石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その35 ~ 滝は元宮?波迦神社 岩に宿る龍王?権現岩 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 。

めのやから誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。

自然の神秘な造形に対し
古代から人々は畏怖を念を抱き
神様の御業と考えたり、
神様そのものが宿ると考えました。
そして
その場所で祭祀を行いました。

ご紹介する滝や岩壁は
そんな神様に関係深い場所といえます。
今回は里の先に隣同士にある
神様に関わる滝や石神さまを訪ねています。

 

峠の入口にある滝と岩壁。

さて、まずはじめに件の滝ですが
「鳴滝(なるたき)」と呼ばれ、
1717年に編纂された地誌「雲陽誌」に
その名前が見えます。

【 滝 】
十二所権現の神社を離れ五町(約530m)ほど。
土地の人は鳴滝という。高さ二丈(約6m)
その滝の左右には岩窟があり

その昔、6月の晦日から7月17日まで
権現様はこの所に御幸されたと伝わる。
(抜粋、意訳。御幸みゆき→神様が移動される事。)

峠に入る道をちょっと外れた川の流れ、
今回ご紹介する滝はそんな場所にあります。

鳴滝。

この日は梅雨の晴れ間。
射した木漏れ日に虹が見えました。

確かに雲陽誌にあるように
滝の左右両脇に岩窟があります。

向かって右の方は奥行きもありました。

また記載のある「十二所権現」は
この滝から500mほどの道のりにあるのと
雲陽誌にはこの神社の次に「蓮台寺」という
お寺の記載がある事から、蓮台寺の近くの
「波迦神社」ではないかと思われます。
波迦神社 出雲市斐川町三絡(みつがね)208

位置関係はこんな感じです。

波迦神社から鳴滝まで直線距離で430mほど。
道のりで500mくらいでしょうか!?
雲陽誌の距離と辻褄が合います。

仏経山石神ガイドブックの
「仏経山の石神に魅せられて」には
鳴滝は十二所権現(波迦神社?)の
元宮ではないかと考察しています。

確かに神様が元宮に戻られる祭祀もあり、
雲陽誌に「御幸」の文字が使われていたのは
そんな祭祀を暗に
説明していたのかもしれません。

波迦神社は主祭神が
二柱いらっしゃる
神社ですので、
なるほど滝を中心に
両脇の岩窟に
祀られていたと考えるとしっくりきます。

高さはそれほどありませんが
滝の裏に回り裏見することも出来ます。
そして「鳴滝」の名前の通り、
滝裏に入ると耳に飛び込んでくるのは
水が岩を打つ音だけ・・・
その昔から滝の音が響いたのでしょう。

そしてこの近くに祈りの場所が
もう一つ
あります。
こちらは文献には残っていない様ですが
切り立った壁の様な岩が「龍王権現」の

石神様だと地元の年配者から聞いた事が
前出の「仏経山の石神に魅せられて」に
書いてありました。
こちら。


幅20mほどの岩を落差10mの滝が
滑るように落ちています。
この直瀑に目が行きますが、
その壁の様な岩が石神様と伝わっています。
石神様は「権現岩」と呼ばれている様です。

先のガイドブックの説明には
個人の斎場(祭祀の場所)があり
以前は松の御神木があったそうです。

航空写真に示した通り
先程の鳴滝や権現岩の傍には池があります。
鳴滝池。

「池」ということは人工的なものかと思い
調べて見ると、この池は「ため池」だそうで
農業用水確保の為か、
灌漑用に作られた池のようです。

権現岩の滝の源はこの様な場所でした。

という事は先程の滝は
新しいものかもれません。
斎場としては滝では無く、
やはり岩が信仰対象だったのでしょう。

「龍王」の名称から
水を司る権現さまではと察します。

祈雨や強いては作物豊穣の祭祀が
あったのではないでしょうか?

奇しくも、現在は滝があり、龍が天に
真直ぐ昇るかのような景色となっています。

滝がある為か、下から仰ぐように
祭祀を行いそうな雰囲気ですが
斎場は岩の上の方にあるようです。

そういえば、この近くにある山の
「龍岩」という雨乞いの岩は、
雨乞いの神事の際、
その頭を金槌で叩いたそうです。
雨を降らす龍神が眠ってしまったと考え、
叩いて起こしてのでしょう。

私の想像ですが、雨を降らす龍神さんは
あの壁の様な岩の中にいらっしゃって
干ばつが起こる時は
眠っているのかも
しれません。

そんな眠った龍の頭が
ひょっこり飛び出た様な巨石が

池に行くまでの斜面にありました。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。

ではまたの機会に。
ご自愛くださいますように。

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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その1  ~ 玉造温泉 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その2  ~古代出雲は医薬の国だった 稲羽の素兎編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その3  ~古代出雲は医薬の国だった ヤガミヒメ編~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その4   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編①~

新コスメにまつわる神話や風土の話その5   ~古代出雲は医薬の国だった 大国主の蘇生編②~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その6 ~伝説の医者がモデル?スクナヒコナ編~

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新コスメにまつわる神話や風土の話 その11 ~出雲國風土記~

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