こんにちは。
オンラインショップ担当の畑です。
暑かった夏が終わりを告げ、秋の訪れを感じながら、ついこないだまで過ごしやすい日々をおくっていたかと思うと、なんだか急激に気温が下がってしまいましたね…。
とうとう冬へのカウントダウンがやってきました。
この寒さに気持ちが負けてしまいそうな時もありますが、思い切ってその寒さの中に飛び込んでみませんか?
(無理はいけません!…。笑)
というのも、この12月は見逃せない夜空を彩る天体ショーがあるのです。
その名は、『ふたご座流星群』。
12月は師走(しわす)。
なにかとバタバタして忙しい時期ではありますが、そんな時だからこそ、ちょっと一息ついてみてはいかがでしょう?…。
澄み切った冬の夜空に流れる一筋の光は、忙しない日常から離れられる瞬間となることでしょう…。
ふたご座流星群とは?
『ふたご座流星群』は、1月の『しぶんぎ座流星群』、8月の『ペルセウス座流星群』と並ぶ3大流星群の一つです。
輻射点(放射点)が一晩中見え、夜も長い時期であることから、一晩に観測できる流星数を平均すると年間を通して最大の流星群であると言えます。
年間でも常に1・2を争う流星数を誇る『ペルセウス座流星群』は、条件が良いと1時間あたり60個以上の流星が確認されます。
これに対して『ふたご座流星群』は、毎年ほぼ一定して多くの流星が見られ、流星の数と安定感ではNO.1とも言える流星群です。
その上、1時間に数十個の流星が見られるときもあり、『ペルセウス座流星群』にせまる出現となった年も…。
また条件の良いときであれば、1時間に最大で100個以上の流星が観測された年もありました。
ただ、近年ではその活動も少し落ち着きをみせてきているようです。
ところが、そんな中でも過去にはあまり見られなかった、満月級の明るい火球や流星痕が観測されることもあり、活動的な側面をみせていることから、今後もこの傾向が続くのか注目される流星群と言えます。
ふたご座流星群の母天体は彗星ではなかった?…
流星群の母天体は多くの場合、彗星になるのですが、『ふたご座流星群』はファエトンという小惑星になります。
「彗星」とは主に岩や氷などでできていて、ガスなどの物質を放出している小天体であるのに対して、「小惑星」とは主に岩でできていて物質を放出していない小天体になります。
つまり、小惑星は彗星のように尾をなびかせ、塵を放出することがないことから、このファエトンもかつては、彗星であったかもしれないと考えられています。
彗星であったファエトンが、何度も太陽へ回帰することによって、ガスや塵を撒き散らし、すっかりやせ細ってしまい、今では岩石部分だけが残り、小惑星となってしまったのでは?…、とも見られています。
そんなファエトンですが、2009年と2012年に約25万kmの短い尾が観測されたことによって、僅かながらにも彗星としての活動が観測されたようです。
彗星の尾は長いもので、数億kmに達するということを考えれば、いかにファエトンから観測された尾が短いものかということが分かります。
人間の感覚では25万kmと聞くと、わけ分からなくなるくらい「でかっ!」となるのですが、他の彗星と比べると話にならないくらい小さいものとなってしまうのですね…。
(さすが、宇宙はスケールが違います…。)
しかし、これによってファエトンは、これまで小惑星であるとされてきましたが、彗星としての可能性が出てきたわけです。
このファエトンが軌道上にかつて撒き散らした塵の中を、地球の軌道がぶつかり通過することで、塵が地球の大気に飛び込み、多くの流星が出現するというわけです。
流星は輻射点(放射点)から離れるほど長い線を描く
2021年12月14日の16時頃に、『ふたご座流星群』は極大を迎えるとの予測がでています。
この頃の月の月齢は10日。決して良い条件とは言いにくい月齢です。
ただし,15日3時前には沈むため,明け方までの時間帯は好条件となるでしょう
ピークとしては12月14日の宵から12月15日の明け方頃にかけてが、一番の見ごろ、次いで
その前夜の13日日没後~14日未明が見頃が二番目の見頃になるでしょう。
ふたご座のカストル付近に輻射点(放射点)を持つ『ふたご座流星群』は、
ここを中心に四方八方へと飛んでいくように見えます。
カストル…。
以前、双子座ギリシャ神話でも紹介しました、双子の兄弟のうちの一人です。
双子座の物語が気になられた方は、是非、こちらもご覧になられて下さいね。
美しい兄弟愛に、ほっこり出来ますよ。
3大流星群の一つであることからも、多くの流星が確認できることを期待するところなのですが、
今年は条件が決して良いとは言えません…。
今年は12月19日が満月ですので、その日に向けて日に日に月明かりが強く夜空を照らします。
また、日の入が真夜中過ぎという事もあり、月の入りから明け方までの時間帯が
最も観測に適している時間帯となります。
この時間帯の最大の敵は「寒さ」!しっかり防寒対策をして観測しましょう。
しかし、諦める必要はありません!
