石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その㊻ ~ 山ノ神と山にある神社や神蹟 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 。

めのやから誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。

今年の山の日は8月8日でしたね。
全国の山は登山やハイキングを
楽しむ人で賑わった事でしょう。

登山の際、お社や祠を目にする事が
度々あります。
登山の安全を祈念して建立されたり
里に遷座された神社の元宮だったりします。
または神様が宿る巨石や奇石なども。

今回はそんな山にいらっしゃる神様や
山にある元宮を取り上げてみます。

山に祀られる神や降臨の神蹟。

登山で賑わう山道に
安全祈願の祠を見かける事があります。
「大山」の夏山登山道の祠。

2018年10月撮影。

傍らに「登山安全」、もう傍らに
「山ノ神」の文字が見えます。
登山の安全を祈念する祠の様です。

大山はオオクニヌシそのものと
いわれていますので、
その山中にあるこの祠は

山の神様が祀られ登山者を
見守っているのだと思います。

「三瓶山」は6つの峰を持つカルデラ。
その中の最高峰、「男三瓶山」の
山頂にも祠があります。
三瓶山頂神社。


先日の山の日の撮影。

ご祭神は解らなかったのですが
こちらも登山の安全を祈念する
雰囲気があります。

「大万木山」の駐車場には鳥居があり
その先にはお社があります。

2019年5月撮影。
社名は「武智神社」。

見逃してしまいそうな岩屋に
お社が半分だけ見えます。

この「大万木山(おおよろぎさん)」は
出雲國風土記に「多加山(たかやま)」の
名前で記載されていますが、
「揺らいだ」つまり山が揺れて
止まらなかったという故事により
山の名前が変わったようです。
権現さんを備後国高野山からお迎えし、
祀ったことによって揺れ動くのが
止んだと島根県のHPに伝承が
紹介されています。
先程のお社に祀られている
「権現さん」は仏様や菩薩様が神様に
仮の姿を取って現れること。
この山の揺れを今でも止めて
いらっしゃるのでしょうか。
こちらも山の神様という性格でしょう。

最初に挙げた大山もそうですが
山自体が神様と崇拝されたり
降臨の場所だったりする場合があります。
その場合は得てして、山中に巨石があったり
滝があったりと、特別なシチュエーションが
存在していることがあります。

松江市八雲町にある「熊野大社」は
天宮山(てんぐうさん)の山頂近くに
元宮があります。

2017年4月撮影。

ご祭神のスサノヲが降臨した場所と伝わり
以前はこの磐座の前で
祭祀を斎行されていたとか。
神官たちがここまで登る山道が
現在の登山道とは別にあったそうです。

出雲國風土記に神様がいらっしゃる山、
「神名火山(かんなびやま)」と
記載されている仏経山。

2019年11月撮影。

この山の上に、里にいらっしゃる神様の
お社があると
詳細が書かれています。
現在は石碑がその足跡を残しています。

古事記では「山」の神様と「野」の女神が
八柱の神々を産んだ事が書かれています。
本居宣長はそれらの神々を
山の斜面、山に湧き出る霧、

谷、山と山の間の平地の神様と
古事記伝の中で説明しています。

海の神様が産んだ神々も八柱なのですが、
それらの神々は、湧き立つ泡、
水面が凪ぐ状態、分水嶺、
水をすくう柄杓の神々です。
比べると「山」の神々は
場所を特定するような神様のようですね。

「山の天気は変わりやすい」といいますが
先日、実感する事がありました。
件の三瓶山に登山した時、晴れていて
登山道には濃く茂った緑に
木漏れ陽が映えていました。
登頂すると頂は風が気持ちよく、
見晴らしも良かったのです。


ですが30分後にはこんな感じでした。

雲に覆われました。
先程の山の神様の御子神に霧の神様が

いらっしゃるのも納得できます。
また、斜面と谷と平地といった神様の
棲み分けは、山頂から山々を眺める
景色の中に答えが
あったように感じます。
古代の人たちも山頂からの眺めに
神様を感じたのではないでしょうか。

山の幸、燃料や家を作る資材になる木材、
鉄や銅など狩猟の武器や農具になる鉱物。
古代においても様々な恩恵を
山から頂いて暮らしてきました。

連なる山々が織り成す地形、
山の中に入ればその認識は難しく
山にある様々な危険が迫ってきます。
現在においても非常に清々しく
気持ちのいい登山も霧や雲に包まれ、
雷の恐れもあります。
そんな二面性に古代の人は神様を祀り
崇めたのではないでしょうか。

恵みの雨を祈るように明日への祈りを込めたスキンケア

雨が降れば土地を清め、
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出雲の人たち。

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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その26 ~ 雨乞いの石神さん 王院山 立石群 編

新コスメにまつわる神話や風土の話 その27 ~ 神様がいらっしゃる山 本宮山 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その28 ~ 国引き神話 風土記以外の伝承 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その29 ~ 谷あいの民家、集落の祈りの山(斐川町出西・神氷) 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その30 ~ 潮汲み 出雲大社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その31 ~ 大社町と「うさぎ」を結ぶ峠道 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その32 ~ 日御碕神社 海側に立つ鳥居の理由 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その33 ~ 潮汲み 忌明けの儀式 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その34 ~ 石切場の石神さま 出西石 石切場 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その35 ~ 滝は元宮?波迦神社 岩に宿る龍王?権現岩 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その36 ~ 牛馬信仰の山「大山」と「大山さん」編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その37 ~ 出雲大社 凉殿祭(真菰神事) 編 ~

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