石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その27 ~ 神様がいらっしゃる山 本宮山 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 誕生。

めのやから新しく誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土をご紹介します。

出雲國風土記には神様が宿る山、
「神奈備山(かんなびやま)」の記載が

4つあります。

過去、それらの山のうち、2つの山を
ご紹介させて頂きました。
大船山と仏経山です。

風土記に掲載されている神奈備山は
4つですが、神様が鎮座している、

または神様の社があると記載のある山は
その限りではありません。

今回は風土記に神様の社があると
記載のある山、本宮山と
本宮山に関わる神社、神蹟をご紹介します。

 

神様降臨の山!? 御神体の山!? 2つの伝承。

さてさて件の本宮山(ほんぐうさん)。
風土記には「安心高野」(あしむたかの)と
記載があるようです。
中世の頃、山頂にはお城が建てられ
大野氏の根城だったそうです。

現在は山頂まで車で行くことが出来ます。
山頂にはお城跡の敷地と説明看板、そして
携帯電話会社のアンテナがあります。

この山は天気が良ければ宍道湖を見渡せる
非常に景観のいい場所なんだそうですが
この日はモヤに包まれ、湖岸が辛うじて
見えるくらいでした。

さて、どんな伝承が残る山なのでしょう?
まず山の名前「本宮山」に基づく伝承です。
風土記にある「安心高野」から「本宮山」に
名称が変わったわけですが
関係する神社があります。

内神社(高野宮) 松江市大垣町746。
ご祭神はオオクニヌシの御子神、
ワカフツヌシとシタデルヒメです。

「本宮」は「元宮」のこと。
元々山の上にあった神社は内神社の様です。
これはこの神社の由緒に関係があります。
御由緒によると

「霊亀元年 ( 715  ) 当宮の北側に聳え立つ
女嵩山の峰に、夜々月輪の如く
光を放つものがあり、
村人達 神の降臨に違いないと、
神垣を設けお祀りしたのが、
当宮の始まりとされています。」

「女嵩山」は「安心高野」の事でしょう。
その山頂に神様が降臨されたと
神垣を作ったのが神社の創立だそうです。
その後日談が続いて御由緒にあります。

「その後、神の神威があまりにも
強すぎることを畏れた住民が、
神占により養老元年 ( 717 )
現在地に遷御し、以来今日まで
此の地でお祀りされております。」

降臨され、神垣を作られた峰(山頂)から
今の地に神社は遷され、「元宮」に
つまり「本宮」となったわけです。

風土記には
「樹木はないが頂上の方には林がある。
これが神社である。」
※解説 出雲国風土記 島根県古代文化センター[編]より

とあります。
御神木に神様が宿られていたと
読むことが出来ます。

ではもう一つの伝承とは?
こちらも関係する神社があります。
森清神社 松江市大垣町488。
ご祭神はアマテラス。

この神社は元々は本宮山を
ご神体としていました。
山を信仰の対象とする自然崇拝の
スタイルなんですね。

前回も登場した本「石神さんを訪ねて」に
よりますと、
「1767年に里宮が創建され

地区の名前にちなみ、[森清神社』とも
呼ばれるようになった。」
とあります。

「とも」呼ばれる・・・
他の呼ばれ方もあるわけです。
「安心高野」に因んだのでしょうか?
「阿之牟社(あしむのやしろ)」です。

元宮は本宮山の中腹にあります。


高さ7mほどあるそうです。
磐座が鎮座されています。
傍らから水が流れていました。

更にこの先に御神木であろうタブノキが
二本並んで立ち、その1本には簡易的な
鳥居が施されていました。


鳥居の脇に立派な看板が立てられています。
本宮はどうやらこちらのようです。

私事ですが、先の磐座は6年前にも
2度ほど参拝に山に入ったのですが
見つけられずにいました。
巨石仲間の三代氏が情報を得て、
最終的に近くにお住まいの方に
詳しく教えて頂き、
6年越しの初参拝が叶いました。

森清神社は毎年11月3日に例祭を
行うのだそうですが、2年に1度
宮司とその年の頭屋が山に入り
平和や五穀豊穣を願う神事を
斎行するのだそうです。


本宮への入り口には目印になる
赤いテープが巻かれていました。

この時、GPSでうまく位置を確認できず

結果、同行の三代氏は座標を確定するのを
諦めてしまったのですが、
白い◯の位置まで車で登れ、
そこから川を渡り、ちょっと戻ると
竹林の先に本宮がありました。

2つの伝承を持つ本宮山。
この山は風土記の時代から続く
祈りの歴史が今尚続いている場所でした。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

恵みの雨を祈るように明日への祈りを込めたスキンケア

雨が降れば土地を清め、風が吹けば厄を吹き払うといって目には見えない存在を身近に感じ、自然への感謝を祈って繋いできた出雲の人たち。古来よりこの土地で育まれてきた自然の恵みを活かし、清らかさや健やかさを感じてもらえるようなスキンケアアイテムを作りました。
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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

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新コスメにまつわる神話や風土の話 その8 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編③~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その9 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編④~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その10 ~ちっちゃな神様の足跡を追う スクナヒコナ編⑤~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その11 ~出雲國風土記~

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