めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉔ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

前回の八岐大蛇退治その10では
スサノヲが斬られたオロチの首を埋め
その上に杉を植えたと伝わる
「八本杉」をご紹介しました。

さて、本日は頭の方では無く
尻尾にまつわる神社をご紹介します。

まずはコチラの神社を。
石壺神社(いしつぼじんじゃ)。
島根県雲南市木次町平田1960

元々は出雲國風土記にも掲載がある古社で
前々回の八岐大蛇退治その9でご紹介した
岩伏山近く、多目的ダムの
「さくらおろち湖」のゲートの
近くにある神社です。

神社名の読みは「いしつぼ」「いわつぼ」の
二通り見えますが、島根県神社庁の
神社検索のサイトに
「いしつぼ」とありますので

「いしつぼ」で書かせて頂きました。

石壺神社はダムの建設によって
平成12年にこの地に遷座されました。
境内にある神社も
ダム建設に関わる整備事業の為

こちらに遷された様です。

元々は斐伊川が蛇行し
屈曲した川に囲まれて独立した岩山が
社地だったようです。
石壺神社の前を流れる斐伊川も
その様な感じに屈曲しています。

岩山は「亀山」と呼ばれたそうですが
大蛇退治に関わる場所ですので
八塩折の酒を入れた酒槽に関わり

「瓶山(かめやま)」ではないかと
想像せずにはいられません(^^;)
以前ご紹介した船通山の
亀石谷がそうでした。
今となってはダムの底ですね・・・

ここまで引っ張りましたが
今回大蛇退治に関わる神社は、
実は境内社のコチラなんです。
尾呂地神社。

この辺りはヤマタノオロチの「尾」に因み
「尾原」と呼ばれたのだとか。

そして尾呂地神社はヤマタノオロチの
斬られた尾が祀ってある神社なのだそうです。

ご祭神の名前は「蛇神(おろちのかみ)」。
オロチの尻尾は神様となったようです。

これは「安方神(やすかたのかみ)」や
「安潟神」、連り天引き(つかりあびき)
といった考えに基づく神様のようで
元々は死者の遺体が見つからない場合など
死者の面影を留める品や場所を
神様として祀る事で、死者を神様として
祀るといった考えのようです。
ヤマタノロチの体の一部が
神格化したという事なのでしょう。

安方とは低湿地でジメジメした場所の
意味があるようですね。
以前は斐伊川の中洲のところにでも
在ったのでしょうかね?

さて、この尾呂地神社。
横から見ると・・・

何やらオロチの頭のように
見えなくもありません。

そして屋根の棟の所の紋様・・・

スサノヲが天降りした時、
川に流れる箸を見つけ
川上で娘を間に泣く老夫婦に
泣くわけを尋ねた時、
老夫婦の父神はこう答えました。
「私には元々8人の娘がいました。
ヤマタノオロチは毎年やって来ては

娘を一人ずつ餌食にしていきました。」と。

棟の紋様はよく見ると7つあります。
哀れにもオロチの犠牲になった
7人の姫神でしょうか・・・

社頭の「御由緒および地名記」には
次のように書かれています。
江戸時代に編纂された
「神代藻塩草(もしおぐさ)」の
「出雲社記」には雲州仁多の佐白と
大原郡中久野村の境に「八頭坂」がある。
スサノヲが八岐大蛇を斬られた所である。
八頭坂を西に下った斐伊の郷(木次町)には
「八本杉」があり大蛇の頭が祀られてあり
「尾原村」には大蛇の尾が祀られてある
その故に「尾原」というと記されている。
(一部改ざん、加筆してあります。)

こちらの尾呂地神社は八本杉と
呼応するかの様に書かれています。
頭と尾ですので勿論そうでしょうが
伝承が繋がっているように感じますね。

本日はヤマタノオロチの
「尾」にまつわる神社を
ご紹介させていただきました。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~

古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~

古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山

古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~

古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~

古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~

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