めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉟ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その21 神剣の御神霊を祀る 多倍神社 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

前回は出雲市斐川町出西に残る
ヤマタノオロチ退治の伝承地や神社を
ご紹介させて頂きました。

ヤマタノオロチ退治は今回が最終回!
いよいよ次週はオオクニヌシが
登場しますので乞うご期待です(^^)b

さてさて。スサノヲが
ヤマタノオロチを切り刻んだ「剣」。
その剣に関わる
神社をご紹介します。

その剣は古事記では十握剣
(とつかのつるぎ)と呼ばれます。
他にも
「天羽々斬(あめのはばぎり)」とか
「蛇の麁正(おろちのあらまさ)」など
書物によってそれぞれ名称が異なる様です。

その剣の御神霊を祀る神社がこちら。
多倍(たべ)神社
出雲市佐田町反辺(たんべ)1064番地。

杉の御神木で有名な須佐神社から
西に3㎞ほどの場所にあります。

「八岐大蛇を切り給うた剣の御神霊を祭る」
と社頭の御由緒にも
書かれています。
それで里の人は「剱明神」と
いうのだそうです。

楼門の神紋。「劔」の文字があります。
(「いずもる」より転載)

十握剣は握り10個分の長さの意味です。
「握」は物を掴む時の形、
ジャンケンのグーの状態の事でしょう。

私の拳で恐縮ですが、
幅が8センチ位ですので、10個分で
約80センチの刃渡りという事でしょうか?
ちなみに1983年に荒神谷遺跡で発掘された
358本の銅剣は平均約50センチほどだそうで
80センチはかなりの長剣かと思います。

古代出雲歴史博物館に展示されている
荒神谷遺跡出土の国宝の銅剣と複製模型。
祭祀用といわれています。

そしてこの多倍神社で特筆すべきは
本殿後ろの巨石です。こちら。

前出の社頭のご由緒には
「首岩」といわれ、2つの大岩をいう、と
あるようです。さらに
この巨石は直径約4m、高さ2.5m
その形は笠(笈?)を伏せたようだ。
その後ろに径4m幅2m高さ1.2mの
岩が倒れかかる様に重なっている。
と書かれています。

続けて、
社説によるとこの神社より
北方500mの所に怪岩奇嶂
(かいがんきしょう)あり、
「鬼の窟(むくろ)」という。
天井岩、千畳岩、腰のし岩、地獄岩等ありて
往古、鬼共の住める巣窟だった。
その鬼の大将をスサノヲが退治し
その首を埋めその蓋になさったという岩が
この首岩である。 とあります。

この岩の下にはスサノヲが退治した
鬼の首が眠っているようです。

岩にキズをつけると血が流れ、
下の土を掘ると血の色が現れるという
伝承があると須佐のコミュニティセンターで
取材をしている時、居合わせた地元の方が
教えて下さいました。

「石神さんを訪ねて」には
巨岩が寄り添う様子から
「夫婦円満のご利益がある」と
宮司さんの言葉が書かれています。

本殿と一緒に玉垣で囲まれている
首岩を目にすると、その昔は
祭祀の場所であった雰囲気が漂います。

そして御由緒にある「鬼の窟」。
「目田観光歩道が通ずる」と御由緒に
注釈があり、「目田森林公園」の中に
あるらしいのですが、以前お邪魔した時は
冬のシーズンオフで入れず、
今回はノーアポで行ってみました。
ですが山道が荒れていて危険だという事で
その場所には行けませんでした。
残念・・・

公園内には「鬼の腰掛岩」があります。
写真に収めてきました。
オートキャンプ場の奥の広場にあります。

大きい・・・
引きの写真で大きさは解りませんよね?
GOOGLEさんの航空写真に写ってました。

右手に見えるのがオートキャンプ場です。
広場の片隅をほとんど占めていますね。

三脚を忘れたので水平が怪しいですが
174センチの私が近くに立つとこんな感じ。

裏から石の上にも登れます(^^;)

先の須佐コミュニティセンターで
お会いした方がおっしゃるには
「あの岩は新しいよ。」と言ってましたので
もしかしたらこの公園を整備するときにでも
出てきた岩なのでしょうか?
神社のご由緒にも「腰のし岩」がありますが
「腰掛け岩」は記載がありませんでした。

ヤマタノオロチ退治の後、
スサノヲはまたまた英雄として
その武勇伝が残っているのでしょうか?
奥まった山間に住んでいた鬼を考えると
「山賊」の様な危険分子のアジトがここで、
それらを成敗したスサノヲは桃太郎の様な
存在にも思えます。

今回はオロチ退治の剣のご神霊を
祀る多倍神社をご紹介しました。


スサノヲのミコトは
父神イザナキから「海原を治めよ」と
命ぜられたにも関わらず、
母神に会いたいという理由で
泣いてばかりいました。
そのせいで世界が荒れてしいました。

イザナキはスサノヲを追放されてしまい、
その後、母神に会いに行く前に
姉神アマテラスへ挨拶をと
アマテラスの元へ行くのですが
乱暴狼藉のせいでまたまた追放されます。
そして出雲に天降りされてからの英雄譚が
ヤマタノオロチ退治でした。
なんとも波乱万丈のストーリーでしたね。

「スサノヲの降臨 八岐大蛇退治編」は
オロチ退治が落着し、その時の剣が
修まったという事で、一旦
一区切りとさせて頂きます。
今後「神社な日常」で
スサノヲの足跡を追いかけてきます。
差し当たり、明日のブログで

今回の鬼退治に関わる神蹟を訪ねています。
明日の「神社な日常」もお楽しみに!

来週からは古事記のストーリーを先に進め
いよいよオオクニヌシの登場です。
引き続きご愛顧よろしくお願いいたします。

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

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