めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㊾ 大国主命⑭ ~ スセリヒメを祀る神社 佐比賣山神社 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

前回はスサノヲの元を訪ねたオオクニヌシが
スセリヒメとお互い一目ボレをして
結ばれる話でした。
キラキラハートマーク

ご紹介したスセリヒメの産所(うぶしょ)の
岩坪と、ご祭神として祀られている
那賣佐(なめさ)神社に続き、
今回もスセリヒメを祀る神社をご紹介します。

古事記のストーリーが前後してしまう所も
実はあるのですがご了承下さい(^^;)

それともう一つ。
古事記には載っていない伝承や
ちょっと異なる社伝や神蹟を
ご紹介したいと思います。

まずは、古事記と前回の岩坪から
伝承をつなげてみましょう。

スセリ生誕の伝承は前述の通り「岩坪」。
出雲市東神西町720にある神蹟でした。

ここで産湯につかったとの伝承があります。
この神蹟が生まれた場所、
「産所」というわけです。

そして成長したスセリはオオクニヌシと
根の国で出会います。という事は、
スセリは生まれた後、
どのくらいの期間を経てかは
定かでは無いですが

親神スサノヲと根の国へ行ったのでしょう。
その後オオクニヌシと出会い、
妻となったスセリヒメは、
自身の生まれた地に
戻って来たことになります。

そして、妻問いの際、この岩坪を見て
オオクニヌシは「滑らかな岩だ。」と
おっしゃた事がこの郷の地名、
「滑狭郷(なめさのさと)」の
地名由来と出雲國風土記にあります。

「妻問い」は「通い婚」の事ですので
スセリヒメはオオクニシと結婚した後
岩坪の近くに住まわれたという事だと
考えられます。

この先の古事記のストーリーになるのですが
オオクニヌシは小さな神様スクナヒコナと
パートナーとなり、国作りを行います。
出雲から伯耆の国へ来られ
山頂から未開の国土を見渡し
国作りをお考えになった場所

伝承が残る山があります。
伯耆富士こと「大山」です。
写真の説明はありません。
夏山登山道から望む大山北壁。


大山(弥山)山頂より望む境港、美保関方面。
※2017年5月撮影。

大山の中腹には大神山神社があります。
ご祭神は件の三柱と思いきや
オオクニヌシ一柱です。


※2015年7月撮影。

そしてこの伝承につながる、
次のような社伝のある神社があります。

オオクニヌシと一緒に国作りしたスクナヒコナ、
オオクニヌシの妻
スセリヒメが
大山にいらっしゃった。
次に出雲国の由来東郷に来られて
百姓に鋤鍬を与えて農業を教えた。
その土地を田鍬という。それから琴引山に登り
次に石見の三瓶山に至って、
池を作り樋を掛けて稲種を蒔き、
民に鋤鍬を授けたので、ここを多根という。

この社殿を持つ神社が
佐比賣山(さひめやま)神社です。
島根県大田市三瓶町多根イ305


※2020年7月撮影。


ご祭神は件の三柱、オオクニヌシ、
スクナヒコナそしてスセリヒメ。

そして社伝にあった
琴引山山頂から望む三瓶山。

手前は飯南町のご当地キャラ、いいにゃん。
※2018年9月撮影。

先程の大山と三瓶山は出雲國風土記冒頭の
いわゆる「国引き神話」において
国を引いた時の綱を掛けた「杭」と
書かれている山です。
不思議とオオクニヌシ、スクナヒコナ
そしてスセリヒメの伝承がつながって
残っている山でもあるのですね。

出雲國風土記にかかれている、
当時の山の名前と現在のそれが
両方とも変わっているという共通点もあり
いずれ「神社な日常」でご紹介出来たらと
考えております。

次回は古事記のストーリーを少し進めて
行きますのでどうぞお楽しみに。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

大国主命編 過去のブログはこちら

古事記と出雲㊱ 大国主命① ~ その出生地はどこか?~

古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

古事記と出雲㊳ 大国主命③ ~ オオクニヌシのお父さん 日御碕神社 編 ~

古事記と出雲㊴ 大国主命④ ~ 稲羽の素兎 白兎神社 編 ~

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古事記と出雲㊶ 大国主命⑥ ~ ヤガミヒメの故郷 賣沼神社 編 ~

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