石の音、ときどき日常

新コスメにまつわる神話や風土の話 その㊺ ~ 水神社と水神 その② 水神 編 ~

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出雲発 祈りをテーマとした
温泉水×和漢コスメ kiu 祈雨 。

めのやから誕生した
コスメブランドについて、
出雲地方に伝わる神話や
まつわる風土、伝承をご紹介します。

今回は前回の「水神社」に続き
「水神」をお届けします。

出雲大社界隈に点在する「水神」。
GOOGLEのマップでも
確認することが出来ます。

その場所には井戸があり、
今尚 現役のようです。
今回はそんな水神さんを訪ねてみました。

井戸と水神さん。

井戸には神様がいらっしゃり
多くの場合は「水神」と呼ばれ
特定の神様ではない場合があります。

そんな「水神」を祀られる井戸が
出雲大社周辺には今でも
いくつか点在しています。

まずはマップを見てみましょう。

出雲大社から離れたところに1つ。
他、出雲大社の近くに3つあります。

数字の順にまずは①の水神さん。


国道から入った所に石碑があります。
周りには水の湧いている気配も無く
元々水に関わる施設、湧き水や
洗い場ですとかが
あったのでしょうか?
もしかしたら現在は水神さんだけ
ここにいらっしゃるのかもしれません。

続いて②。
ここは出雲大社の正門にほど近い場所で
門前の通りの喫茶店脇の細い階段を
降りると間もなく見つかりました。

降りてこの先のところです。

奥に「水神」の石碑があり、
手前には二基の井戸。
鉄蓋が被せてあります。

突然機械音が聞こえました。
どうやらポンプで地下水を
汲み上げているようです。
水神さんは手前の井戸を
見守っていらっしゃるかのようです。

そして③。

お寺の駐車場の隣にいらっしゃいました。
井戸はコンクリートの蓋がしてあり、
その様子から頻繁に開け閉めを
している訳ではない様です。

察するに、使われてはいないのでしょうが
井戸終いは行われてなく、水神さんは
まだこの場所にいらっしゃるのか、
もしくは特別な時に使われる井戸かも。

そして④
細い道の先に建物と、その奥に
①の時と同じ様なポンプが二機あります。

そしてそのポンプの下の段に水神さん。

見えづらいのですが、
水神の「神」の文字の右側に

「明治二十年新設」とあります。

明治20年は1887年、
今から134年も前のことです。
この当時の水道事情は

どの様なものだったのでしょうか?

島根県のHPによると
本県における水道事業の始まりは
明治 45 年である。
と書かれています。
その発端は
共同井戸に起因する集団腸チフスが発生し
数多くの犠牲者を出した。
集落の人たちは当時の医師の勧めにより、
30 戸の集落に共同栓 2 カ所を
設けた。
これが最初の水道事業である。

先の水神さんの石碑から25年後に
島根県の水道事業が始まりました。
その後、昭和30年、1955年の島根県の
水道普及率は約20%と書かれています。
蛇口をひねると水が出るという時代は
まだまだ先だったようです。

出雲大社近くに住む私の知人宅では
数戸の家庭で山からの湧き水の
共同水路を引き、蛇口をひねると
湧き水が出るのだそうです。
公共の水道は引いていないそうです。
そのような家庭もあるためか、
平成22年の島根県の水道普及率は96.7%。
100%といった訳では無いようです。

マップにはヒットしなかったのですが
出雲大社近くの小路に
水神さんがいらっしゃいました。

こちらには祠があります。

実はこの場所は蔵元の敷地の端なのです。
きっとこの水は日本酒を作る
仕込み水
だったのでしょうね。

「だった」というのは、
こちらは2013年に廃業されたそうです。
ですが、祠の注連縄は新しく、

今でも大切にされていることが解ります。

蛇口を捻ってみました。
外気に温められた、
ぬるい水がしばらく出た後

冷たい清浄な水が出てきました。

さあ、取材も終えての帰路。
偶然目に入ってきたのは
またしても井戸でした。

何度も通った道ですが気付きませんでした。
島根県神社庁の前の駐車場の片隅です。

水神さんはいらっしゃらない様です。
きっと井戸を閉めてしまったのでしょう。

先程の蔵元の水神さんを⑤、
この駐車場の井戸跡を⑥とすると
マップはこんな感じです。

そして出雲大社の境内や境外社にも
井戸があります。
こちらは現役です。
出雲大社拝殿脇の御饌井(みけい)。

特別な食事や御神酒を作る際、
この井戸の水が使われます。
写真の説明はありません。
※2017年12月御饌井祭の様子。

写真の説明はありません。

また、神在祭で八百万の神々が
縁結びの会議を行う摂社、「上の宮」。
この敷地には井戸があります。

水の存在は特別な場所と感じます。

また、
日本水道協会のデータによると
日本の水源の内訳は
地表水 64.2%
地下水 31.9%
その他   3.9% だそうです。
地下水が三割強!!
個人的には想像以上に高い比率でした。

そして日本水道協会のHPには
次のようにあります。

水質面においては
一般的に河川等の地表水に比べて
良好かつ安定しており、
良質な水道水源である。

井戸の水は生命の源。
良い水が安定して居急さされる。

ですが、時には伝染病を引き起こす、
生と死、表裏一体の存在だったのでしょう。
枯れること無く、災いを起こすこと無くと、
その当時は切な願いが水神さんに
託されていたのではないでしょうか。

皆さんのお住いのところにも
井戸と水神さんが
いらっしゃるかもしれませんね。

そこには水神さんがいらっしゃって
その昔、地域の皆さんが多大な恵沢を受けた
そんな足跡なのかもしれませんね。

 

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【新コスメにまつわる神話や風土の話】過去のブログは下記から

新コスメにまつわる神話や風土の話 その26 ~ 雨乞いの石神さん 王院山 立石群 編

新コスメにまつわる神話や風土の話 その27 ~ 神様がいらっしゃる山 本宮山 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その28 ~ 国引き神話 風土記以外の伝承 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その29 ~ 谷あいの民家、集落の祈りの山(斐川町出西・神氷) 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その30 ~ 潮汲み 出雲大社 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その31 ~ 大社町と「うさぎ」を結ぶ峠道 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その32 ~ 日御碕神社 海側に立つ鳥居の理由 編 ~

新コスメにまつわる神話や風土の話 その33 ~ 潮汲み 忌明けの儀式 編 ~

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