めのうさとえすこな散歩

新コスメにまつわる神話や風土の話 その38 ~ 出雲の特産品筵(むしろ)と佐太神社 御座替祭 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
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めのやから誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。

古来「茣蓙(ござ)」や
「筵(むしろ)」
に使われた真菰。
特に「出雲筵」と呼ばれ、

出雲地方の名産品の一つでした。

古来、それらの茣蓙は
神事に関わるものとして使われました。

今回は今でも佐太神社は
茣蓙を神聖視した神事、
「御座替祭」を毎年斎行されます。

本日は佐太神社の祭祀と
私なりの考えではありますが、
その背景を考察し

書かせていただきます。

茣蓙(ござ)を替える=「常若(とこわか」

さてさて。
出雲國風土記には
「漆治郷(しつぢのさと)」の地名由来に
「コモマクラ シツヂ チ」という別名を持つ
神様がこの地にいらっしゃるので
地名を「しつぢ」という。
と書かれています。

「しつぢ」は「漆」の字が
充てられている事から
「漆部(ぬりべ)」と呼ばれる職人集団に
関係が深いと考えられています。
この漆部は「漆(うるし)」を塗る事を
職とした集団といわれ、古くは縄文時代
漆塗土器の作製をしたといわれ
松江市、出雲市の古墳から、
この地に漆工房が存在した
可能性が高いと考えられています。

ですが、私なりの考えを書かせて頂くと
「湿地」を指す「しつち」では無いかと
想像します。
根拠としては、風土記の時代、
漆治郷の位置は当時の入海の西端にあたり
湿地帯で無かったのかと思うからです。
「コモマクラ」は「真菰の枕」の事らしく
そうすると「コモマクラ シツジ チ」の
神名は「湿地に生える真菰で作った
枕の御霊」と
なり、意味はともかく
しっくり来るのではと
想像します。

「出雲筵」が出雲の特産と言えるには
そんな背景を想像せずにはいられません

「新出雲國 まこも風土記」の本には
(まこも。風土記記載の文字)
筵(むしろ)に
加工されていました。
葉を編んで敷物を作製して「出雲筵」
という特産品になっていたのです。
何を敷いたかといえば
神事に関わるものでした。
高貴な何かが座り、神に捧げる食物を
敷いたりしたのでしょう。
とあります。

その通り、佐太神社では毎年9月24日、
20時より御座替祭
(ござがえさい)が斎行されます。

佐太神社のHPによると、
御座替祭は本殿三社以下摂社末社の
御神座の茣蓙(ござ)を敷き替える神事で
当社の数ある祭事の中でも重儀とされ、
一年毎の遷座祭ともいえる祭です。
とあります。

「遷座祭」は社殿の修繕や
建て替えをする事により、
神様のご神威が甦ると考える祭祀です。
神道の「常若(とこわか)」という
考え方です。

御座替祭は開祭と同時に舞殿では
七座神事(しちざしんじ)と呼ばれる
神能(神楽)が始まります。
舞によって場や交換される
茣蓙を清めていきます。

神官たちは初めに摂社の田中社へ進み、
茣蓙を替えていきます。
御扉が開けられ、丸められた茣蓙が
置かれている木枠を掃き清め、
新しい茣蓙を置き、御扉を閉めます。
最後に祓いの祝詞を奏上します。

摂社や随神門の茣蓙も替えられ
最後に玉垣に三殿並ぶ、南殿、北殿、
正中殿の順に
神楽で舞清められた
茣蓙に敷き替えられます。

替えられた後、神職は正中殿の前に参集し
祓いの祝詞を三回奏上します。
夜の闇の中、提灯明かりで斎行される
この神事は、祓いの祝詞が都度奏上され、
えも言われぬ
清浄な空気に包まれる神事に感じました。

2018年の御座替祭から数日後の茣蓙です。


青々とした茣蓙。

前回も書かせていただきましたが
イネ科の植物の葉は、鋭い刃物に例えられ
悪いものを切る、「悪切り」の意味合いが
あるのだそうです。
神聖な植物で編まれた茣蓙に替えるのは
意味のある事と感じます。

釈迦の逸話に、妙薬を病人に飲ませ
真菰を編んだ筵に寝かせると、
たいていの病人が蘇生したとあります。
妙薬とは真菰を食べた白象の糞から作った
ものだといわれているそうです。

仏教においてもその薬効、神聖さが
取り上げられる真菰。
古今東西、特別な植物と感じます。

そうそう。
佐太神社の舞殿が新しくなりました。

今年の茣蓙替祭は、
特別な神事になりそうです。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

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新コスメにまつわる神話や風土の話 その29 ~ 谷あいの民家、集落の祈りの山(斐川町出西・神氷) 編 ~

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