めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲76 スサノヲの系譜④ ~ オオヤマクイ(大山咋命) 日吉神社 編 ~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。

読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。

 

前回は出雲市のお隣の大田市にある
「鬼岩」と「大年神社」をご紹介しました。

それではまず、オオクニヌシの国作りの後に
古事記に掲載されている、

スサノヲの子孫「オオトシ」の系譜を
もう一度確認したいと思います。

今回は赤枠で囲んだ神様、

「大山咋(オオヤマクイ)」に
着目したいと思います。

古事記にはオオヤマクイの神名の他に
「山末之大主神(ヤマスエノオオヌシノカミ)」
と記載があります。
オオヤマクイの神名をWikipediaは
「くい(くひ)」は杭のことで、
大山に杭を打つ神、すなわち
大きな山の所有者の神を意味し・・・
と解説しています。

本居宣長はこの2つの名の意味が
どういう由来か
思いつかないと
著書の古事記伝に書いています。
多分、この2つの神名が繋がらないと
言っているのでは無いかと思います。

更に宣長は2つの名に共通する「山」は
「日枝の山」に由来すると考察しています。

この「日枝山」は「比叡山」。
その山裾にある神社は「日吉大社」です。
日吉大社は東本宮、西本宮あわせての呼称で
東本宮にはオオヤマクイが祀られ、
西本宮にはオオモノヌシが祀られています。
日吉大社 滋賀県大津市坂本5-1-1
東本宮

※以下の日吉大社は2019年12月撮影。

西本宮
両本殿は国宝です。
日吉造り(ひえづくり)と呼ばれる
前と左右に庇(ひさし)が伸びる造りです。

神名のもう一つ、
ヤマスエノオオヌシノカミは
日吉神社を踏まえると
「比叡山の裾野にいらっしゃる偉大な神」と

読むことが出来ます。

そしてこの神社の神使はお猿さん。
日吉大社のHPを覗いても、
なぜお猿さんか解らないそうです。
東本宮の参道に「猿岩」があります。

どことなくお猿さんですね!
「神猿」と書いて「まさる」と

読むのだそうです。
「魔が去る」ですとか「勝る」の

言霊を持つようです。

日吉大社といえば「山王鳥居」が有名ですね。

ですが一の鳥居は朱の明神鳥居でした。

またオオヤマクイが主祭神で著名な神社に
京都の松尾大社があります。
残念ながら私は参拝したことが無いのですが
松尾大社は酒造の神社としても有名ですね。
これは日本酒メーカー月桂冠のHPに
次の様に書かれています。
京都盆地の西一帯を支配していた秦氏により、
西暦701年(大宝元年)創建された
京都最古の神社です。渡来人の秦氏に
酒造りの技能者が多く見られたことから、
室町時代末期頃から「酒造第一祖神」として
崇拝されるようになりました。

オオヤマクイはその神名から
「山の神」と素直に考えられますが
「酒造の神」としての性格もあるようです。
これは、この神様を祀る、半島から渡来した
「秦氏」が
祀っていた神がオオヤマクイで、
その秦氏は酒造の技術を伝搬した様です。
そこからオオヤマクイ=酒造神と
広まっていったという説があるようです。

出雲地方で「酒造」といえば
「クスの神」を祀る「佐香神社」ですね。
佐香神社 出雲市小境町108


※2021年10月撮影。

ご祭神は「クスの神」と「オオヤマクイ」。
「クスの神」はスクナヒコナの
別名といわれています。

「佐香(さか)」も「クス」もお酒を表す
古語のようです。
松尾神社と社名を替えたタイミングで、松尾大社から
オオヤマクイを勧請したと考えられると
Wikipediaにはあり、明治の頃「佐香神社」と

復した様ですが、「松尾神社」を「通称」として
残した様です。

「松尾大社」の方が酒造としては著名だった、
ということなのでしょうね。松尾神社の名残が
鳥居の扁額にあります。
石段前に鳥居が2つ。手前は「松尾神社」。

そしてその向こうの鳥居の扁額は
解りづらいですが「佐香神社」となっています。

では出雲には日吉神社は?
出雲市にも日吉神社はあります。こちら。
出雲市今市町1765

本殿は大社造ですね (^^)b

参拝した日は1日。だからでしょうか?
お賽銭箱の上に御神酒が用意されていました。

参拝した後、土器(かわらけ→酒器)に数滴取り
唇に指でちょんっと付けて頂きました。
車でしたので。
お子さんに御神酒を頂く時も
指先にちょんと付けて
その指を唇にちょこっと付けて
形だけでも頂くと良いそうです。
以前、琴弾山神社で斎行された
夜泣き封じに参列したお子さんに
その様にされていました。

こちらの日吉神社のご祭神はオオナムチ。
つまりオオクニヌシです。
あれ?オオヤマクイはいらっしゃらない?
とおもいきや境内社にいらっしゃいました。

境内社「松尾社」。

案内によると京都の松尾大社から
地元の酒造家が勧請したようで
昭和17年と比較的最近の神社の様です。

こちらの日吉さんには石像の
「神猿」さんがいらっしゃいます。
参拝の時は探してみて下さい。

 

実は滋賀県の日吉大社には
元宮が山の上にあるのだそうですが、
行けて無いのです。

私が参拝したタイミングは前部署の
出張の際、滋賀県大津市で会合があり
翌日松江市まで戻らなければならない
とんぼ返りの出張のときでした。
松江市に帰る日の朝5時に起きて
日の出前から
参拝したのでした。
その後、社用車で高速を使い松江市まで。
東西の本殿を参拝出来ただけ
ありがたかったですね。
また磐座に会いに行きたいと思っています。

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

 

スサノヲの系譜 過去ブログはこちら

古事記と出雲73 スサノヲの系譜① ~ オオトシ再登場 編 ~

古事記と出雲74 スサノヲの系譜② ~ 2つの三歳社 編 ~

古事記と出雲75 スサノヲの系譜③ ~ 鬼村の鬼岩 大屋町 大年神社 編 ~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加