めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲61 大国主命㉖ ~ オオクニヌシの家系図その2 美保神社 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

 

一ヶ月あまりに渡る神在神社の
読み物にお付き合いくださって
ありがとうございました㎜(_ _)㎜
売豆紀神社は心残りですが、
来年、しっかりレポートしたいと思います。
機会があれば「縁結びの会議(神議り)」、

「母神崩御を敬う」といった神在由来以外の
由来を
掘り下げてみたいと
思っておりますが、

まだまだ情報不足ですので、
来年までの
課題にしておきます。

 

さてさて。
前回はオオクニヌシとスセリヒメの
歌のやり取り、その後に書かれている
オオクニヌシの家系図から、
アジスキタカヒコネとシタデルヒメの
祀られている神社をご紹介しました。
この二柱の兄妹神は再度登場します。
その時にまたご紹介しますね。

今回はオオクニヌシの家系図の続きを。
その前に、前回からあまりにも時が
経ちすぎましたので、よかったら
前回の読み物を下に貼っておきます。

古事記と出雲60 大国主命㉕

オオクニヌシの家系図の筆頭は
宗像の沖ノ島に祀られている女神、
タギリヒメとの間の二柱の御子神でした。

その次に書かれている御子神は
カムヤタテヒメの間に生まれた
コトシロヌシ。
更に別の系図が九代書かれています。
古事記にはスサノヲの家系図から数え
「十七世神」とあり、
「とをまりななよのかみ」と読むようです。



※Wikipediaより引用。数字、緑枠は加筆。

??? オオクニヌシはスサノヲから数えて
六代の孫神ですので、その後に九代足せば
家系図としては十五代なのですが、
十七代・・・? ちょっと多いです。
一節によると、独立して書かれている
アジスキタカヒコネとコトシロヌシを
二代として加えるのでは?といった
考えがあるようですね。

 

さて、今回はコトシロヌシにちなんだ神社の
ご紹介をさせて頂きます。
出雲地方でコトシロヌシといえば
こちらでしょう!美保神社。
島根県松江市美保関町美保関608

写真は12月19日、先日の雪が
まだ屋根に残っていました。

美保神社の本殿は「美保造」または、
比翼大社造」といわれ独特です。
大社造りを並べてそれを連結し、
その前に拝殿を取り付けたものです。

ご祭神はミホツヒメとコトシロヌシ。
向かって右の左殿、大御前(おおごぜん)に
ミホツヒメが祀られ、

向かって左の右殿、二御前(にのごぜん)に
コトシロヌシが祀られています。

向かって「右」が「左殿」なのは
神様から見て左右になりますので
鎮座されている神様視線だからです。

神社では左方(向かって右)が上位ですので
ミホツヒメが上位に祀られています。
これはミホツヒメが「天津神(あまつかみ)」、
天の国で生まれた神様だからの様です。
コトシロヌシは「国津神(くにつかみ)」。
この地上で生まれた、現れた神様です。

美保神社境内で、個人的に面白いなぁと
感じるのは、様々な狛犬さんたちです。
ちょっとご紹介させて頂きますね。

まずはニの鳥居の後ろに控える、
台座から高さ3メートルもある、
かなり大きな狛犬さん。

おすわりの姿勢でしっぽが大きいこの型は
出雲地方独特の狛犬の型で、
「出雲座り型」と呼ばれます。
松江市宍道町の来待(きまち)地区周辺で
採掘される「来待石」の狛犬さんです。

拝殿脇の狛犬は陶器製。

狛犬は元々は木製や陶器製のものが始まりで
室内に
置かれたそうですが
室外に置かれるようになり、
石製へと変遷していきます。

見過ごしがちですが、美保神社は
木製の狛犬もいるんですよ(^^)b
拝殿の奥、本殿との間あたりを
見てもらえれば見つかります。

木製の方が彫刻がしやすいのか
細かい部分が精巧ですね♪
毛なみも彫られています。

境内社の狛犬さんは個性的です。

こちらの境内社の狛犬もまた個性的です。
おかっぱ頭です(笑)

こちらは笏谷石(しゃくだにいし)製だそうで
福井県で採掘される石です。
北前船で持ち込まれたのでしょう。

ここまで一対の狛犬を向かって右の狛犬から
載せました。は写真一枚目の狛犬が
口を開けています。ですがの狛犬だけが
向かって左側の
狛犬が口を閉じています。
これはこのおかっぱさんがいる境内社だけ
社殿の向きが違うんですね。
の狛犬の鳥居や社殿は全て東向きに
建てられていますが、このおかっぱさんの
狛犬の社殿は南向きに建てられています。

