鉱物と暮らしのアイデア帳

【鉱物と暮らしのアイデア帳】星座ものがたり 第12話 オリオン座 ~星座にまつわるギリシャ神話と天然石~

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こんにちは。
オンラインショップ担当の畑です。

星座にまつわる神話を中心に守護石となる
星座石の紹介をしています。
前回は、蠍座の神話と星座石の紹介をしました。
その中で、狩人・オリオンは
サソリの一刺しで命を落としたのですが…。

このオリオンの死については、ギリシャ神話の中で、
また別のお話もあると紹介させていただきました。
というわけで今回は、
『オリオン座』狩人オリオンの
もうひとつの死についてのお話をします。

オリオン座の見つけ方

冬の南の空で砂時計のような形で
並んでいるのがオリオン座です。
オリオン座は、数ある星座の中でも北斗七星と同様に
非常に馴染みが深く、
皆さんもよくご存知のことでしょう。

確かに冬の夜空を見上げると、もっとも明るくて、
すぐ目につく星座ですね。
星をあまり見ることが出来なくなった街中でも、
このオリオン座は見つけることができます。
夜空を見上げて3つ並んだ星を見つけたら、
それを取り囲むように並ぶ星たちを
見つけることができます。
これらの星たちがオリオン座です。

夜空で繰り広げられる源平合戦

オリオン座の真ん中に位置する3つ並んだ星は
『三つ星』、『orion’s belt』と呼ばれ、
またその『三つ星』の下で、縦に並ぶ3つの星は
『小三つ星』と呼ばれています。
さらに探すときの目印となるのが、オリオンの右肩で
赤く輝く1等星の『ベテルギウス』と、
それとは対照的に対角線上に『ベテルギウス』よりも
輝いて見える、白色の星『リゲル』です。

この2つの星に関しては、
日本では『ベテルギウス』を『平家星』、
『リゲル』は『源氏星』とも
呼ばれていることでも有名です。
時代は令和となりましたが、夜空では今でも
源氏と平家が、その権勢を競い合っているのですね。

そして、この『ベテルギウス』は、
おおいぬ座の『シリウス』、
こいぬ座の『プロキオン』とともに
冬の夜空に巨大な正三角形を描いています。
『冬の大三角形』です。

またオリオン座には、オリオン大星雲や
馬頭星雲をはじめとした多くの星雲が含まれており、
200万年ほど前に起きた超新星爆発、
宇宙の神秘を感じさせ、
話題の絶えない星座でもあります。

ベテルギウスは本当に消えてしまうの?

オリオン座が話題の絶えない星座である
要素のひとつとして、
注目しておかなくてはならないことがあるのです!
オリオンの右肩で赤く輝き、
赤色超巨星と呼ばれる『ベテルギウス』が、
もうすぐ星の寿命を終えようとしているのです…。

驚きです…。
小学生の時だったと思いますが、授業で習った
オリオン座の中でも有名な『ベテルギウス』が、
大変なことになっているようです。
その名前は、テストにも
よく出ていた事を覚えています。

誰もが学校で習って、頭の片隅にでも…、
また潜在的にでも、その名を
刷り込まれているであろう星が超新星爆発を起こし、
消滅しようとしているのです。
これまで、ギリシャ神話のことなど
勉強をしてこなかったものですから、正直、
私自身もこの『星座ものがたり』を書いていて、
オリオン座にぶつからなければ、
この話題に辿り着かなかったことでしょう…。

オリオン座『ベテルギウス』の
超新星爆発については、別の記事で紹介しています。
私たちの日常もどうなってしまうのだろうか?
と考えさせられ、面白くもあり、宇宙の壮大さを
痛感させられるお話でもありますので、
是非、ご覧になられて下さいね。

また、2021年は10月21日に
オリオン座流星群が極大を迎えます。
火球と呼ばれ、明るくて煙のような
流星痕を残すと言われるオリオン座の流星も
見ておきたいものです。
このオリオン座流星群についても、
別の記事で紹介しています。
流星を見るポイントを含め紹介していますので、
是非こちらもご覧になられて下さい。

☆『オリオン座』もうひとつの死 ☆

オリオンは海王ポセイドンとミノスの王の娘である
エウリュアレーとの間に生まれた、
半神半人の大男でした。
大男にはめずらしく、美男子で腕の立つ狩人でした。
そして、海王ポセイドンの血を引いていることから、
海の上を自由に歩くことができた
とも言われています。

オリオンにはシーデーという
大変美しい妻がいました。
ところがこの妻のシーデーは、
非常に高慢であったといわれます。
『私の美しさは、全知全能の神ゼウス様の
妻ヘラよりも美しい』と言って、
女神ヘラとその容姿を競ったと言われます。

(やばいです…。女神ヘラの登場です!)
(ヘラを怒らせては、大変な目に遭います…)

これに怒ったヘラは、
シーデーを冥府へと落としてしまったのです…。

(やはり、そうなりましたか…。)
(言わんこっちゃないです…。)

盲目のオリオン

妻を失い、諸国を放浪していたオリオンは、
キオス島に立ち寄ります。
そして、その島の王オイノピオンの娘である
メロペーに一目惚れをするのです。
オリオンは得意の狩りに出掛けては獲物を
彼女に献上し続け、結婚を申し入れるのでした。

しかし、メロペーも王オイノピオンも、
オリオンのことは好ましく思ってはおらず、
困った王のオイノピオンは、オリオンの死を望み、
当時、島を荒らしまわされ頭を悩まされていた
ライオンを退治することを条件に
結婚を承諾することにしたのです。

ところがオリオンは、難なくこのライオンを
退治してしまいます。
思惑がはずれ、困った王は結婚の約束を
はぐらかし続けるので、
これに納得のいかないオリオンは、
力ずくでメロペーを手に入れようとしたのです。