今年最後の3大流星群です。
流星は輻射点(放射点)の近くでは、その姿は短いのに対して、輻射点(放射点)から離れるほど長い線を描くのです。
月に背を向け、反対側の暗い空を全体的に見て、その美しい姿を見つけてみて下さい。
ふたご座流星群の観察方法
ふたご座流星群を観測するために、どのような場所を選べばよいのか?…。
どの方向を見上げればよいのか?…。
観察のポイントをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
【ポイント1】
天気の状況や場所の条件は大事です。
当然、晴れた空でないと観察することは出来ません。
あと、雲や水蒸気、ほこり、明かりなどは星の光を遮るため、建物などで視界を遮られ広範囲で空を見上げることが出来ない都心からは離れて、街灯りが少なく、空気の綺麗なところを観察場所に選ぶと良いです。
【ポイント2】
人工の灯りが目に入ると、見える流星の数が減ってしまうので、外灯の少ないところを観察場所に選びましょう。
どうしても灯りが目に入ってくる場合は、灯りに背を向けたり、手で灯りを隠すようにして空を見上げると良いです。
明るい月に対しても同じことをするだけでよいのです。月に背を向け、視界に入れず反対側の暗い夜空の方角を観察するだけで、流星をキャッチしやすくなりますよ!
【ポイント3】
流星群を観察するには、どの方角を見たらよいのか気になるところです。
ですが、流星はどこにでも現れるので、方角は気にしなくてもよいようです。
空のどこか一点を見るよりも、空の広い範囲を見渡すようにすると、流星をキャッチ出来る可能性が高まります。
【ポイント4】
星空を見る場合は、まず暗闇に目を慣らす必要があります。
目が暗闇に慣れていないうちに夜空を見上げても、星はよく見えないのです。
目が暗闇に慣れて瞳孔が大きく開いてくるにしたがって、少しずつ星がよく見えるようになってくるのです。
暗順応です。
この暗順応には、15分くらい時間がかかるので、まずは気長に空を眺めましょう。
目が暗さに順応しても、すぐに流星が現れるとは限らないので、時間と心に余裕を持って出現を待つのが大事です。
レジャーシートなどがあると、寝転がって見上げることが出来るので、首も痛くならなくて楽ですね。
あと、寒い時期ですので、防寒対策をしっかりとっておくとよいですね。
満月級の明るい火球や流星痕が見れるかも…
ふたご座流星群は、毎年12月5日頃から活動が始まり、極大日まで徐々に流星の出現数が増加していきます。
そして、極大日を過ぎると流星の出現数を大きく落とし、12月20日頃に活動を終えてしまうという特徴もあります。
また、最近の研究によると、明るい流星ほど極大時刻が遅れる傾向があるようです。
今年の極大予測は12月14日16時頃となっています。
この時刻よりも遅い時間帯に、明るい流星が出現する割合が高まるのかというのも注目すべきポイントですね!
極大日を過ぎると流星の数が一気に減少する傾向があるため、なおのこと12月14日の宵から12月15日の明け方頃にかけてが、観測するにはベストなタイミングとなるわけですね。
ただ、今年は条件の悪さから、流星の出現予想は1時間に20個程度になるのではないかとも言われています。
しかし、出現を気長に待っていることで過去にはあまり見られなかった、満月級の明るい火球や流星痕を残す流星の姿を、その目に捉えることが出来るかもしれませんよ!
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