石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その㊷ ~ 祈雨の神様は止雨の神様 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 。

めのやから誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。

過去におきまして、雨乞いの神社や
石神さまを幾つかご紹介させて頂きました。
そう、雨に関わる神様です。

ダムなどの灌漑施設の整っていない古代、
干ばつは正に死活問題でした。
そこに雨乞いの祈りが起こり
雨乞いの石神さま等はその足跡といえます。
島根半島に600もの溜池があるのも

そんな事に由来しているのかもしれません。

では古代の人々は「雨の神様」に
祈ったのは降雨だけだったのでしょうか?

「祈雨」と「止雨」

論語に
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し。」
といった孔子の言葉があります。

二人の弟子の優劣を聞かれた孔子が
片方は度が過ぎているし、
もう片方はやや不足ぎみな事を指して
何事もやり過ぎることは、
やり足りないのと同じように正しくない。
と答え、中庸を説いた故事として
伝わっています。
雨も同様な事が言えるのでは
ないでしょうか?

ですが惜しむらくは天候には
人の力が及びません。

命に関わる水、その元となる雨。
コントロールが及ばない雨に対しては
今も昔も祈るしかないのではと感じます。

「雨」に関して過去のこのブログでも
干ばつの際の雨乞いの事を
ピックアップしてきましたが
斐伊川の氾濫がヤマタノオロチに
例えられるという事は、
その要因として当然 大雨や長雨が
あったからだと想像できます。
もちろん、その際は干ばつの時と
同じ様な祈りがあったのでしょう。
なぜなら、雨乞いの神様は雨を司り、
止雨(しう)の神様でもあるからです。

過去のブログでご紹介した
雨乞いの神社や石神さんはこちらでした。

出雲大社と関わりが深いこちら。
真名井の清水 出雲市大社町真名井。

女神が祀られ「灌漑の神様」と
いわれていますが、
「雨の神様」でもあるそうです。
「雨」という事は「降雨」「止雨」という
事でしょう。

立石(たていわ)神社。出雲市坂浦町1503

出雲国風土記にもある、雨乞いの磐座。
ここから雲見峠といわれる峠まで
御幣を携え祈願したのだとか。

出雲市斐川町直江 鞍掛山の龍岩。


3つの巨石の頭に縄が巻いてあります。
写真はそのうちの一つ。
この龍の様な岩を金槌で叩いて
雨乞いをしたのだとか。
雨が降らないのは、雨を降らす
龍が寝ているから

起こそうとした様ですね。
大雨の時は逆に龍を
眠らせたのでしょうか?

出雲市所原町 王院山 立石群。

「雨乞い」と掘られているそうです。
「塩冶の古墳と遺跡 塩冶の古墳と遺跡」の
HPによると
「水田への用水が不足しがちであった
上塩冶地方の農家は、日照りが続くと
なすすべなく、最も高い山に登って
雨乞いをした。」
と解説しています。出雲市で最も高い山は
この石碑のある王院山。
更に石碑には雨乞いに来られた地域、
「上塩冶半分組中」と彫られているとか。

岩坪 出雲市東神西町。

オオクニヌシの妃神が産湯を使ったと
伝承のあるこの窪みは、雨乞いの
場所でもあったそうです。

これらの雨乞いの神社や磐座の
止雨の祭祀について書かれているものが
見つからず、ほとんどが祈雨の事柄でした。

祈雨は「雨を祈る」と書きます。
雨が降ることも止むことも合わせて
「祈雨」なのではないでしょうか。
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し。」
中庸な雨の天気の日々が続きます様に。

最後ではありますが
この度の大雨の被害に遭われた方々へ
心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。
また、お亡くなりになられた方々の
ご冥福をお祈りし、被害に遭われた皆さまの
救済と被災地域の一日も早い復興を
心よりお祈りいたします。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

恵みの雨を祈るように明日への祈りを込めたスキンケア

雨が降れば土地を清め、
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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その22 ~ 彌久賀神社 境内社 疫病神社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その23 ~ 日の沈む方角と神在月 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その24 ~ 雨乞いの石神さん 立石神社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その25 ~ 雨乞いの石神さん 鞍掛山 龍岩 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その26 ~ 雨乞いの石神さん 王院山 立石群 編

新コスメにまつわる神話や風土の話 その27 ~ 神様がいらっしゃる山 本宮山 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その28 ~ 国引き神話 風土記以外の伝承 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その29 ~ 谷あいの民家、集落の祈りの山(斐川町出西・神氷) 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その30 ~ 潮汲み 出雲大社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その31 ~ 大社町と「うさぎ」を結ぶ峠道 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その32 ~ 日御碕神社 海側に立つ鳥居の理由 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その33 ~ 潮汲み 忌明けの儀式 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その34 ~ 石切場の石神さま 出西石 石切場 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その35 ~ 滝は元宮?波迦神社 岩に宿る龍王?権現岩 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その36 ~ 牛馬信仰の山「大山」と「大山さん」編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その37 ~ 出雲大社 凉殿祭(真菰神事) 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その38 ~ 出雲の特産品筵(むしろ)と佐太神社 御座替祭 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その39 ~ 岩坪 姫神の産湯伝説と祈雨 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その40 ~ 「杵築大社(出雲大社旧社名)」の由来と神蹟 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その41 ~ 斐伊川の洪水と受け継がれる祈り 立虫神社・雲根神社 編 ~

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