こんにちは、オンラインショップ担当の中嶋です。
『天珠の文様の秘密に迫る!第7回目』の本日は、十一眼天珠・十二眼天珠・弁財天天珠・白蛇天珠の文様の秘密のお話をしたいと思います。
また、パワー絶大!と言われる『朱砂入り天珠』についてもお届けしていますので、是非最後までご覧ください♪
それぞれの文様の意味
十一眼天珠
『新しい門出を祝う十一眼天珠』
■数字の『11』は…
「11」は個である1が向き合った状態を表し、自分自身を見つめている状態。自分自身と向き合うことは大変な作業でもあるため、『強さ』と関連付けられた数字と言われています。
また10でひと区切りになった数字が、ここから新たなサイクルに入るため素晴らしい始まりの合図であり、とてもエネルギッシュな力を秘めているとも言われています。
■『11』に関連する『十一面観音菩薩』
観音菩薩は三十三の姿に変化して全ての人々を救うとされており、この変化の様子を仏像で表したために多彩な観音菩薩が作られるようになったそうです。
有名なところでは、千手観音菩薩、聖観音菩薩などがあり、中でもちょっとびっくりする見た目の『十一面観音菩薩』は、その11ある面にそれぞれの役割があるとされています。
『十一面観音菩薩』は顔の上に10もしくは11の顔を持ち、八方位(東西南北+北東、南東、北西、南西)と、天と地、つまり360度全ての方向を見守っている仏様です。
▽本面
…正面の本来の顔。
▽菩薩面
…頭上にある正面3つの顔で、優しい顔をし、楽を与えると言われている。
▽瞋怒面(しんぬめん)
…頭上にある左3つの顔で、厳しい顔をし、行いの悪いものを正しい道に向かわせる。
▽狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)
…頭上にある右3つの顔で、口から牙を出して、行いの良い人を励ます。
▽大笑面(だいしょうめん)
…後ろにある顔で大笑いをしている。悪行を大笑いして改心させ善の道へ向かわせる。
▽仏面
…一番上の顔で、悟りの表情。
十一面観音菩薩はこの11の面を持って多くの人に多くの利益や救い(災難を避ける、財産授与、勝利を得る、地獄に落ちない、極楽浄土に行けるなど)を与えてくれると言われています。
※本面を除いて十一面となる場合と、本面を合わせて十一面になる場合があります。
■十一眼天珠の意味
古くから崇拝された十一面観音菩薩を表す天珠と言われ、その深い慈悲により苦しみを抜き去り、福と知恵を増進させ、吉運を授かるとされています。
また福徳が集まることから、新たな門出を祝う吉祥の天珠とも言われ、これから新しい生活を始める方にもおすすめです。
十二眼天珠
『素晴らしい人生が実現できる?十二眼天珠』
■多くの場面で使われる数字の『12』
・1年は12カ月
・1日は24時間(12時間×2)
・1時間は60分(12×5)
・12星座
・干支の十二支
・1ダースは12個 など…
日常生活で多く使われる『12』という数字。
月の満ち欠けが1年に12回繰り返されていることが分かって以来『12』は、天のサイクルを表す神聖な数字と考えられるようになりました。
また日本では、天皇家で用いられる『十二菊花紋』(天皇家で使用される機会が多いのは十六菊花紋ですが、それと並び十二菊花紋も用いられていることはあまり知られていません。)や、女性の正装であった『十二単(じゅうにひとえ)』、天皇のかつてのご住居、京都御所には12の門が存在するなどと言われ、たいへん貴重な場面で登場する『12』という数字は日本人にとって縁起の良い数字と言われています。
■薬師如来の『十二大願』
薬師如来が修行中に立てた『十二大願』には、将来自分が悟りを得たときには、「すべての人々を迷いや苦しみの闇から救うこと」「衣食住を満たすこと」などが説かれています。
十二ある誓いの中でも、特に第六、第七の大願は病気を治して人々を救うと説かれており、薬師如来の特徴がもっともよく表われていると言えます。
病気を治す仏様として知られる薬師如来は、大変穏やかな表情をしておられ、左手に薬壺を持った姿で、周りには『十二神将(じゅうにしんしょう)』を従えています。
▽第一大願 光明普照
自らの光で三千世界を照らし、全ての人を悟りに導き仏にする。
▽第二大願 随意成弁
仏教七宝の一つである瑠璃の光を通じて全ての人を明るく照らし、善い行いができるようにする。
