出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。
この冬、めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土をご紹介します。
先日調べものをしていましたら
なるほど!と再認識する一文がありました。
それは「理由の無い地名は無い。」と
書かれていた一行です。
他県から松江市に来て最初に思う
難読地名とでもいいましょうか
「宍道湖」や「宍道町」は
知らなければ読めないのでは
ないでしょうか?
この難読な「宍道」。
なぜこの地名になったのか由来があります。
出雲國風土記には
その地名由来が書かれています。
本日は「宍道」の地名由来と
関わる神社や巨石をご紹介します。
地名の由来になった巨石。
さて件の「宍道」。
念の為、読みは「しんじ」です。
宍道湖は風土記の時代は
「入海」と呼ばれていましたので
地名を元に名づけられた湖だと想像します。
出雲國風土記には「宍道郷」「宍道川」や
宍道駅(しんじのうまや)など
宍道を関する地名や施設が載っています。
風土記にはこの地名由来が
次のように書かれています。
所造天下大神命(オオクニヌシの別名、
あめのしたつくらししおおかみのみこと)が
狩りで追いかけなさった猪の像が、
南の山に二つある。猪を追う犬の像、
その形は石となっているが、猪と犬以外の
なにものでもない。今でもなお存在している。
だから宍道(ししぢ)という。
※解説出雲国風土記 島根県古代分じゃセンター[編]
より引用。黒字箇所加筆。
この場合の「猪の像(ししのかた)」は
「その形をした石(岩)」と解釈します。
書かれている猪の岩、犬の岩の大きさも
克明に記されています。
ちなみにメートルに換算すると
猪の岩の一つは
長さ:8m
高さ:3m
周り:16.9m
もう一つは
長さ:7.4m
高さ:2.4m
周り:12.2m
犬の岩は
長さ:3m
高さ:1.2m
周り:5.6m
と、かなり大きいものだと解ります。
その岩の候補の一つがこちらにあります。
石宮神社。松江市宍道町白石638番
鳥居の両脇に件の猪岩があります。
風土記に書かれている大きさには
ちょっと足りない気もします(^^;)
こちらの神社は本殿は無く、
この犬石をご神体として参拝する神社です。
犬石の向いている方が拝殿裏。拝殿には
小さな扉があり、多分、祭祀の時は
開扉されるのでしょう。
拝殿正面に回ってみます。
実は拝殿前は狭く石垣が切り立っています。
後ずさり禁物の拝殿となっています。
風土記には「ししぢ」。
ふりがなはともかく現在の
「しんじ」とは読みが違います。
元々は「宍道」の読みは「ししみち」。
素直に読んだようです。
これが「ししんぢ」、さらに「ししぢ」、
そして最終的に「しんじ」となった様です。
方言と撥音便が重なったのでは
ないでしょうか。
面白いのは「宍(しし)」。これは食用の
比較的大型な獣のようで、主に猪や鹿の事。
パソコンで「しし」を変換すると
「猪」「鹿」「獣」が候補に出ます。
オオクニヌシは狩りをするのに
「獣道(けものみち・ししみち)」で
待ち伏せをしていたのかもしれませんね。
また「鹿」も「しし」ならば
もののけ姫の「シシ神さま」は
その風貌からもしかして
「鹿神様」と書くのかもしれませんね!
もう一つもののけ姫から引用すると
乙事主さまはかなりの巨体!
先程の岩の大きさは
優に越えている気がします。
そしてセリフに
「モロ、わしの一族を見ろ!
みんな小さくバカになりつつある。」
というのがあります。
昔は猪は大きかったのかもしれません(笑)
高速道路のトンネルの真上にあります。
夫婦岩。松江市宍道町白石3313-1
2016年1月撮影。
こちらの猪は寄り添うように佇んでいますね。
辺りを見回しても犬はいないようです。
高速道路の建設にあたり
この小高い山は削られる予定でした。
その当時の博物館の学芸員さんの働きにより
トンネルを掘る計画に変更になり、
結果この巨石は現存に至るという
逸話があります。
地図にもあるように「遺跡」で
古墳時代中期から後期(5~7世紀)の
祭祀に使われたと思われる土器片が
この場所で見つかっています。
また近代まで祭祀が行われていたそうで
長い長い間、ここは
祈りの場所だったようです。
撮影したこの時も紙垂の白い
新しい御幣が供えられていました。
巨石の上部に苔むした石の祠がありました。
こうなるとどんな神様だろうかとか
どうでもいい事の様に感じてしまいます。
そこはただ純粋に、祈りの場所であり
神聖な空気の漂う空間と感じずには
いられない自分がいました。
今回は「宍道」の地名由来の巨石、
猪岩をご紹介しました。
お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。
◆新ブランドについて◆
出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。
遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。
この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。
一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。
「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。
◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆
化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。
主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。
真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。
いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。
日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。
この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。
【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から
新コスメにまつわる神話や風土の話 その2 ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その3 ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その4 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~
新コスメにまつわる神話や風土の話その5 ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~
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