オリオンの暴挙に対して怒った王オイノピオンは、
酒の神ディオニューソスに頼んで、
オリオンを泥酔させ、その間に彼の両目を抉り取り
海岸に捨ててしまいました。
恋は盲目といいますが、
オリオンは本当に盲目となってしまったのです…。

恋多き、オリオン

両目を失ったオリオンは深く悲しみ、
大神ゼウスに祈ります。
ゼウスは、オリオンを哀れに思い、
鍛冶の神ヘパイストスの槌音を響かせ、
その音を頼りにオリオンを
鍛冶の神ヘパイストスのもとへと導くのでした。

鍛冶の神ヘパイストスのもとへ辿り着くと、
そこで職工のケーダリオンを背負い、
今度は暁の女神エーオスのもとへと
案内されるのです。

ここで、女神のやわらかい朝の光を
浴びることができ、オリオンは無事に視力を
取り戻すことができたのです。

視力を取り戻したオリオンは、
この暁の女神エーオスとの恋に落ちます。
そして、元気なオリオンは女神エーオスとの
交際中にも関わらず、プレアデス七姉妹にも恋をし、
彼女たちを追い掛け回したとも言われています。

月の女神との運命の出会い

暁の女神エーオスの仕事は
夜明けを告げることだったのですが、
オリオンと付き合う彼女は、彼に早く会いたいが為に
仕事を早々に切り上げてしまうのでした。
夜明けまでの時間が短くなったのを不審に思った
月と狩猟の女神アルテミスは、
暁の女神エーオスの宮殿のある世界の東の果てまで
様子を窺いにきました。
そして、そこでオリオンは
アルテミスと運命的な出会いをするのです。

そして二人は、共に狩りをするようになります。
ギリシャ一の狩人と狩猟の女神が恋に落ちるには、
そう時間は掛かりませんでした。
二人はクレタ島に渡り、
穏やかに暮らすようになります。

(暁の女神はどうなってしまったのでしょうか…。)
(オリオン、ひどいです!可哀想すぎます…。)

しばらくすると、二人の仲は神々の間でも噂になり、
二人も互いに結婚を考えるようになります。
ところが、このことを良しとはしない
一人の男がいました…。

女神アルテミスの兄であるアポロンです。

(これは、また何か起きます…。)
(オリオンに安息の地は訪れるのでしょうか?…)

オリオン、悲しすぎる死

月と狩猟の女神アルテミスの兄であるアポロンは、
オリオンの乱暴な性格が嫌いであったことと、
そして何よりも純潔を司る処女神でもある
アルテミスには恋は許されないものとして
二人の仲を認めなかったのです。
しかし、女神アルテミスは
これを聞き入れることはありませんでした。

困り果てた兄アポロンは、一計をめぐらせ、
オリオンのもとへ一匹の毒サソリを放つのです。
驚いたオリオンは海へと逃げましたが、
海の中を頭だけ出して歩くオリオンを
アポロンは見逃しませんでした。
オリオンに金色の光を当てて指差し、
女神アルテミスに
「狩猟の女神でもあり、弓の達人であるのであれば、
遠くにあるあの光を射抜いてみよ」と言うのでした。

その金色の光が、オリオンであると
知らなかった女神アルテミスは、弓を引きます。
そして、放たれた矢は
オリオンに命中してしまうのでした。

(ひどい…。あんまりです!)

二人の愛は永遠に…

射抜かれてしまったオリオンが浜に打ち上げられて、
自分がしてしまったことに初めて、
女神アルテミスは気付きます。

アルテミスは神としての役目を
忘れるほどに悲しみました。
アルテミスは死者をも蘇らせると言われる
名医アスクレピオスのもとを訪ね、
オリオンを生き返らせるように頼みます。
しかし、冥界の王ハーデスが反対するのでした。

あきらめきれない女神アルテミスは大神ゼウスに
「せめてオリオンを空に上げてください」
と頼み込みます。
それは、月の女神であるアルテミスが
銀の馬車に乗って夜空を走って行く時に、
オリオンに会えるからということにあったのです。
大神ゼウスもこれを聞き入れ、
オリオンは星座となって空に上げられました。

月(アルテミス)が通る白道(月の通る軌道)は、
オリオン座のすぐ北を通っており、
オリオンも月に一度会いに来る女神アルテミスを
楽しみ待っているとされています。

(なんとも愛おしくも切ないお話です…。)

星になっても追い掛け回すオリオン

このオリオン座を描く、頭の部分の星が暗いのは、
彼の失った視力を物語っているとも言われています。
そして、オリオンが視線を向ける先には、
牡牛座のプレアデス星団(すばる)があります。
このプレアデス星団は、
プレアデス七姉妹に由来するとも言われ、
星座となっても七姉妹を追い掛け回しているとも
見られるほかに、このプレアデス星団の星のひとつに
メロペーの名が付けられていることからも、
いまだメロペーを追いかけているのだ
とも言われています。

メロペー、覚えていますか?
オリオンが両目を失うきっかけとなった、
一目惚れをした女性です。

これに関しては、アルテミスとのお話が
愛おしくも切ないお話であっただけに、
ちょっとがっかりな感じもしますが…。
そこがまたギリシャ神話という感じもします。

本日は『オリオン座もうひとつの死』と題して、
オリオン座の神話をお届けしました。
次回の『星座ものがたり』は黄道12星座の中でも
9番目にくる『射手座』の神話を
紹介したいと思います。

最後になりましたが、恋多きオリオンにちなんで、
「真実の愛」を象徴する天然石“アメジスト”を
紹介して終わりたいと思います。
最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。

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