石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その22 ~ 彌久賀神社 境内社 疫病神社 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ誕生。

めのやから新しく誕生する
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土をご紹介します。

人類は過去、未曾有の流行病と
戦ってきました。
現在もその状況といえます。

ワクチン開発など医療の発達が
現在ほどでは無かった過去、
人々は病とどう戦ってきたのでしょうか?

そんな、疫病退散の祈りの場所、
「疫病神社」を訪ねてみました。

「疫病」を冠する珍しい神社。

さてさて件の疫病神社。
出雲市湖陵町にある彌久賀神社の

境内末社として存在しています。

先日訪ねてきました。
まずは彌久賀(みくが)神社。
出雲市湖陵町大池1302-1

733年編纂の出雲國風土記にも
掲載のある古社です。

ご祭神は古事記の一番最初に現れる神様、
アメノミナカヌシ。こちらの神名の意味は
「神名は天の真中を領する神を意味する」と
Wikipediaで解説されています。

この出雲の地に天の神様が
いつ頃から祀られたか
はっきりしていないようですが、
神社ではこの神様を
アマテラスの「御祖父さま」と
由緒に書いています。

二の鳥居には茅の輪がありました。
作法に従い、左回り→正面、
右回り→正面、左回り→正面と
八の字を描くようにくぐります。
茅の輪くぐり作法
小國神社 http://www.okunijinja.or.jp/ooharae/
ネットよりお借りしました。

参拝。
コロナ禍収束の祈念。


本殿はこけら葺きといわれる
ちょっと厚みのある木が重なり
葺かれた屋根ですね。

本殿を中心に時計回りに摂社を参拝。
苗鹿神社。

本殿の左方に末社が点在しています。
神御祖(カムミオヤ)ノ社。
イザナキ、イザナミを祀り、
安産祈願の御神体が二体中にあり、
扉を開けその御神体を持ち
祈願するそうです。

恵比須神社。

コトシロヌシかと思いきや
オオクニヌシもいらっしゃるようです。

そしてこちらが疫病神社。


複雑な注連縄。

ご祭神は医薬やまじないの神様スクナヒコナ。
そしてヤソマガツヒ、オオマガツヒ。
この二柱の神はイザナキが黄泉の国から
戻り、海で禊をした時に成った神様で
黄泉の国の穢れから生まれた神様。
凶事を司るといわれています。

ご由緒によると
当社は、疫病の流行を防ぐ社で
何時からこの地に奉られたか不明、
明治初から昭和25年頃まで大池(地名)から
腸チブスが 大流行し数百人の方が亡くなり
島根県対策本部を西浜村に設置し対策を講じ
板津(地名)に避病棟を建設し
地域の念願として
昭和24年 (1949年)
疫病を鎮めるため
再建しくい止めし社である。
(彌久賀神社HPより転載 黒字は加筆。)

明治の頃か、もっと以前から境内には
疫病の神を祀る「祠」があったようです。
明治10年頃、コレラが流行。
社殿を建てれば治るとお告げがあったのですが
当時のこちらの神社は国の管理下にあり
許可されたのは昭和10年。
やっと社殿を建立出来たのは
上記の昭和24年という事が
神社で戴ける由緒書きで解りました。

冒頭の茅の輪は以前参拝した時は無く
常設では無いようです。
今のご時世だからこその
設置の様な気がします。

拝殿は中に入ることが出来、
御札や御守がセルフで戴けました。

傍らには疫病退散に関わる
御札や切り札がありました。

こちらは裏に氏名・年齢を書き、
先程の疫病神社脇に下げてきます。

島根県内にはこの様な
疫病に関する神社が数社あるそうですが
「疫病神社」としている神社は
どうやらこちらくらいの様です。

何かと制約や不便の多い今日ですが、
この状況が一日も早く解消され、
平穏な日々が戻りますように。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

新ブランドについて◆

出雲の人は雨が降れば土地を清め、
風が吹けば厄を吹き払うといって
目には見えない存在を身近に感じ
大切にしています。

遠い昔から人々の生活と共にあった
出雲の薬草。
遠い昔からやさしく、
柔らかく湧き続けている玉造の温泉。

この土地の人たちは自然に感謝し、
生があることへの感謝を静かに宣って
繋いできました。

一日の終わりに、
自分の中のささやかな儀式のように、
明日に祈るように。

「リセット、癒し、整える」ことで
健やかに明日を迎えるためのプロダクトです。

 

◆おなじ風土のもとに織りなす文化が共鳴し循環することを目指して◆

化粧品は温泉水と自然由来の成分から製造。
出雲地方で生まれた文化が造り手と共に共鳴し
循環していくことを目指しています。

主成分は島根県産の真菰(まこも)、
やまもも、塩、そして日本古来の御守り
「勾玉」を継承している
めのや本店から湧き出ている玉造温泉水。

真菰はしめ縄や神事にも使われ、
「神が宿る草」と呼ばれており、
やまももはイザナミイザナギの
黄泉の国のくだりに登場。
神の名前を持つ果物と呼ばれていました。

いずれも出雲風土記に登場する薬草です。
古代出雲は医薬の国とも
いわれていたことからも、
古来より出雲の人にとって
薬草は身近な存在でした。

日本古来より伝わる薬草と
洗い浄めるという文化。
気持ちをリセットし、
心身を癒しながら
みずみずしい肌へと導きます。

この冬の発売を
どうぞ楽しみにお待ちください。

 

【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その7 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その8 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編③~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その9 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編④~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その10 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編⑤~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その11 ~出雲國風土記~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その12 ~出雲地方に見る荒神信仰(藁蛇)~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その13  ~神様の隠れ籠もる山  神奈備山~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その14  ~神様の隠れ籠もる山  神奈備山その2~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その15  ~ 古代の人々の想い 水編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その16  ~風土記掲載の古湯を訪ねる~

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