めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉚ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その16 佐世神社 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

前回は「黄泉の国譚」まで遡ってしまいました。
八岐大蛇退治に話を戻します(^^;)

今回からは八岐大蛇退治後の伝承が残る
神社や神蹟のご紹介が多くなります。
ついに八岐大蛇退治も終盤です。
今度こそ(^^;)

本日ご紹介する神社はこちら、
佐世神社 雲南市大東町下佐世1202

石碑にある神社のご由緒には
須佐能袁命八岐大蛇ヲ退治シテ後
欣喜ノ余リ 稲田姫ト神舞ヲナサレタ時
頭ニ刺シテイタ佐世ノ木ノ葉ガ落チタ
命ハ地 ニサセト申サレ
刺シタ木ガ今ノ佐世ノ社ナリ

故ニ此ノ地ヲ佐世ト云フ
とあります。

解りにくいですね(^^;)
わかり易く書きますと、
スサノヲは大蛇退治を成し終えた後、

歓喜の余りクシナダと神舞をなされた時
頭に刺していた「サセの木」の葉が地に落ちた。
スサノヲは地に刺せと言い
刺した木が現在の佐世の杜である。
なのでこの地を佐世という。

あのスサノヲが!

御親神、イザナキに海原を治めるよう

命じられた時、泣いてばかりだったり、
アマテラスが治める天上の国に居た時は、
傍若無人な振る舞いで
アマテラスが岩屋戸に隠れこもり
世の中が闇に包まれる元凶だった、あの
スサノヲのなんと見事な変わり様でしょう。

荒ぶる神といわれるスサノヲが歓喜の余り
クシナダと舞を踊ったというのです。
しかも木の枝を髪飾りにして。

あまりにも性格が違う様子から
古事記とは違う神様かも?なんて

思っても不思議ではないかもしれません。
また「スサノヲ」は一人の名前では無く
集団の名前ではないか?なんて説を
唱える人もいらっしゃるようです。

ですが、それだけスサノヲが
命がけだったとも言えるのでは!と
思ってしまいます。
大義を果たした安堵から
素直に心からの喜べたのではと。

何よりスサノヲはクシナダを
娶る訳で、八岐大蛇を退治して
晴れてクシナダと結ばれたわけです。

溢れんばかりの歓喜があったのでしょうね。

新居を建てる地を決めた時に
「私の心はすがすがしくなった。」と
言っています。
妻に安心を提供できた事に
やっとオロチの呪縛から解き放たれたのかも
しれませんね。

さて、出雲國風土記をみてみましょう。
神社のご由緒のスサノヲの漢字表記、
須佐能袁命は風土記の表記の一つです。
風土記の大原郡佐世郷の地名由来によると
「古老が伝えて言うには
須佐能袁命が佐世の木の葉を髪飾りにして
踊りなさった時に、刺していた佐世の木の葉が

地面に落ちた。だから、佐世という。」
とあります。

・・・あれ?(゜_゜;)
大蛇退治やクシナダは?
風土記にはその件は書かれて無いようです。
そもそも八岐大蛇は出雲國風土記には
出てこないんですね。
スサノヲが舞を踊る理由としては
「歓喜」が理由でなければ
ならなかったのでしょうか?
となれば、喜ぶ理由は大蛇退治、
結婚となるのでしょうかね。

拝殿に「八幡宮」の扁額が掲げてあります。

これは石清水八幡宮から勧請した
佐世八幡宮を相殿に祀っているそうです。
先程の石碑にも

「出雲国八所八幡ノ一社  佐世八幡宮ヲ合祀」
と書かれています。

文中に何度か出てきます「佐世の木」。
島根県雲南市観光協会Webサイト、
「うんなん旅ネット」に「ツツジ科の植物」と
あります。

また佐世神社の境内には
髪飾りにした佐世の木が

成長したといわれる巨木があります。

立てられた杭に「佐世の木」とあります。
これは椎の木だそうで
この木の前の看板によると

枯れては新芽を吹きを繰り返し
現在5代目の木なのだとか。
幹周り約7.6メートル、
枝は八方に拡がり約3.8メートルほど
あるそうです。
・・・もっとあるのではないでしょうか?

江戸時代の地誌「雲陽誌」には
「白神大明神」とあるようで、
これはスサノヲが白髪だった事に
由来するのだとか。
神社のある山を白神山と
雲南市のHPには書かれています。
スサノヲがクシナダとの新居を探している時
この山で休憩された伝承もネットには
見受けられます。

そうそう。
本殿向かって右手にある社殿。
お稲荷さんかな?と思いましたら
「武内神社」と書いてあります。

気づきました?
横にあるアレ(^^)
見てみましょう(^^)b

大きくまあるい穴がありますね。
初めて伺った頃、なんか覗いちゃ
いけないような気持ちでしたが
こういった社殿を幾つかみているうちに
平気で覗くようになりました。
キツネさんがいるんですが、
写真は控えておきますね。
ぜひ参拝されて、覗いてみてください。

今回わからなかったのが境内の巨石。

遥拝所の雰囲気もあるのですが
今後の課題になりました。

今回はスサノヲの別の一面が
垣間見れたような伝承の神社、
佐世神社をご紹介しました。

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~

古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~

古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山

古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~

古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~

古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~

古事記と出雲㉔ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~

古事記と出雲㉕ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その12 ちょっと寄り道 クシナダ姫 ~

古事記と出雲㉖ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その13 長者の福竹・大森神社~

古事記と出雲㉗ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その14 大野津神社と雨乞の神事~

古事記と出雲㉘ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その15 雲根神社~

古事記と出雲㉙   ~ 黄泉の国譚再び チガエシノオオカミ ~

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