出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。
この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
今回は古事記、出雲國風土記を通し
出雲國が古代より医療・医術の國だった事や
纏わる神社や神様を
ご紹介していきたいと思います。
今回はオオクニヌシのパートナーとして
国作りに尽力したスクナヒコナの
その後のお話です。
その8 ~スクナヒコナ編③~
オオクニヌシとちっちゃな神様の足跡
さてさて
件のスクナヒコナ。
古事記では国作りにおいて
その功績は書かれていません。
二柱の神は協力して
国を作り堅められたとあり
その次には、スクナヒコナは
常世の国へ去ってしまった、と
あっさり書かれています。
そんな扱いではありますが
ポストとしては重要で
名前からしてオオナムチ(オオクニヌシ)
に対してスクナヒコナ。
「オオナ」と「スクナ」、「大」と「少」と
呼応するかの様な名前です。
ペアが想定されていた二柱の様でしょう。
そして国作りに尽力した
神様ではあるのですが
思いの外、出雲地方には
スクナヒコナの神社が
少ない様な気がします。
日本書紀に目を通して見ましょう。
日本書紀ではなんと御親神が違います。
古事記はカミムスビの御子神ですが
日本書紀ではタカミムスビです。
ん~( ̄~ ̄)不思議です。
というのも片や出雲の祖神といわれ
片やアマテラスの重要なご意見番的
立場にいらっしゃる神様なのです。
またある話には
二神は力を合わせ心を一つにして
人や家畜の病気の処方や
鳥や獣、虫の害の対処や
おまじないについて指導をしているようで、
その恩恵で農業が発展していることが
書かれていますね。
その次に書かれている とある話は
ちょっと笑えます。
出会いの場は稲佐の浜。
薬草の葉を舟に鳥の羽を衣に
小さな神様が波間からやってきます。
オオクニヌシはこの小さな神様を掌に乗せ
からかうんですね。
スクナヒコナは飛び跳ねて
オオクニヌシの頬に噛みつきます(笑)
この変なヤツは誰だと天の神様に
使いを出して聞きに行かせます。
するとタカミムスビは
「私の子だ。私には1500柱の
子がいるが、その中で出来の悪い子がいる
それに間違いない」
ちょっと悪童的に書かれていますね。
日本書紀では異端児的な
書かれ方のようです。
国作りの途中、オオクニヌシは
スクナヒコナに尋ねます。
「国はうまくできているだろうか?」
スクナヒコナは
「できている所もあるし、
そうでない所もあるね。」と答えます。
なんとも曖昧です。
そして熊野の岬から海の向こうの
常世国へ行ってしまいます。
または粟島で粟の葉に登ったら
弾かれて常世の国へ飛ばされたと
いわれているとあります。
熊野は出雲の熊野、粟島は鳥取県米子市の
粟島といわれています。
そんなオオクニヌシとスクナヒコナ。
国作りのための相談をした場所
という神蹟が何箇所かあります。
こちら。大黒山 出雲市斐川町学頭
形が大黒さんに似ている事から
この名前になったといわれる
大黒山(だいこくやま)です。
んーーー( ̄~ ̄)・・・
どの辺が似ているか解らない(^^;)
もしかして上を向いている顔でしょうか?
この山の8合目くらいでしょうか!?
二柱の神が国作りの相談をした、また
国を眺めたという場所という
伝承の岩があります。
国見の磐座(いわくら)。
先には出雲ドームが見えました。
こちらは相談岩。
テーブルみたいですね。
この場所で国作りの相談をしたのだとか。
先程の国見の岩のすぐ下にあります。
更に9合目ほどの場所には
二柱の神が腰を掛けたと
伝承が残る岩もあります。
確かに椅子みたいですね(^^)b
山頂付近の稜線が尖った形のこの山は
雨で土砂が流れると山が低くなるので、
大国主命は大変おなげきになるとか。
それで参拝する人々は
砂をもって登るのだそうです。
砂を置いていく場所の様です。
一升持って登り、一合持って下る。
持って帰った砂は畑に撒くと
豊作になるのだとか。
私は砂を用意するのを忘れ
登山途中で石を広い山頂に置いてきました。
この山は標高315m。
さほど高い山というわけではありませんが
眺望がバツグンの展望台があり
東に宍道湖、西に日本海が見えます。
違う日の日差しの強い日です。
奥に光っている所は日本海です。
山頂には兵主神社があります。
読み方は「ひょうず」と思いきや
説明には「ひょうしゅ」とありました。
オオクニヌシとスクナヒコナ。
出雲以外の風土記にも
その伝承が書かれていたりと
出雲にとどまること無く
国作りに東奔西走したのかと
想像します。
最後には常世の国へ行ってしまう
スクナヒコナ。
渡来の神様では無いかと
憶測が飛んでいるのは
そんな海の向こうへ行ってしまう
結末からの事なんでしょうね。
今回は二神の国作りの
足跡を追ってみました。
さて次回はまだまだ島根に残る
二神の国作りの足跡を
更に追ってみたいと思います。
今回もお読みくださり
ありがとうございます。
◆新ブランドについて◆
出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。
遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。
この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。
一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。
「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。
◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆
化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。
主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。
真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。
いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。
日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。
この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。
新コスメにまつわる神話や風土の過去のブログは下記から
新コスメにまつわる神話や風土の話 その2 ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その3 ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その4 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~
新コスメにまつわる神話や風土の話その5 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その7 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編②~