▽第三大願 施無尽仏
悟りを得るために必要な物品をすべて手に入れることができるようにする。
▽第四大願 安心大乗
邪道を進む人を正し、大乗仏教の正しい教えに導く。
▽第五大願 具戒清浄
すべての人が戒律を守れるように導く。
▽第六大願 諸根具足
生まれつきの病気や障害、苦痛を無くす。
▽第七大願 除病安楽
すべての人の病を除き、困窮や苦悩から救う。
▽第八大願 転女得仏
女性であることによっておこる修行上の不利を助ける。
▽第九大願 安心正見
一切の精神的苦痛や煩悩から解放する。
▽第十大願 苦悩解脱
災いや災難などによる苦痛から解放する。
▽第十一大願 飲食安楽
すべての人が飢えや渇きに苦しむことがないようにする。
▽第十二大願 美衣満足
すべての人に衣服を与え、困窮や寒さから救う。
■薬師如来をお守りする『十二神将』
『十二神将』は薬師如来の眷属(けんぞく)。眷属とは家来や部下のことを表しています。つまり『十二神将』は薬師如来を邪神からお守りする12人の神様というわけです。
12人である理由は薬師如来の『十二大願』に由来しており、この12の誓いに応じて現れる分身が『十二神将』と言われています。
また『十二神将』は、昼夜の12刻を保護するともいわれ、十二支と結びつけられることから、それぞれには十二支が割り振られています。頭上に十二支獣を頂く姿などで表されることが多いのですが、それぞれの神将にどの十二支が対応するかについては、諸経によって異なり諸説あるようです。
12人の神様に守られている薬師如来ですが、『十二神将』はそれぞれ7,000人の部下で構成される軍隊を持っているため、実は全体では84,000人からなる軍隊で守護されているということになるのです。
▽『十二神将』の功徳
…病気平癒、身体健全、徐病延寿、災難除去、現世利益
▽『十二神将』を構成する神様
…伐折羅大将(ばさら)、迷企羅大将(めきら)、
安底羅大将(あんてら)、頞儞羅大将(あにら)、
珊底羅大将(さんてら)、因達羅大将(いんだら)、
波夷羅大将(はいら)、摩虎羅大将(まこら)、
真達羅大将(しんだら)、招杜羅大将(しょうとら)、毘羯羅大将(びから)、
宮毘羅大将(くびら)
リーダー格の宮毘羅大将(くびら)は、金比羅様(こんぴらさま)の名で親しまれています。
■十二眼天珠の意味
薬師如来の十二の大願と十二神将の加護を意味している天珠と言われ、仕事や名誉、お金、健康など現世利益をもたらし、素晴らしい人生が実現できると言われています。
自分の人間性や精神性を高めたい、また次のステップに進みたいと願う方におすすめです。
弁財天天珠
『金運を引き寄せ強運を味方に…弁財天天珠』
■弁財天とは…
七福神の中で唯一の女神で、琵琶を弾いている美しい姿が印象的です。弁天様の名前でも親しまれています。
『弁財天』は、もともとはインドの神様『サラスヴァティ』に由来しています。
『サラスヴァティ』は、インド最古の聖典『リグ・ヴェーダ』において聖なる河とされる『サラスヴァティ川』の化身と言われ、『サラス』は水を、『ヴァティ』は富の意味を持つことから「河を神格化した神様」や「水の女神」とも呼ばれます。
日本に仏教が伝来した際に、サラスヴァティが弁財天として伝えられたと言われています。
そのルーツはもともと水との繋がりが深いことから、日本でも弁財天は水辺に祀られることが多く、さらさらと流れる河の音が音楽を奏でるような音色にも聞こえること、また手に琵琶を抱えていることから、音楽の女神と言われ、文芸などの才能をもたらすとされています。
才能は富をもたらすことから『才』の字が『財』に置き換えられ、財運をもたらしてくれる神様として、さらに人々の信仰を集めるようになりました。
■弁財天天珠の意味
福の神として人気の弁財天の姿を映した天珠は、その名前の通り、金運や財運も引き寄せると言われ、同時に強運を味方にすると言われています。
また才能を開花させ芸事向上や学問などを成功に導くとも言われています。
金運を高めたい時や、自分の持っている能力を高めて、力を発揮したい時などにおすすめです。
弁財天天珠には立ち姿が描かれたものと、座り姿が描かれたものがありますが、どちらも意味合いは同じです。
白蛇天珠
『神の力で金運・財運を引き寄せる?白蛇天珠』
■白蛇とは…
