こんにちは。
オンラインショップ担当の畑です。
星座にまつわる神話を中心に守護石となる星座石の紹介をしています。
前回は、『水瓶座』にまつわるギリシャ神話の紹介をしました。
本日は、黄道12星座の中でも最後12番目にくる『魚座』について、紹介していきたいと思います。
2月19日から3月20日の間で、この世に生を享けた方が魚座の生まれとなります。
魚座の見つけ方
秋の夜空、ペガスス座の近くで頭上高く、魚座は輝いています。
魚座は4等星以下の星たちで構成された星座となっているので、見つけるには少し難しい星座となっています。
人工の灯りが少なく、星がよく見える場所を選んで探してみてくださいね。
では、どのような星を頼りに探すとよいのでしょうか?
魚座を見つけるには、まず「ペガススの大四辺形」を見つけるのです!
「ペガススの大四辺形」は「秋の四辺形」とも呼ばれ、3つの2等星と1つの3等星からできている大きな四辺形なので、すぐに見つけることが出来ると思います。
魚座は、「ペガススの大四辺形」の東と南の線の外側を添うように描かれた星座で、ひらがなの「く」の字、またはアルファベットの「L」のような形をしています。
これは尻尾をリボンで繋がれた二匹の魚を表しているものになるのですが、なぜ魚なのか?…。
それは、このあとの神話のお話で紹介します。
「ペガススの大四辺形」の南に暗い星が丸く並んでいるのが、一匹目の魚です。
つぎに「ペガススの大四辺形」の東側を見てみましょう。
ぽっかりと空いた空間に、一匹目の魚同様に大四辺形の一辺と平行するかのようにリボンが伸びています。
そのリボンの先の方が少し折れ曲がっているように感じますが…。この折れ曲がったところに二匹目の魚がいるのです。
暗い星なので見つけるのが難しいかもしれませんが、「ペガススの大四辺形」さえ見つけることができれば、それを目印に「あそこに魚座があるのだ!」と思い込んで見ているうちに、目も慣れてきて、なんとなく徐々に二匹の魚と、二匹を繋ぐリボンが浮かび上がってくるかもしれないですよ(笑)
魚座(ピスケス) 2/19~3/20
星座石・・・アクアマリン、アメジスト
魚座の守護石となる星座石も複数割り当てられております。その中でも代表的なものとして二つをあげさせていただきます。
それぞれに石の持つ意味合いを下記にまとめております。
【アクアマリン Aquamarine】
和名…藍玉・藍柱石(らんぎょく・らんちゅうせき)
愛を育み結婚(幸運)へ導く、海難防止
【アメジスト Amethyst】
和名…紫水晶(むらさきずいしょう)
真実の愛を与え、恋人・友人との絆を深める、想像力や理解力を深める
☆魚座にまつわる神話☆
それでは12星座の中でも最後の星座となる魚座のギリシャ神話に入っていきましょう。
魚座のモデルとなっているのは、愛と美の女神「アプロディテ」と、その子「エロース」だと言われています。
では、魚座がどのようにして星座となったのか?…。
その経緯となったお話は「星座ものがたり」を通して、じつは一度、お話をしているのです。
これまでお話をしてきました神話の中の、どのタイミングだったのか?…。
それは記憶に新しい『山羊座の神話』になるのです。
そうです!
山羊座のモデルとなった「パーン」が、川の中に逃げ出す際に慌てふためいて変身した姿が滑稽で面白く、大神ゼウスたちに気に入られ星座となったお話の時になるのです。
山羊座の神話をご覧になられていない方は、是非、こちらもご覧になられて下さいね。
怪物の登場に神々は驚く
それでは舞台を、山羊のパーンが星座となった出来事が起きた場面に移しましょう。
ある日、天上界オリンポスの神々が地上に降りてきて、ナイル川の畔で大宴会が催されました。
この大宴会は、太陽と音楽の神でもあるアポロンが琴を弾き、音楽の女神・ミューズたちが舞い踊る、たいへん華やかな宴だったのです。
愛と美の女神「アプロディテ」と、その子「エロース」も宴に参加していて、川の近くを二人で散歩していました。
すると突如として、怪物テュフォンが大きな唸り声を上げて現れたのです!