狛犬の口の開け閉じは「阿吽(あうん)」の
意味だそうです。
この「阿(あ)」と「吽(うん)」は
サンスクリット語の始まりと終わりの字。
その事から宇宙の始まりから終わりまでを
表す言葉といわれます。つまりは
宇宙の理(ことわり)、全ての事を
狛犬は見抜くということでしょう。
狛犬は悪いものが入り込まないよう

見張っているわけですが、
全てお見通しなんですね。

一般的に神社は南向きに建てられて
いる事が多いそうです。(全てではありません。)

その場合社殿に向かって右は東。
日が昇る東の狛犬が口を開けている
「阿行」となり、
対して日が沈む
西の狛犬は口を閉じてている
「吽行」となります。

太陽を基準とし、始まり終わりに
なっているようですが、美保神社は
北と西が阿行の様ですね。
太陽基準では無いのでしょうか?
まあ、必ず太陽基準といった訳では
無いのかもしれませんね。

おっと、狛犬はもう一対あります。

出雲型のもう一種「出雲構え型」と呼ばれる
前かがみの狛犬さんです。
「吽行」です。
阿行は? 台座が無く向かいにいました。

尻尾が無く、アゴも定かでありません。
以前、どちらかにいた狛犬さんかも
しれませんね(^^;)

ご紹介した狛犬さんは下記の境内図から
散策してみてください。

そして亀さんはシークレット♬
美保神社ご紹介の度に載せている様な
気がしますが、探してみてください。
花崗岩製みたいですね。

 

本日はオオクニヌシの家系図から
コトシロヌシに関わる美保神社と狛犬を
ご紹介しました。

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

 

大国主命編 過去のブログはこちら

古事記と出雲㊱ 大国主命① ~ その出生地はどこか?~

古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

古事記と出雲㊳ 大国主命③ ~ オオクニヌシのお父さん 日御碕神社 編 ~

古事記と出雲㊴ 大国主命④ ~ 稲羽の素兎 白兎神社 編 ~

古事記と出雲㊵ 大国主命⑤ ~ 稲羽の素兎 白兎海岸 編 ~

古事記と出雲㊶ 大国主命⑥ ~ ヤガミヒメの故郷 賣沼神社 編 ~

古事記と出雲㊷ 大国主命⑦ ~ オオクニヌシの受難その1 赤猪岩神社 ~

古事記と出雲㊸ 大国主命⑧ ~ オオクニヌシの受難その2 赤猪石・赤猪神社跡(元宮) ~

古事記と出雲㊹ 大国主命⑨ ~ オオクニヌシの甦り 清水井 清水川神社 ~

古事記と出雲㊺ 大国主命⑩ ~ オオクニヌシの受難その3 大石見神社 編 ~

古事記と出雲㊻ 大国主命⑪ ~ 救世主 オオヤビコはスサノヲの御子神? ~

古事記と出雲㊼ 大国主命⑫ ~ イソタケルを祀る「韓国伊太氐神社」の不思議 編 ~

古事記と出雲㊽ 大国主命⑬ ~ オオクニヌシの根の国訪問 スセリヒメとの出会い 編 ~

古事記と出雲㊾ 大国主命⑭ ~ スセリヒメを祀る神社 佐比賣山神社 編 ~

古事記と出雲㊿ 大国主命⑮ ~ スセリヒメ終焉の地 唐王神社 前編 ~

古事記と出雲51 大国主命⑯ ~ スセリヒメ終焉の地 唐王神社 後編 ~

古事記と出雲52 大国主命⑰ ~ 大国主命の使いはウサギ?ネズミ? ~ 

古事記と出雲53 大国主命⑱ ~ オオクニヌシの琴 琴引山・琴弾山神社 編 ~

古事記と出雲54 大国主命⑲ ~ 八十神討伐。オオクニヌシの築いた城「城名樋(きなび)」編 ~

古事記と出雲55 大国主命⑳ ~ 八十神討伐とその後のオオクニヌシ。 木次神社・三屋神社 編 ~

古事記と出雲56 大国主命㉑ ~ 八十神討伐にまつわる地名 加茂神社(屋代神社)・屋裏八幡宮 ~

古事記と出雲57 大国主命㉒ ~ ヤガミヒメ再登場 御井神社 実巽神社 編 ~

古事記と出雲58 大国主命㉓ ~ コノマタの神は稲羽に里帰り出来なかった? 阿陀萱神社 編 ~

古事記と出雲59 大国主命㉔ ~ 翡翠の女神 ヌナカワヒメ ~

古事記と出雲60 大国主命㉕ ~ スセリヒメ再登場。 オオクニヌシの家系図 阿須伎神社・乙見社 編 ~ 

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