出雲発 祈りをテーマとした
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コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。
出雲を代表するものの一つ「出雲大社」。
正式な読みは「いづもおおやしろ」。
これは明治に入ってからの名称で
それ以前は「杵築大社」と呼ばれ
「杵築(きづき)」を冠していました。
この「杵築」は現在もある地名で
出雲国風土記にその地名由来があります。
この地名「杵築」の地名由来や
関わる神蹟、民間風習をご紹介します。
出雲国風土記にみえる「杵築」の地名由来
さてさて件の地名「杵築」。
出雲国風土記には「寸築」と漢字が充てられ
その由来には国引きの神様が登場します。
国引きの綱と伝わる海岸線「薗の長浜」。
先に見える目立つ山は綱を繋いだ杭と伝わる三瓶山。
出雲国風土記の冒頭では
出雲の国を作られた国引きの神様が
狭く作ってしまったので、
国を縫いたさねばならないと
朝鮮半島や隠岐の島、能登半島の各所から
余った土地に丈夫な綱をかけ
「国よ来い国よ来い」と引いて繋ぎ止めたと
国引きの神話伝承が残る島根半島。
その国引きの神様が国引きの大業の後、
オオクニヌシの宮をお作り申し上げようと
神々が宮の場所に集まり築きなさった。
だから「寸築(きづき)」という。
とあり、後に「杵築」と字が改められます。
出雲大社の住所やその近辺は
「大社町杵築」と今でもその地名です。
前述の「オオクニヌシの宮を
お作り申し上げようと神々が
宮の場所に集まり築きなさった。」
この記述に繋がる様に存在する場所が
出雲大社境内にあります。コチラ。※2017年7月撮影
杵那築(きなつき)の森。
本殿に向かい三之鳥居右に広がる東の神苑の
その北にある森の前に鳥居があります。
社殿等は無く、神聖な森を祀っています。
この森はオオクニヌシに宮殿を建てるため
参集した神々が、その道具をこの森に埋め
解散された場所と伝わっています。
また、宮殿の礎の盤石を祈り
杵を埋納した場所とも。
江戸時代の境内の絵図にも鳥居と森が描かれ
神苑の場所がその昔、稲作に使われた
田んぼだった時代も開墾されずに
森として残ったようです。
出雲大社も大事な場所として守ってきたと
想像できます。
島根県立古代出雲歴史博物館のFacebookには
「那」には“たくさん”という意味があり、
「杵」「那(たくさん)」「築く」という
「杵那築」の名前からも多くの神々が
道具を持ち寄り、出雲大社を建てたことが
想像できるのではないでしょうか。
とあります。
さらに
子供のおねしょが直ると言われる場所として
よく知られています。
と民間伝承の事が書かれています。
これは多分、いつの間にか場所が
入れ替わった感じがします。
江戸時代の絵図には西の神苑にも
お社があり、ハニヤスヒコを
祀っていたお社があったようです。
この神様はイザナミが火の神を産んだ際に
火傷に苦しみ、その時の脱糞から成った神で
「土」に関わる神様といわれています。
大便から成った神様がいつの間にか
「おねしょ」になり、
やがてお社が無くなりましたが
「神苑」にあるという事で
杵那築の森が「おねしょ封じ」と
伝わってしまったのかと想像します。
ちなみにこのお社は出雲大社の
摂社末社ではなかった様です。
出雲大社のご造営には
多くの神様が集まった様ですが
代表する二柱の神様が
奉納山山頂に祀られています。
手斧(ておの)神社
2015年5月撮影。
祀られる二柱の神さまは「建築の神様」、
「技術の神様」といわれています。
奉納山には展望台もあり、
眺めもオススメです。
先程、杵那築の森に
杵を埋めたと書きました。
これは「杵築」は「杵でつく」に通じ、
重要な建物の建立の際「杵つき神事」という
神事を行うと聞いたことがあります。
土地を杵で固め、建物の盤石を
祈念する神事だとか。
杵を埋め、未来永劫を願ったのでしょう。
実際、出雲大社は『百錬抄』
『左経記』『千家家古文書』
『中右記』『北島家文書』などの
記述によれば平安中期から
鎌倉時代初めまでの約200年間に
7度も倒壊しているとの事。
その当時は本殿の高さが16丈(48m)
だったといわれています。
※出雲大社本殿模型(平安)
学説に基づく縮尺1/10の模型
古代出雲歴史博物館HPより転載
また天皇陛下の健康と御代の平安と
長久を奏上する出雲国造神賀詞
(いずものくにのみやつこのかんよごと)
の祝詞の中にも白馬の献上と、
その馬の前足、後ろ足が宮殿の
内外の柱を地の底まで踏み固め
揺るぎないように、とあり
宮殿の存続に天皇家の永世を
掛けている様に感じます。
天まで届く様な建物は
権威の象徴だったのでしょうが
反面、倒壊のリスクもあり
盤石な高層建築物はそれこそ
崇められるような権威を象徴したのでは
ないでしょうか。
出雲大社参拝の折は
参道右手にひっそり佇む
杵那築の森もぜひ合わせて
参拝してくださいますように。
そこには長久の繁栄を願う
祈りが埋まっているのかもしれません。
お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。
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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から
新コスメにまつわる神話や風土の話 その20 ~ 熊野大社 元宮 ~
新コスメにまつわる神話や風土の話 その21 ~ 社日 土の神様 ~
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