テュフォンは星々と頭が擦れるほど、とにかく巨体で腿から上は人間と同じではあるものの、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた姿をした怪物です。
その力は大神ゼウスに比肩するほどであり、ギリシャ神話に登場する怪物の中では最大最強ともいえる存在でした。
怪物テュフォンの登場によって、華やかで楽しい宴は一変、修羅場へと変わってゆくこととなるのです。
山羊座は上半身が山羊、下半身が魚
突如現れた怪物テュフォンに不意をつかれ驚く神々。
各々、動物の姿に変身し、一目散に逃げ出します。
太陽と音楽の神でもあるアポロンは、カラスに姿を変えたとも言われています。
また、魚となって逃げたとも言われていますが、その姿が水瓶座の神話でも紹介した『みなみのうお座』となったとも言われています。
この『みなみのうお座』に関しては、ここで紹介する『魚座』の親だという説や、水瓶座の水瓶からこぼれ落ちた、または逃げ出た魚の姿だという説もあります。
さすが歴史の深いギリシャ神話です。
諸説ありますね…。
また、月と狩りの女神アルテミスは猫に…。
全知全能の大神ゼウスは鳥となって天空へと舞い上がり、天上界へと帰っていったのです。
そして、妻のヘラは雌牛になって逃げたと言われています。
この時に一番慌てふためいたのが、山羊座のモデルとなった羊飼いの神パーンです。
パーンは慌てすぎて、上半身は山羊、下半身は魚という姿で川に飛び込み、潜ることも出来ず水面でバシャ!バシャ!する始末。
この姿が山羊座となっています。
美しい親子の絆
さて、本題である「アプロディテ」と、その子「エロース」はどうやって、この場を逃げ切ったのでしょうか?…。
「アプロディテ」と「エロース」は、急いで逃げるために魚となって川に飛び込もうとします。
しかし、この混乱の中を逃げる際に、はぐれてしまってはいけないと考えた「アプロディテ」は、「エロース」と自分の足をリボンでしっかり結び、離れないようにしたのです。
(子を案じる親の姿を感じます)
そして二人ははぐれることなく、この危機から無事に逃れることが出来たのです。
この美しい親子愛に感動した大神ゼウスは、この時の二人の姿であった、尻尾がリボンで繋がれた二匹の魚を空へ上げ星座としたのです。
これが魚座です。
また、魚座は古代メソポタミア文明に由来する星座とされていて、この二匹の魚をつなぐリボンは、文明の発展に大きく寄与した「チグリス川」と「ユーフラテス川」が河口で合流している姿を表しているとも言われています
また、二匹を繋ぐリボンを示す「チグリス川」と「ユーフラテス川」の間にある「ペガススの大四辺形」は二本の川の間にある「バビロン」または「農地」を表しているとも言われています。
「バビロン」とは古代メソポタミアにおける主要な王国で、聖書では「バベル」と呼ばれており、あの有名な「バベルの塔」があったところになります。
ちなみに、神々に襲い掛かったテュフォンは一体、どうなったのでしょうか?…。
天界に一度戻ったゼウスは、雷を手にとると再び、テュフォンのもとに向かいます。
そして雷を投げつけ、テュフォンが怯んだ隙に、ゼウスは山ほどもある大きな岩を投げると、テュフォンを岩の下に閉じ込めてしまうのでした。
ゼウスが投げつけたこの岩が、シチリアのエトナ山になったとも言われています。
また、エトナ山が時々噴火するのは、テュフォンが地下で暴れているからだとも言われています。
「アプロディテ」=「ヴィーナス」 「エロース」=「キューピッド」
話を「アプロディテ」と「エロース」に戻します。
「アプロディテ」はギリシャ神話において、愛と美の女神とされています。
一方、ローマ神話においてはウェヌス(英語読みでヴィーナス)が同一神とされています。
同様に子の「エロース」はローマ神話において、クピードー(英語読みでキューピッド)が同一神とされています。
「アプロディテ」=「ヴィーナス」
「エロース」=「キューピッド」
どちらかと言うと「ヴィーナス」「キューピッド」の方が、聞き馴染みがあるという方が多いかと思います。
彫刻の『ミロのヴィーナス』、絵画の『ヴィーナスの誕生』は有名ですし、キューピッドの弓矢を持った姿は、誰しもの頭の中に浮かび上がることでしょう。
この二人には、また別の面白いお話があるのです。
どんなお話なのか?…。
それでは、こちらも見ていきましょう。
嫉妬によって狙われた絶世の美女
パリスの審判で、天界三美神といわれるその美貌を、神々の女王「ヘラ」と知恵の女神「アテナ」と三名で競い、見事に勝利した「アプロディテ」
まさに愛と美の女神です。
そんな「アプロディテ」でしたが、気掛かりなことが出来てしまいます。
地上である人間界では、一人の女性が絶世の美女として噂になり始めていたのです。
その絶世の美女とは、とある国の王の末娘である「プシューケー」です。
絶世の美女として噂になる「プシューケー」に対して、嫉妬を覚える「アプロディテ」…。
(これは嫌な予感がします…。)
案の定、「アプロディテ」は息子の「エロース」を呼び出し、よからぬ事を命じます。
その命令とは、『プシューケーが子孫を残さぬよう、鉛の矢をプシューケーに撃ちなさい!』というものでした。
この『鉛の矢』とは、一体どんなものだったのか?…。
『鉛の矢』に射られた者は恋を嫌悪するようになるというものだったのです。
その反対に射られた者は激しい愛情にとりつかれるという『黄金の矢』も、この「エロース」は持っていました。
まさにキューピッドです!
