石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その28 ~ 国引き神話 風土記以外の伝承 編 ~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 誕生。

めのやから新しく誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土をご紹介します。


出雲國風土記の冒頭を飾る神話、

「国引き神話」。

出雲を作った神様が、国を見渡してみると
狭く作ってしまったとおっしゃいました。
これは土地を抜い足さなければならないと
四度に分けて、他所から余った土地に
丈夫な綱を掛け、「国よ来い、国よ来い」と
引っぱり縫い足したという壮大な神話です。
国土創生を終えた神は持っていた杖を
突き刺し「終え!(終わった)」と
宣言します。

これは国府のあった
「意宇郡(おうのこおり)」の
地名由来となっています。

今回は風土記の記載とは別に
神社や山に残る伝承をご紹介します。

「出雲」の地名由来? 「八雲立つ」はこの神様が起源?

さてさて、件の「国引き神話」。
このブログの ” その11 ” でご紹介しています。
お時間のある方、よろしかったらどうぞ。

その11 ~出雲國風土記~

国引きの神様は「土地が余っていないか?」
と見渡し、余っている土地を引き、
そして縫いたし足して国を広げていきます。

出雲市大社町修理免中の島818の広場にある
巨大レリーフ「未来を拓く」。高さ5m幅15m。
国引きの神様の力強い様子を再現しています。

さて、いったい何処から見て
「国を狭く作ってしまった」と
言ったのでしょう?

出雲國風土記には記載がありませんが
伝承として残っている山があります。
現在は山頂に公園が整備されています。
三本松公園 出雲市斐川町出西3504−7

車で山頂近くまで行くことが出来ます。
ピクニックに訪れる方も多いみたいですね。
ここから出雲平野が一望できます。

出西コミュニティセンターで頂ける
「雲出づる 出西ふるさとガイド」によると
この山は「お立て山」と呼ばれ
国引きの神様が土地を引く算段を立てたと
伝承が残ると伝わる山です。

確かに最初に引いてくる土地「杵築の国」が
眼下にすっぽり収まります。

ではこの国引きの神様は
どちらに祀られているのでしょう?

斐川町で国引きの神様を祀る神社といえば
こちらではないかと思います。
富神社 斐川町富村596。

こちらの神社のご由緒には
~中略~出雲国風土記、国引き神話において
国土創生の大業を成就された神である。
~中略~神名火山(仏経山)の嶺より
地理を見て「八雲立つ出雲八重垣云」
御歌唱へ結ひて・・・」(社頭ご由緒より抜粋)
とあります。

御由緒そのままに、鳥居・社殿の真正面に
仏経山がどっしり構えているのが見えます。

出雲國風土記に「出雲」の地名由来は
この国引きの神様が「八雲立つ」と
おっしゃったからとあり、その事を
伝えようとしているのでしょう。
その場所は仏経山とあります。

国引きが先に書かれているということは
国引きの算段をたてたのが「お立て山」。
国引きを終え、仏経山の嶺から
確認されたのでしょうか!?

思い当たる場所があります。
仏経山に「眺めがいい場所」と
教えて頂いた場所があります。

仏経山の中腹に善導岩と呼ばれる
岩屋があり、「出雲郷古跡差出書」
という書物には「この所より
出雲、楯縫、神戸三郡の郷、眼下に見え、
晴れやかなること筆舌に尽くし難し。」
とあると「仏経山の石神に魅せられて」
という本に書かれています。

「善導」とは中国唐時代の高僧、
「善導大師」の事。
元々は毛利氏が善導大師の木像を安置した
岩屋
と伝わっています。
この岩屋は幅が14.5mほどあります。


今は石仏があります。
※2017年3月撮影。

この時は岩屋からの眺めは木々で遮られ
残念ながら古い書物の通りとは
行きませんでしたが
この岩屋の上から望む北山山脈が

コチラです。


※2017年3月撮影。

先程の三本松公園と角度違いに見えますね。
こちらの眺めは中世の伝承のようですが

富神社のご由緒はもっと古いかもしれません。
見事な景色は伝承が伴うようです。

想像するに、素晴らしい景色を観た
古代の人々は、「神様がこの景色を
ご覧になったら・・・」という発想から
更に発展し「神様もこの景色を観たに
違いない!」となっていったのでは
ないでしょうか!?
出雲だけでは無く、日本全国の
名勝・景勝・奇勝には神様の足跡が
残る場所が多々あると感じます。

ここ出雲の昔々の人々は
国土創生の神様の御業を尊び
そんな視線でこの景色を望んだのでは
ないかと想像します。
それは神様の存在が身近にあった故だと
思わずにはいられません。

今回は出雲國風土記の冒頭、
国引きの神様に関わる神蹟を
ご紹介させていただきました。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

恵みの雨を祈るように明日への祈りを込めたスキンケア

雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ、
自然への感謝を祈って繋いできた
出雲の人たち。

古来よりこの土地で育まれてきた
自然の恵みを活かし、
清らかさや健やかさを感じて
もらえるようなスキンケアアイテムを
作りました。

鉱物油・防腐剤・合成着色料・
合成香料・パラベンは使用せず
出雲國風土記に記載されている
出雲の植物や玉造温泉水、
出雲大社沖の海塩など
自然由来の原料を主成分にしています。

植物由来の保湿成分による
肌にやさしい処方で、
肌そのものの自然治癒力を高め
健やかでしっとりとした肌に導きます。

キー成分は島根の生産者から
直接仕入れている他、
めのうやしんぐう本店から湧き出ている
玉造温泉水を使用しています。
源泉・原材料から商品になるまで
責任をもって製造を行っています。

 

【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その7 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その8 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編③~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その9 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編④~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その10 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編⑤~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その11 ~出雲國風土記~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その12 ~出雲地方に見る荒神信仰(藁蛇)~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その13  ~神様の隠れ籠もる山  神奈備山~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その14  ~神様の隠れ籠もる山  神奈備山その2~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その15  ~ 古代の人々の想い 水編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その16  ~風土記掲載の古湯を訪ねる~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その17  ~築地松のある風景~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その18  ~ 真名井の清水 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その19 ~ 宍道湖を見守る航海の神様や神社 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その20 ~ 熊野大社 元宮 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その21 ~ 社日 土の神様 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その22 ~ 彌久賀神社 境内社 疫病神社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その23 ~ 日の沈む方角と神在月 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その24 ~ 雨乞いの石神さん 立石神社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その25 ~ 雨乞いの石神さん 鞍掛山 龍岩 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その26 ~ 雨乞いの石神さん 王院山 立石群 編

新コスメにまつわる神話や風土の話 その27 ~ 神様がいらっしゃる山 本宮山 編 ~

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加