白蛇は弁財天の化身と言われています。弁財天が『水の女神』と呼ばれることと、白蛇の独特な姿が川の形にも重ねられたことで『水神』としても信仰を集めてきました。
上記でも記述しました通り弁財天は、金運や財運、芸事上達の神様と言われるため、白蛇もまた同じ力を宿すとされ、神聖な存在として崇められてきました。
蛇は年に数回脱皮を繰り返し、その様子が生まれ変わるように見られることから、「永遠の命・生命力・再生力」を象徴する生き物として信仰されています。
さらに蛇は強い毒を持つ一方で薬としても用いられることから、生命・医学・薬学の象徴でもあります。
ギリシャ神話に登場する名医アスクレピオスが持っていた「アスクレピオスの杖」には医療・医学の象徴とする蛇の絵が印されており、そのシンボルは世界中の救急車や医療施設などで用いられ、日本の救急車にも描かれていますよ。
※アスクレピオスが登場するギリシャ神話『星座ものがたり 第13話 射手座』はこちら
また、金運アップとしても有名な白蛇ですが、
・脱皮が再生を連想させ「財も再生」
・ヘビ(巳)を持つと『実(巳)入りする』
などと考えられ、思いがけずお金が入ったり、出て行ったお金も再生して元に戻ると考えられているのです。
お財布にヘビの抜け殻を入れてお守りにしたり、ヘビ柄のお財布を持つことで金運アップとされているのには、こういった理由があったのですね^^
じつは白蛇とはアオダイショウのことで、色素が減って白化現象(アルビノ)を起こして突然変異で生まれた白い蛇のことを指しています。
自然界において、白い動物は神の使いや神の化身と考えられていることから、白蛇には特別な力が宿るとされています。日本書紀でも白い動物は吉兆のしるしとして特別視されています。
■白蛇天珠の意味
たいへん縁起の良い白蛇が描かれた白蛇天珠は、金運・財運を招き入れると言われています。
脱皮を繰り返して成長を続けることから、『無限』を連想させ、無限の富や繁栄を授けるとも言われています。
金運をより高めたい方におすすめの天珠です。
朱砂入り天珠ってどんな天珠?
『朱砂入り天珠』と呼ばれる特別な天珠があるのをご存知でしょうか?
朱砂は天珠の中でも極々わずかな天珠にしか現れないため、非常に希少価値が高くそのパワーも絶大と言われています。
■朱砂の正体とは?
朱砂とは、天珠の表面にだけあるのではなく、天珠(めのう)の内部から外部まで自然に分布している、赤い斑点のように見えるものを指しています。
その正体は、天珠の内部にあった鉄系の成分とされ、それが小さくパッと花開いたように見えるのが特徴です。
肉眼では見えにくいことも多いため、ルーペで覗いてみるとその様子が分かりやすいでしょう。
■朱砂の絶大なパワー
朱砂入り天珠は、古来よりチベットではその天珠の模様の意味に加えて、とりわけ強い魔除けの力があると信じられ、そして数ある天珠の中で最高峰の力を持つとされてきました。
■謎めいた朱砂
不思議なことにこの朱砂…
持ち主によって変化すると言う話があるのです。
身に着けているうちに少しずつ朱砂が出てきた!とか、ある日突然朱砂が現れた!という方もいらっしゃいます。
また、チベットでは僧侶の修行に伴い朱砂が現れる。という不思議な言い伝えや、徳が高い人が持つと増え続ける。とも言われているそうです。
ただでさえ謎が多い天珠ですが、朱砂についてはさらに謎が深まるばかりです…。
パワーの凝縮体とも言われる朱砂、もしかするとお手持ちの天珠にも現れているかもしれませんよ。一度ルーペを使って確認してみては?
※天珠の意味合いや記述につきましては、複数のいわれや言い伝えなどを基にまとめたものになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに~♪
≪他の天珠記事はこちら≫
>>第1回(十五眼天珠・星辰天珠・連師法帽天珠・福壽天珠)
>>第2回(一眼天珠・二眼天珠・如意樹天珠・如意鈎天珠)
>>第3回(三眼天珠・四眼天珠・太極天珠・薬師天珠・羊眼天珠)
>>第4回(五眼天珠・六眼天珠・閃電五眼天珠・亀甲天珠)
>>第5回(七眼天珠・八眼天珠・宝瓶天珠・水蓮花天珠)
>>第6回(九眼天珠・十眼天珠・金剛虎牙系・水晶天珠)
>>第8回(十三眼天珠・二十一眼天珠)
>>第9回(日月天珠・日月星天珠)
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