない春は無いとおっしゃいました。
疫病の収束を昨年同様祈念した、そんな

神等去出祭であった事は間違いありません。

大役を終えた安堵の表情の宮司のお顔が
印象的でした。

八百万の神々はこれから直会をされ
明日の朝、お越しの神社へ戻られます。
ちょっと覗いてみました。
邪魔をせぬよう、離れた場所から一枚。

雨の中の神事でしたが気温は12~3度あり
そこまで冷えることのない神事でした。
帰りに蕎麦を頂いて帰ります。

頂きましたら長居は無用。
足早に帰途につきました。

翌日は12月1日。
出雲市内で最も遅い神等去出祭を
斎行される万九千神社。
冬がくるなぁと、思わずには
いられませんでした。

今年の神在祭も残すところあと一社。
出雲地方はいよいよ本的な
冬を迎えます。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

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