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【鉱物と暮らしのアイデア帳】星座ものがたり 第3話 牡牛座 後編 ~星座にまつわるギリシャ神話と天然石~

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こんにちは。
オンラインショップ担当の畑です。

前回は牡牛座の由来となっている
二つのギリシャ神話のうちの一つである
『美女を連れ去った牡牛』
紹介させていただきました。
大神ゼウスの見事な牛っぷりのお話でしたね。

本日はもう一方のお話である
『牡牛に姿を変えられたイオ』を
紹介していきたいと思います。

今回、初めて読まれる方も
いらっしゃると思いますので、
牡牛座もうひとつの神話のお話をする前に、
星座と星座石のお話を先にさせていただきます。

牡牛座は1等星アルデバランとプレヤデス星団、
それにヒヤデス星団などから
形付けられた美しい星座です。
プレヤデス星団は、
日本では『昴』『すばる』とも呼ばれています。

12月末から2月、冬の南の空高くに、
赤く輝く1等星のアルデバランが
牡牛座を見つける際の目じるしです。

そこから、小さなV字型に星がならんで
牡牛の顔を形成しています。
これがヒヤデス星団になります。

このV字を探すときは、オリオン座の三ツ星を
手がかりにするといいようですよ。
オリオンの三ツ星の並びを
そのまま西の方に辿っていくと、
赤い星のアルデバランと、
そこから並ぶV字型の星たちが
見つけやすくなります。

さらにその右上方向に
いくつか星が集まって見えるのが
プレヤデス星団(すばる)で、
牡牛の肩の部分に位置しています。
牡牛座は、上半身だけが描かれた星座なのです。

牡牛座の守護石となる
星座石も複数割り当てられておりますが、
この度も代表的なものとして二つあげております。
それぞれに石の持つ意味合いもあるので、
一緒に下記でまとめております。

牡牛座(タウラス) 4/20~5/20
星座石・・・アベンチュリン、ジェダイト

 

【アベンチュリン Aventurine quartz】
和名…砂金水晶(さきんすいしょう)
感情を和らげる、柔軟な思考を与える

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【ジェダイト Jadeite】
和名…翡翠輝石(ひすいきせき)
災いから身を守る、幸運を引き寄せる

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☆牡牛座にまつわる神話☆

『牡牛に姿を変えられたイオ』

川の神イナコスに、イオという娘がいました。
イオは大神ゼウスの妻であるヘラの神殿に
仕えていた大変美しい女性でした。

またゼウスです…。嫌な予感がします…。

やはり、イオは大神ゼウスの
目に留まってしまい愛されることとなります。
大神ゼウスの妻であるヘラはやがてこれに気付き、
イオを牛の姿に変えてしまうのです。

牛の姿に変えられたイオは
牛舎の中に閉じ込められてしまい、
ゼウスと会うことがないようにと
ヘラは体中に100の目をもつといわれる
アルゴスという怪物に見張らせました。

ゼウスは愛しさと哀れみで困ってしまいますが、
ヘラの手前、自ら救い出すわけにはいかず、
イオの父親であるイナコスを呼び、
牛の姿になったイオを救い出すように命じます。

イナコスは牛舎に行ってみたのですが、
同じような牛ばかりで
どの牛がイオなのか見当がつきません。
イナコスが困っていると、
1頭の牡牛が近づいてくるのでした。
すると、その牡牛は足を使って
地面に『イオ』と書くではありませんか…。

イナコスは喜びました。
この牛こそが娘、イオであると確信したのです。
しかし、怪物アルゴスが
目を光らせているのでどうすることも出来ません。
アルゴスの目は交代で眠りながら、
見張りをしていたのです。

イナコスは大神ゼウスのもとに行き、
状況を説明します。
大神ゼウスは話を聞き、父親の悲しみに触れ、
イオを救い出す手立てを考えます。
そして、伝令神・ヘルメスに
イオを救い出すように命じます。

ヘルメスは、一計を講じて牛舎へと向かいます。
そこで見張りをしている怪物アルゴスに
『わたしが変わって見張りをしてやるから、
お前は眠っていてもいいぞ』と言ってやりました。
それを聞いた怪物アルゴスは、
休まず見張りをしているので
少し眠らせてもらうことにするのです。
しかしこの怪物アルゴスは
目が100個あり、交代で休むので
開いている目はあたりをうかがっています。

ここで、ヘルメスはひとつの笛を取り出します。
これは眠りの神ヒュプノスが作った笛で、
奏でる音色はどんなものでも
眠りにつかせてしまう力をもっていました。
この音色によって、怪物アルゴスは
とうとう全ての目を閉じてしまったのです。
怪物アルゴスが眠ったのを確認すると、
ヘルメスは剣で首を切り落としてしまいました。
イオは牛の姿のまま救い出され
父親イナコスのもとに送り届けられます。

この怪物アルゴスの100の目はヘラが拾いあげて、
お気に入りであった孔雀にあたえました。
それで、孔雀の羽には目のような模様が
たくさんついているのだともいわれています。

助かったと思われたイオですが、
まだ災難は降りかかります。
ヘラの嫉妬・怒りはおさまらないのです。
イオを苦しめる為に、今度は虻を放ちます。

虻は昼も夜も牛の姿である
イオを追い掛けまわして苦しめます。
イオは眠ることも出来ず、
ひたすら逃げ続けるしかありませんでした。
この時、飛び込んだ海が
イタリアとギリシャの間にある海で、
イオニア海と呼ばれています。
また、その後もイオは逃げ続け
山を越え、海を渡り、エジプトまで逃げましたが、
このとき渡った海は
『牡牛の渡し』という意味の
ボスポラス海峡と呼ばれるようになります。

エジプトに辿り着き、ここでやっとイオは
ゼウスによってもとの人間の姿に戻してもらいます。
そして、ゼウスとの間に
エパポスという息子が生まれます。

それにしても、もっと早く
人間の姿に戻してあげられなかったのでしょうか…。
妻ヘラの怒りがあるにもかかわらず、
ゼウスは結局、恋に落ちて
しっかり子供をつくってしまうんですね…。

苦難はまだ続きます…。
ヘラがまだ黙ってはいませんでした。
ヘラはクレスたち(クレタ島のゼウスの守護精霊)に
ゼウスとイオの間に生まれた子供、
エポパスを連れ去るように命じるのです。

イオはエポパスを捜しに出かけます。
そして、ビュブロス王の妻のもとにいるのを
見つけだし連れ帰ったとのことです。

イオはエジプトに戻ると、テレゴノス王と結婚し、
王妃として幸せに過ごしたといわれます。
また、ゼウスとの間に生まれたエパポスは、
テレゴノス王の跡を継いでエジプト王となりました。

イオが牡牛になってからの苦難は終結しましたが、
この牡牛の姿が夜空に上げられて
星座になったといわれています。

本日は前回に続いて、
牡牛座の由来となっているギリシャ神話の
もう一つの方を紹介させていただきました。
この2つの神話、
いずれにしても大神ゼウスの
傍若無人な振る舞いが目立ちました…。
ゼウスに振り回された2人の女性は大変でしたね。

しかしながら、最終的には
幸せになっていることからみても、
もしかしたら、牡牛座の星のもとに生まれた方は、
星座石の意味合いにもあるように、
どんな苦境に陥ってもそれを乗り越え、
幸運を引き寄せる力があったりするのでしょうか…。

次回は黄道12星座の3番目にくる
『双子座』の神話を紹介したいと思います。

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