めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

八岐大蛇退治編も、その10となりました。
古事記に興味を持ち、
伝承地に足を運ぶようになったのは
6年ほど前のことです。

この6年の間に、神社が修造されたり
新しい案内板ができたり。
はたまた新しい発見や「もしかして?」と
仮説がひらめいたり・・・
同じ神社でも行く度に新鮮な発見があったり

一度行ったから終わりじゃないんだなと
改めて認識しております。
まだ続きますので
どうかお付き合いください。

前回は斬られたヤマタノオロチが
その首を岩に伏したと伝わる

岩伏山をご紹介させて頂きました。
今回もヤマタノオロチが斬られた

その後の伝承地を訪ねてみます。

八本杉。
島根県雲南市木次町里方。


2020年10月撮影。


「八岐大蛇退治その7」で紹介させて頂いた
草枕山や尾留大明神から
斐伊川の上流の場所にあたります。

名前の通り杉が八本あります。

解りづらいので数字を振ってみました。確かに(^^;)

看板の由来によりますと
この場所は八岐大蛇との古戦場とあります!

オロチを退治し、その八つの蛇頭を
この地に埋めて八本の杉を植えたことから
「八本杉」の名が起こったとあります。

この場所はオロチの首を
刎ねた場所の様です。

看板はもう一つあり
スサノヲが詠んだ歌が書かれています。

我たのむ 人を恵みの杉植えて
八重垣かこみ 守る末の代

斐伊川のすぐそばのこの場所は
川の氾濫で木が流された事もあるそうです。

その都度、木を植え、
歌にあるようにスサノヲの願いを
後世に伝えているようです。

看板によると1633年5月の洪水で
木が転覆流出し、その後数回の洪水で
流出しその度補植したとあります。
現在の杉は明治6年(1873年)に
植えられたものが残っています。

今では斐伊川上流のダムや放水路の
お陰だったりと、
斐伊川の氾濫は過去の事と
なったのではと思います。

出雲国風土記には「樋社(ひのやしろ)」
という神社が二社載っているようで
この八本杉の場所はその内の一社が
在った場所ではないかといわれています。

713年に出された「好字二字令」により
地名には良い二文字を充てる様に
発せられました。
この時、「伊」の字を加え
「樋(ひ)」から「非伊(ひ)」の二字に
やがて「斐伊(ひ)」に変わったようです。

もう一つの樋社候補は
現在の斐伊(ひい)神社。

雲南市木次町里方463


八本杉が鳥居前から見える距離にあります。

鳥居から石段を上り
二の鳥居を左に折れると拝殿があります。

ご祭神はスサノヲ、后神のクシナダ、
イツノオハバリ。
そして合祀されている地名由来の神、
ヒハヤビコ。

イツノオハバリはイザナギの剣の名前です。
古事記では火の神カグツチを
産んだ
イザナミが
その時の火傷で命を落とします。
父神イザナギは怒りのあまり
カグツチの首を剣で刎ねてしまいます。

その時の剣がイツノオハバリ。
(またはアメノオハバリ)
社殿には剣のご神霊として祀られています。

ヒハヤビコはカグツチの首が刎ねられた時の
柄に滴る血から
成った神様。
古事記には「ヒハヤビ(の神)」とあり、
同一神と考えられているようです。

スミマセン、解りづらいですね(^^;)

本殿の左右には対象にお社が並び
キレイなレイアウトの神社です。
修造が施され、
所々新しい板壁に換わっていますね。

境内社 火守社。ご祭神はカグツチ。
赤い鳥居ですので
お稲荷さんかと思いましたが
実は本殿に向かって左がお稲荷さんです。

ちょっと不思議なご祭神だと感じました。
風土記にある地名由来、
「ヒハヤビコが鎮座しているので
『樋(ひ)』という。」
この記述もそうですが
イザナギの剣が神様として祀られ、
さらに首を刎ねた時の血から成った神が
祀られている根拠がピンときません。

江戸時代に編纂された地誌「雲陽誌」に
その考察が載っているようですが
どんどん深みにハマっていきますので
また機会がありましたら(笑)


そうそう、斐伊神社の社伝には
大宮市の氷川神社の勧請元はこの神社で、
年代まで明記されているようです。

ですが氷川神社は杵築大社から
勧請したとの社伝だそうで、
ちょっと食い違っているようですね。

氷川神社に参拝してみると
出雲に縁の深い神々のお社が立ち並び、
埼玉でお会いできるとは
ちょっと違和感だったりしました。

慣れって面白いですね(^^)


2017年2月撮影。

スミマセン、今回は八岐大蛇から
ちょっと脱線したまま終わらせて頂きます。
悪しからずご了承ください・・・
㎜(_ _;;)㎜

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~

古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~

古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山

古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~

古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加