みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。
読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。
さてさて。
古事記ではオオクニヌシが国作りを
成し遂げた、とは書いてありません。
ですが、
海の向こうから海面を照らしやってきた
オオモノヌシを御諸山(奈良の三輪山)に
祀る事により、国作りを成し遂げられる
そうでなければ叶わないと宣言され
御諸山にオオモノヌシが祀られている事で
国作りが完成した事を暗に示しています。
さて、その続きです。
前述の様に、古事記では
御諸山(三輪山)の上に光り輝く神が
いらっしゃると書かれた次に
「かれ(さて)」と置いて、
場面が展開します。
そして、スサノヲの御子神の
オオトシの系譜が書かれています。
はて?
オオクニヌシの逸話の後に
なぜスサノヲの御子神が再び?
そうなんです、このオオトシは
スサノヲのヤマタノオロチ退治の後、
スサノヲの系譜に既に登場しています。
そのオオトシと后神三柱とその御子神が17柱
孫神が8柱書かれています
この突然のオオトシの系譜は必然性が
無い様に感じますが
そう考えるべきものではないと
新潮日本古典集成 古事記(西宮一民校注)に
書かれています。
それによるとヤマタノオロチ退治後の系譜は
「国作りに参画した土俗神の系譜化」、
この度のオオトシの系譜は
「渡来人の奉斎神を始めとして、有名神社の
祭神及び農耕文化の表象による神々の系譜化
という特色を持つ。」と解説しています。
また「全解 絵で読む古事記〈上巻〉」には
オオトシの子孫の繁栄を出雲国の繁栄に重ね
「オオクニヌシがオオモノヌシを
御諸山に祀った効果」と解説しています。
ですが、なぜ国作りの後のこのタイミングで
記されているのかは解説されていません。
前後しますがオオトシを
「穀物神」と書きました。本居宣長は
オオトシ(大年)の神名を「大」は尊称、
「年(トシ)」の語源は「田寄(タヨシ)」で
「タヨ」が縮まって「ト」になり
「タヨシ」が「トシ」となったと
著書、古事記伝の中で解説しています。
さらに「田寄」は「田から寄せられる物」で
それは「穀(タナツモノ)」を意味する、
また穀物を一回取り収める事を
「一年(ひととせ)」という。
「穀物」が元で年月の「トシ」は後に生じた。
とも解説しています。
そしてこの穀物神のオオトシの妹神は
ウカノミタマ。赤い鳥居や狛狐でお馴染みの
お稲荷さんの神様です。(女神は諸説あり)
今回はちょっと面倒なお話になってしまい
恐縮です。
さて、今回は出雲大社の境外社、
大歳社をご紹介します。こちら。
大歳社(おおとせのやしろ)出雲市大社町杵築北。
出雲大社から稲佐の浜へ向かう途中の右側にある
木の柵の所にあるお社です。ちなみにこの柵から
右に入ると神在祭の時に縁結びの会議が行われる
「上の宮」があります。
手前には旧社地が残されています。
平成の大遷宮の際、建て替えられたのですね。
平成17年、大遷宮前の大歳社の画像です。
神社探訪 狛犬見聞録・注連縄の豆知識 から
画像をお借りしました。
チラッと後ろに見える囲いが現在の社地です。
社殿手前の岩は何なんでしょう?
石碑かと思いきや文字は見当たらず。
お社前の由緒書きには「田畑の守護神」とあります。
巨石ハンターで写真家の須田郡司氏のFacebookに
ご自身の田にオオトシさんの御札を立てている
写真がありました。お借りしました。
全国各地に祀られているオオトシ。
しばらくオオトシさんを祀る神社や
系譜にある神様を追いかけて見たいと
考えております。
最後までお読みくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。