みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。
前回はオオクニヌシ出生の民間伝承がある
大田市仁摩町大国の神社、
八千矛山大国主神社をご紹介しました。
今回は古事記をちょっとだけ遡りまして
スサノヲの家系図に登場する神様、
「オミヅヌ」が祀られている神社を
ご紹介します。
確認ですがスサノヲの子孫に関して
古事記には2つの系図が記されています。
穀物や食物の神様の系図ともう一つ、
ヤマタノオロチ退治のヒロイン
クシナダとの系図です。
後者の系図の4代目に登場するのが
「オミヅヌ」です。
本居宣長はこの神様の名前は
「大水主(おおみずぬし)」と
訳しています。
水の神さまですね。
そして娶った女神はフテミミ。
フテミミの父神は衣類の布の神様といわれ
この女神フテミミも
衣類に関係する神様では無いかという
説がありますが、実際のところ
ハッキリしないようです。
この夫婦神を「配祀神」として
祀っている神社がこちら。
長濱神社。出雲市西園町上長浜4258。
配祀神は「はいしじん(しん)」と読み
「配神(はいしん)」と
略される時もあります。
「主祭神」以外の神様に対して使われ、
明治以降の考え方の様です。
では主祭神は?
「ヤツカミズオミズヌ」。
出雲国風土記に登場する国引きの神様です。
「ヤツカミズオミズヌ」と「オミヅヌ」。
同一神とも別の神様ともいわれています。
風土記の国引きの場面では
三撚り(みつより)の丈夫な綱を土地にかけ
「国よ来~い、国よ来~い!」と引ぱって
離れないよう繋ぎ止めます。
その国引き神話に関わりの深い
綱がど~んと正面にあります。
その奥に木の板の扁額が見えます。
中央に「ヤツカミズオミズヌ」。
そして「フテミミ」、「オミヅヌ」。
両脇に夫婦で書かれています。
オオクニヌシのおばあちゃんと
おじいちゃんです。
優位置である左方(向かって右)に
后神のフテミミが書かれているのが
ちょっと不思議ですが、
頂いた御由緒のパンフレットも
フテミミが先に書かれています。
何か理由があるのでしょうか?
美保神社も左方に女神がいらっしゃるので
そんな習わしなのでしょうかね?
出雲国風土記に「出雲社」とあり
いくつかの神社がこの候補になっています。
6つも候補があると、意見が別れていて
定かでは無いような気がします。
ところで、長浜神社では並べて書かれている
ヤツカミズオミズヌとオミヅヌ。
私はこの二神は違う神様ではないかなあと
思っています。というか、違うといいなぁ、
といった漠然とした希望でしょうか。
というのは、国引きの神様は国土創生の
神様という事は納得出来る事かと思います。
そして「国土」では無く「国」としての
機能を整えた、つまり出雲の国の国造りを
最初に手掛けたのはスサノヲでは無いかな
と思うんですね。
そして仕上げたのはオオクニヌシ。
国引きの神様は「作ったばかりのこの国は
狭くて布のようだ、縫い足さなければ。」と
おっしゃるんですよ。
そして余った土地を4箇所から引いてくる。
「この国は狭い」と
四代目のオミヅヌが国引きをするとなると
祖先のスサノヲの所業を
否定する様な感じに思えてしまうんですね。
ですので国引きはスサノヲが天降りする
以前に行われたことではないでしょうか?
そこは風土記と古事記で話が合わないのかも
しれませんが、風土記では「出雲」の
名前の由来の神様は国引きの
ヤツカミズオミズヌだったり、
島根県の西部、石見地方の「石見」の
由来も同じくヤツカミズオミズヌが
関わっていたりしますので
スサノヲより昔の神様なのではないかと
思わずにはいられません。
ただ、名前が同じなんですよね・・・
結論は持ち越しておきます(^^;)
長浜神社は御朱印のバリエーションが豊富で
SNSでも拝見することがあります。
願い事によって戴く御朱印を
選んだり出来るようですね。
10種類ほどあったでしょうか?
金運の御朱印ですとか、今なら
疫病退散の御朱印ですとか(^^)b
しかも宮司さんがイラストを筆で
描いてくださっているようです。
「齎す」は「もたらす」と読むようです。
横長なのは実は見開きの御朱印なんです。
初穂料は2体分、1000円でした。
また不思議なのはこちらの鳥居。
鳥居が3つ並んだ「三ツ鳥居」があります。
奈良の大神神社が発祥の独特な鳥居です。
なぜこの鳥居なのか、宮司さんも
わからないのだとか。
写真向かって左が男石(をいし)、
右が女石(めいし)。
説明には「男石・女石を撫でて祈る」とあり
夫婦円満・子授け・安産の
ご利益があるそうです。
撫でる順番は男石→女石の順でしょうね。
参拝する機会がありましたら
境内奥の鳥居が目印です。
中近世には「妙見さん」と呼ばれ
北斗七星の進行がある長浜神社。
航海に関する由縁があるのかもしれません。
また本殿参拝の際にはぜひ、
オオクニヌシの祖父母の神様と思って
参拝してくださったら良いのではと
思っています。
お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。