みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。
前回はスセリヒメゆかりの神社、
唐王神社の前編をお送りしました。
今回は後編です。
前回のおさらいをちょこっと。
スサノヲはオオクニヌシを
蛇の部屋やムカデや蜂の部屋に泊めました。
「スサノヲの試練」といわれる逸話です。
その窮地を救ったのがスセリヒメでした。
スセリは蛇やムカデ、蜂を追い払う布、
領巾(ひれ)を渡し、オオクニヌシは
その領巾を3度振ることで蛇や害虫を
大人しくさせました。
唐王神社にはこの故事にまつわる
ご利益、お守りがあります。
「まーむしまむし、よーけよけ、
唐王御前のお通りだ」
これはこの地域に伝わる山や草むらに
入る時の唱え言葉だそうです。
拝殿に「マムシ・毒虫除けの守り神」と
書かれ掲げられています。
そして拝殿前には唐王神社ならではの
お守りが授与されています。
「虫除けの砂御守り」。
初穂料をお賽銭箱に納め、
一つ戴いてきました。
この御砂は本殿の玉垣内から
自由に持ち帰る事もできます。
神社の公式サイトには
ご本殿下の砂をいただいて田畑にまけば
害虫が去り、家屋敷にまけば ささり や
むかでが退散するし、
又お守を身につけて居るならば蝮の危害を
のがれることができるし、・・とあります。
(文中「ささり」は蜂など刺す虫の総称。またはジガバチのこと)
また、「悪い虫」といういことで
お年頃の方に好ましくない異性が
つかないように、といった虫除けに
授かる人もいるそうです(^^;)
境内からほど近くには「神井」があり
先の神社の公式サイトには
更に神社裏奥にあるご神井の水は
如何なる旱祓にも涸れたこともなく(※)、
蜂にさされた折等いち速くこの
ご神水をぬれば勿ち治癒すると
いわれて居ります。
残念ながらこの井戸は
整備事業のため水脈が変わったようで、
水は出なくなったそうです。
またこの神井に関する伝承があり
公式サイトには「鳥取県神社誌」より
抜粋の内容が次にように書かれています。
汚穢(おあい)の輩(やから)此の水を汲めば
忽(たちま)ち濁る、
即ち社前の砂を投じて浄むれば、
自ら清水となる。
神社誌には「御手洗の井」とある様です。
「汚穢の輩」とは文字通りけがれた人。
穢れた人が水を汲めば濁ったのですね!
砂は祓い浄めの砂でもあったようです。
そして
諸人(もろびと→多くの人)該(ことごとく)
玉垣内の砂を請ひ(こい→求め)
或は之(玉垣内の砂)を御手洗の井泉に撒きて
其の身を清むれば、
年中虫毒の難に触るること無く、
適(たまたま)其(その)害に遭ふも
其水を温湯にし砂を入れて紙に涵し(ひたし)、
身体の損傷せし所を摩拭すれば
疼痛(とうつう→いたみ)忽ち止み全癒す。
故に崇敬の信徒日に増し月に加はる。
すごいですね!
虫除けだけでなく、虫刺されの
治療にも使われたようです。
気になるのは、
この当時の妻問い(通い婚)にしては
かなりの距離があること。
夫神オオクニヌシの住まいを
出雲大社とすれば現在でも道のりは
80㎞を超えます。
ナビで検索すると歩いて20時間48分。
江戸時代の東北の人たちの
旅日記の記録から1日の歩行距離を
算出した事が「歩く江戸の旅人たち」
(晃洋書房)という本の中に
書いてあります。それによると
江戸時代の人は1日平均10里(39km)ほど
歩いたようですね!
お伊勢参りの様に数ヶ月歩いた場合も
1日平均34.1kmほど歩いたそうです。
ですがこの80㎞は夫婦の距離。
やはりちょっと離れている気がします。
この距離から、オオクニヌシと
スセリヒメは離婚した、ですとか
国譲りの後、スセリヒメを恐れた大和は
スセリヒメを幽閉した、といった
説もちらほら。
スセリヒメは出雲大社の境内、
玉垣の中にもいらっしゃいます。
御向社(みむかいのやしろ)。
正式には大神大后神社。
(おおかみ おおきさきの かみのやしろ)
本殿参拝後は大社さんは右手から
摂社を巡るのが通常です(左回り)。
本殿→東十九社→釜社→御向社・天前社の
順番で巡ってください。
スセリヒメは直接社殿前で参拝する機会が
滅多にありませんので、参拝時は
写真の場所から斜めに向き参拝を。
スセリヒメの後編でした。
次回はまだ続くスサノヲの試練のお話です。
お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。
大国主命編 過去のブログはこちら
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