「エロース」は『鉛の矢』を撃とうと、「プシューケー」が寝ているところを訪れます。
ところが、「プシューケー」の寝顔があまりにも美しく、驚いた「エロース」は心を乱してしまい、一緒に持っていた『黄金の矢』を落としてしまいます。
この時、落とした『黄金の矢』で、「エロース」は自分の足を傷付けてしまいます。
『黄金の矢』が刺さったことで、「エロース」は目の前にいた「プシューケー」に恋をしてしまうのです。
しかし、人間との恋に落ちるわけにはいかないので、「エロース」は身を隠します。
(簡単に恋に落ち、何でもありのゼウスとは違います!)
絶世の美女は生贄となる…
この「プシューケー」は、あまりの美しさが災いしたのか、三人姉妹の中でも一人だけ結婚話がありませんでした。
これを心配した両親は神託を仰ぎます。
すると、恐ろしい神託が…。
「花嫁衣裳を着せて、生贄として怪物に差し出すように」とのお告げがでてしまうのです。
神託は絶対です。
両親は止むを得ず神託に従い、「プシューケー」を生贄として岩山に置き去りにするのでした。
ここから「プシューケー」は神の風に導かれ、谷間の宮殿にたどり着きます。
この宮殿には人影がないように見受けられるのですが、どこからともなく声が聞こえてくるのでした。
よく見ると、暗がりに人影が…。
その人影は優しく語り掛けてきます。
「自分の家のようにくつろぎなさい」。
そして、その優しい人影は「プシューケー」が望むことは何でも叶えてくれるのでした。
(よかった…。いい人です!)
自分は花嫁として…、生贄として怪物に差し出されたと思っているプシューケーは、暗がりから出てこない、この人影と結婚し、裕福な生活を送るのでした。
しかし、夫は常に暗がりの中にいて、プシューケーもその姿を見ることは許されませんでした。
(なんだか、『美女と野獣』のような展開です…)
キューピッドの愛は叶えられる
毎日、夜が明ける前に寝床を出ていく夫…。
ある夜、「プシューケー」は夫が寝ているときに、ランプを当てて姿を確認するのでした。
すると、その明かりの中に浮かび上がった姿は、怪物などではなく、この世のものとは思えないほど美しい姿をした男性でした。
この美しい姿をした男性こそ、「エロース」だったのです。
人間と結ばれるわけにはいかず、一度はあきらめ身を隠していましたが、「プシューケー」への恋心を抑えることが出来ず、このようなやり方で近づいたのです。
自分の姿が見られていると悟った「エロース」は、驚き目を覚ますと怒って窓から飛出し、「プシューケー」の前から姿を消してしまいました。
「エロース」のあまりの美しさに心を奪われた「プシューケー」は、夫である「エロース」を探し求めてあちらこちらを彷徨います。
そして、神々にどうすればエロースに会えるのか?方策を尋ねます。
その中には、エロースの母親である「アプロディテ」もいました。
(絶対、意地悪されるにきまっています!)
「プシューケー」の美しさに嫉妬していた「アプロディテ」は、意地悪をして無理難題を押し付けます。
(やっぱり…)
無理難題をひとつずつクリアしていく「プシューケー」ですが、難題が続く中で、ついに倒れてしまうのです。
一方、姿を消してしまった「エロース」ですが、どうしても「プシューケー」を忘れることが出来ませんでした。
「エロース」は「プシューケー」を救い出すと、大神ゼウスのもとに行き、すでに二人が結婚していることを認めてもらうよう願い出ます。
ゼウスは「プシューケー」の美しさに納得すると、この願いを聞き入れ、神の酒を与えたのです。
この神の酒を飲んだことで「プシューケー」も神となります。
そして、お互いに神という存在になったことで二人の結婚は晴れて認められるのでした。
今回は魚座にまつわるギリシャ神話として、リボンで繋がれた二匹の魚のお話や、そのモデルでもある「アプロディテ」と「エロース」にまつわるお話を紹介しました。
いずれのお話にしても、絆を深め、愛を育む姿が、星座石の意味となる要素を多く含んでいたように思えます。
12星座における星座石やギリシャ神話の紹介はこれで1周したかたちとなります。
自分自身の星座石だけではなく、ご家族や恋人、親友の方の星座石を合わせ持つことで絆をより深めるというのもいいですね。
また、その時々の星座石を身に着け、各星座からの力をお借りするというのもよいのではないでしょうか?…。
ギリシャ神話は奥が深く、まだまだ多くのお話・物語があります。
そして、登場する神々は人間よりもある意味、人間らしくもあり面白かったりもします。
もっともっと、ギリシャ神話の世界に入り込んでいきたくなりますね。
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