めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉘ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その15 雲根神社~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

前回の八岐大蛇退治その14では
大蛇の骨が流れ着いたと伝わる
大野津神社をご紹介させて頂きました。
昭和14年まで雨乞い神事が
斎行されていたとはちょっと驚きでした。

さてさて。
本日ご紹介するのは雲根神社。
出雲市大津町430

斐伊川を挟んで万九千神社の西側、
河川敷のゴルフコースの土手隣にあります。

斐伊川の土手にある
出雲県土整備事務所が立てた
案内看板によると
【雲根神社の石塚】
ヤマタノオロチの頭がここへ流れ着き、
村人はそれを哀しんで石塚を作って
奉ったが、夜になると塚から怪火が出ます。
そこで、スサノヲの神霊を勧請したところ、
ぴたりと止まったといわれています。

と雲根神社の石塚の事が書かれています。
またまた流着の伝承です!

雲根神社の石塚を探してみました。
境内の片隅に勧請された荒神さんの祠が

キレイに並べられ、その一番手前にあるのが
どうやら石塚のようです。

看板には石神社(いしがみのやしろ)とあり、
「スサノヲが大蛇退治をして埋め、

石でもって塚を築かれた
それでこの地を石塚というようになった」
この地、石塚の地名由来が書かれています。

ご祭神は八岐大蛇荒魂。
(やまたのおろち あらみたま)
オロチの荒ぶる魂です。
ちょこんと置かれた石が
魂を鎮めているか、または
墓標の様にも見えます。

ヤマタノオロチは斐伊川と
重ねられる事がありますので
オロチを鎮めるということは
斐伊川の氾濫を抑える事に
繋がる様に思えます。

立て札には石塚の由来の他に                                                                                 
スサノヲの神剣の逸話が書かれています。
「此処に神剣を納めたところ、
常に雲気漂い、それが「雲根神社」と
号す所以となった。(延宝七年棟札より)」

「雲根」は「雲の生じる所」。
そして雲は古来「石」や「岩」から生じると
考えられており、「石」=「雲根」
という事になります。

流れる雲が山を覆うでもなく、
山が突然曇ったり、雲がかかることを、
山の石や岩の間から
雲がもくもくと生じると考えた様です。

また、このご祭神のパターンは
~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~
でもご紹介したように
「安方神(やすかたしん)」のそれであり
オロチの体の一部、遺骸を神様として
祀られています。

尾呂地神社はヤマタノオロチの尾、
そして石神社はヤマタノオロチの
頭を祀っています。

先程、境内の隅に祠が並んでいたのも
斐伊川の氾濫の歴史が、神社の変遷の歴史と
なったのではと想像します。
地図と共に境内に説明がありました。

やはりその昔、この辺りは
流れが変わったり、砂州が新たに出来たりと
地形が変わることが多かったようですね。
なるほど、太古は土手が無かったようです。

そうそう!大事な事が抜けていました(^^;)
雲根神社の事です。

ご祭神はスサノヲとクシナダ姫の夫婦神。
元々はこの地の産土神(土地の神様)は
「姫神」と
固有の神様の神名は
残っていない様です。

オロチの件もありクシナダ姫と習合。
後にスサノヲが勧請され、
ご夫婦で祀られるように。

もしかしたらヤマタノオロチの伝承で
全てが変わってしまったのかもしれないと
私の妄想が馳せるのでありました(^^;)

 

そろそろヤマタノオロチ編も終盤。
自分でもこんなに伝承があるとは
思いませんでした。
もしかしたらまだまだ
あるかもしれないですね。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~

古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~

古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山

古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~

古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~

古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~

古事記と出雲㉔ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~

古事記と出雲㉕ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その12 ちょっと寄り道 クシナダ姫 ~

古事記と出雲㉖ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その13 長者の福竹・大森神社~

古事記と出雲㉗ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その14 大野津神社と雨乞の神事~

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